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SMOOTH APPROCHというグループ名にピンとくる方は相当のインディ、あるいはグループマニアといえるだろう。90年代末、すべてインディからだがアルバムを数枚リリース、正統派R&Bグループマナーと丁寧な作りこみ方で評判をとっていたグループだ。最近名前を聞かなくなっていたが中心人物のJEFF "TIGHT" ROBERSONが素晴らしい作品を届けてくれた。本家のアルバムではなくDEEP3という新人3人組のプロデューサーとしてなのだが、このアルバムが昨今のグループ不作が嘘のような充実作、リリースと同時にグループ名盤の仲間入りをしてしまうようなとんでもない作品だったのである!
オープニングのイントロからしてしゃれている。少し前に流行った擬似ライヴ仕立てだがこの作戦もグループ物の常套句と言ってもいいだろう。おそらくはプロデューサーのJEFF ROBERSONの入れ知恵に違いない。イキのいいアップ系が数曲続いた後、(5)(6)のスロウでぐっとこちらの心を掴んでしまう。(7)のブルージー・ミッドでは大御所DRAMATICSあたりを連想させたかと思うと、その後の(8)はメロウなフローター・ミッド。出身地、年齢等のデータは不明だがジャケット写真から見る限りは相当な若さだろう。それでいながら高質でバラエティに富んだ楽曲を軽くいなしてしまう実力。これはかなりの器を持った3人組である。更にJEFF ROBERSONのプロデュースぶりも秀逸で、オーバー・プロデュースを避けた3人組のグループを強調したヴォーカル・アレンジは、このまますぐにライヴ・パフォーマンスが出来そうなものである。ソング・ライティングはJEFF ROBERSONとメンバーが約半数ずつを手掛けているが、メンバーの中でも中心と思われるDION'TAE JOHNSONのメロディ・センスは特に要チェックで、今後必ずや様々な方面で名前を聞くことになりそうだ。(11)などは90年代のどんな美メロR&Bでも負けない曲!
グループ物を待ちわびていると思われる数多くのリスナーは、久々の大きな喜びを得られる事だろう。それどころかインディ・リリースだけに伝説的なアルバムになってしまう事も予想されるレヴェルのアルバムといったら言い過ぎであろうか。とにかくインディからでもこのような素晴らしい作品があることを、ぜひ多方面のリスナーに聴いてもらいたいと願うばかりである。
輸入部 坂本
DEEP 3 / ディープ・スリー