ミックステープ文化論

小林雅明

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1,980円(税込)

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レーベル
シンコーミュージック
国(Country)
JPN
フォーマット
BOOK
規格番号
4401644437
通販番号
1007711569
発売日
2018年07月26日
EAN
9784401644377
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商品詳細情報

某電子書籍アプリ内で、No.1の売れ行きを誇ったライター/翻訳家・小林雅明の作品、初めての書籍化!ヒップホップの過去と未来が透けて見える、“ミックステープ”とは一体何か?

2017年の第59回グラミー賞で最優秀ラップアルバムに選ばれたのは、チャンス・ザ・ラッパーの『Coloring Book』。これはCDでもDL販売でのアルバム形態の販売もない、無料配信での「ミックステープ」という形を取る作品だった。80年代にヒップホップ/クラブ系アーティストらの手で、著作権を無視したアンダーグラウンドなブートレッグの一種として登場。当初のメディアはカセットデープだったことからその名に“テープ”と残っているが、時代とともにCD-R、DL音源、ストリーミングへと姿を変えた今も、その呼び名だけは変わらない。しかしその本質は、アーティストの“名刺代わり”のプロモーション・ツールから、さまざまな紆余曲折を経て、もはや“作品そのもの”へと変化していく。本書は、技術の進化とともにあるその変遷、時代ごとの意味合い、また「作品をプロモートする」「音楽を売る」をいうレコード会社の在り方まで変えて来た「ミックステープ」というメディアを、さまざまな角度からアカデミックに斬る一冊。

「二つ目のミックステープを作って、それをネット上に無料で出したあと、自分の計画では、レーベルと契約して、その後で、自分の音楽について考えるつもりでいた。ところが、三大メジャー・レーベルとのミーティングを経てわかったのは、何かに囲い込まれなくても、自力で、自分の作品をベストな形でみんなに提供できるということだった。お金ならツアーや物販で稼ぐし、何かに取り組む場合にも、きっちりと実行していけば、既存のやり方に従う必要はないと、本気で考えている」
──チャンス・ザ・ラッパー(「はじめに」より抜粋)

■目次
はじめに

パート1
1.ラップ・レコード登場以前
2.クラブプレイからミックスショウへ
3.ミックステープの完成~『52 Beats』
4.ブレンドでミックスキングに
5.区切りの年、1991年

パート2
1.エクスクルーシヴ
2.ジ・オリジネーター
3.ミックステープ・アウォーズと95年
4.録り下ろしフリースタイル
5.ミックステープの商業化
6.殺るか殺られるか~ドキュメンタリーとして
7.コンピからアルバム型へ、DJからアーティスト主導へ
8.セルフ・ブランディングのツールとして
9.ニューヨーク以外の地域での興隆
10.アンオフィシャル・リミックスとジェイ・Z
11.ミックステープ発信体制の整備とフリーダウンロード

パート3
1.ミックステープ・ゲームの強制終了
2.ゲームの再起動とフリーダウンロード
3.ヒット・シングルを生み出すミックステープ
4.ミックステープの当たり年
5.変化するフリーダウンロードへの認識
6.ストリーミングで変わるミックステープの位置付け

おわりに

あとがき/出典一覧/索引
著者について

小林雅明(こばやし・まさあき)
群馬県生まれ、早稲田大学第一文学部卒業。主に映画、ヒップホップを中心としたブラック・ミュージック全般の執筆/翻訳を手掛ける。著書に『誰がラッパーを殺したのか?―ドラッグ、マネー&ドリームス』(扶桑社:1997年)、訳書に『ラップ・イヤー・ブック』(シェイ・セラーノ/DUブックス:2017年)、『ロスト・ハイウェイ(扶桑社ミステリー)』(デイヴィッド・リンチ/扶桑社:1997年)、『GODZILLA』(H.B. ギルモア/集英社:1998年)、『ローリン・ヒル物語』(マーク・シャピロ/扶桑社:1999年)『トリック・ベイビー 罠』(アイスバーグ・スリム/スペースシャワーネットワーク:2009年)、監訳書に『チェック・ザ・テクニーク ヒップホップ名盤ライナーノーツ集』(ブライアン・コールマン/小社刊:2009年)、など。
登録情報

仕様
224ページ
寸法: 21 x 14.8 x 2.5 cm