3,300円(税込)
※5,000円(税込)以上買うと送料無料!新品でも中古品でもOK!
1988 年にリリースされた初の2 枚組、スタジオ・アルバムとして3rdにあたる。ナナフシのような一匹の昆虫の姿が見開きダブル・ジャケットの全面にわたり、背にバンド名と作品名などが小さく据えられている以外文字のない、極めて大胆なアートワークもさることながら、全13曲の内容もまるでひとつのバンドとしての統合性を取り払ったかのように多彩なナンバー群となっている。
YBO2の場合、発表された作品すべてが問題作ではあるが、今作はその極めつけといってもいいほど音楽的に異様な振り幅に突出している。
曲名にもあるように中近東系の旋律が繰り返される「Sahara Sunrise」。透明感あふれるリリカルなギター・フレーズと消え入りそうなヴォーカルとのマッチングが、YBO2 楽曲としては衝撃的でもある「Rubycon」。吉田達也単独による狂乱のテクノ・フレイバーによる「Gravity」。北村昌士のギターがアンビエントに棚引くインストの「Fracture of Meaning」。これもYBO2 楽曲としては衝撃的なラテン・フレイバーのカッティングギターがアッパーなポップ感で迫る「By The Lake」。なんとR&R ベイシックな「El Salvador」。これら多彩な楽曲とともにブリティッシュ・トラッドな「円」や、「AMERIKA」と並んでライヴで凄みを発揮していた「鬼」などYBO2“らしさ”のナンバーもあるが、アルバム全体としては後のプロジェクト的展開を予兆させているかのようにジャンルを振り切っている。
分裂と再生、融合と乖離、さまざまな統廃合がめまぐるしく何かの生命体のように運動している。それが巨大なナナフシなのかどうかはもはやわからないが、この異様な音楽的運動をたったひとつの名のもとに成さしめているのが、YBO2 なのだ。
YBO2 / ワイビーオーツー