2,739円(税込)
※5,000円(税込)以上買うと送料無料!新品でも中古品でもOK!
ダーティー・サウス系のリスナー、あるいは耳の肥えたR&Bファンならもう既に知れてる名前なのではないだろうか。昨年の秋頃、先行シングルの(3)「Sweep Da Flo」がここ日本でもヒット、今年に入りアルバムのサンプラー的な2ndシングルが出まわり、一気に彼女の名前は拡まっていった。先行シングルのダーティー然とした楽曲と2ndの純R&Bテイストの両面性を併せ持った期待の女性シンガーとしてアルバムが待ち焦がれていたが、そんな中ようやく到着したこのファースト・アルバム「THE TAKEOVER」。そしてこのアルバム・タイトルも彼女自身にとっては深い意味のあるもので、そんじょそこらのメジャー・アイドル・シンガーにはない肝っ玉を感じさせてくれる要因だとは、このアルバムを聴いた後多くのリスナーが感じてくれる事だろう。
ニュー・オーリンズ出身、生粋の南部っ子であのハリケーン、カトリーナが襲って来た時は勿論現地にいたそうだ。その後家族と共にヒューストンに移住、そこでも南部の精神を忘れた事はないという。アルバムも前半はそんな南部気質丸出しのダーティー系ナンバーが並んでいる。そしてそんな中突然現れる(7)。86年、PATTI LABELLEがMICHAEL MacDONALDとのデュエットでビルボード1位を獲得したナンバーだ。そして今回EURICKAのお相手を務めるのは、なんとあのCALVIN RICHARDSON。自身の2枚のアルバムでもそれぞれデュエット・ナンバーが収められていたが、まさに"職人ぶり"を発揮していて新人シンガーの力を数段階ほど引き上げている。この曲を境にアルバムは前半とは打って変わって美メロなナンバーが揃ったR&Bサイドへ。ジャネット・ジャクソンを意識したかのようなウィスパー・ヴォイスがイケてる(9)を筆頭に、プロモーション・ビデオでのラブ・シーンが目に浮かぶような艶を持った曲が並んでいる。作曲クレジットが現時点で不明なのが悔しく思えてくるほど良く出来た美しいスロウが満載で、マーケット的にはこの後半のナンバー達はとても"おいしい"存在になる事だろう。
一昨年のハリケーン遭遇の後、ほとんどの南部人と同様に多くの困難を乗り越えながらアルバム・リリースまでこぎつけた彼女の精神には頭が下がる想いだが、そんな彼女の今一番のテーマはこのアルバム・タイトルにもなっている「TAKEOVER」だという。南部人としての誇り、尊厳を奪回したいという思いは彼女の精神の強さを思い知らせてくれている様だが、そんな気持ちの強さはこのアルバムを聴けば一目瞭然だろう。必ずやブレイクするであろう、期待の新人だ。
EURICKA