とは言ってもやはり群を抜いた出来栄えなのが「Saturday, Saturday Night」であることは異論なし。単純極まりない歌詞も相俟って当時大流行したこともうなづけるキャッチーなナンバーは、このアルバムの象徴と言えるでしょう。この曲を筆頭にLPのA面に当たる(1)から(4)はすべてアップ系で締められており、プロデューサーのJAMES GADSONの貢献度もかなり高し。切れ味鋭いファンク・ナンバーが並んでいます。一方のロマンシング・サイドとも言うべき(5)から(8)のミディアム~スロウもかなりのもの。ストリングス・シンセが極上の雰囲気を醸し出している「I Believe In You 」、ファルセットが大活躍する「Love Seasons」など、本格派ボーカル・グループに劣らないクオリティのアーバンな楽曲が並んでいます。いずれにしても過小評価されているアルバムであることは間 違いの無いところで、今回のリイシューを期にぜひ多くのソウル・ファンに楽しんでもらいたい抜群の内容のアルバムです。
