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ニューオリンズのピアニストで、1983年に40代前半という若さで亡くなったジェイムズ・ブッカー。ジャズとかブルースとかR&Bなどのジャンルを超越してまさに“ニューオリンズのピアニスト”と呼ぶしかない存在だった彼は、破滅型天才の典型でした。
溢れんばかりの才能を持ちながら、それを持て余すかのようにドラッグや酒におぼれ、精神を病んだ結果、最後はコカインの大量摂取による心不全で自己の存在を消滅させてしまったのでした。彼は、60年代にファッツ・ドミノやリトル・リチャード、さらにはウィルソン・ピケット、B.B.キングなどのバックをつとめて名を上げ、70年代後半からは自己名義での活動が増えていきましたが、76年には初のヨーロッパ・ツアーを敢行します。
これは、その間にハンブルグのクラブ“Onkel Pö’s Carnegie Hall”で行った彼のパフォーマンスを収めたアルバムで、同クラブでのライヴを収録したNDR のテープを使用したJazzlineのシリーズの1枚としてここに登場しました。
確固とした技術に裏打ちされたピアニストとして、さらにはユニークなヴォーカリストとして、古い曲や自らのヒット曲を題材に、強烈なニューオリンズの香りで聴衆を圧倒する彼のパフォーマンスは、とてもパワフルかつ繊細。改めて彼の魅力に取りつかれてしまう1枚です。Vol.1と題されているので、近々登場するであろうVol.2のリリースをお楽しみに。
JAMES BOOKER / ジェイムズ・ブッカー
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