今年1月に発売されたレア・グルーヴ系DJ/コレクターのバイブル、「レア・グルーヴ・ディスク・ガイド」誌上で絶賛されているUS産ジャズ・アルバム『ドリーム・クイーン』が、ついに世界初CD化。本作は1972年にピアニストのボビー・ハミルトンを中心にして制作されたアルバムで、NYのマイナー・レーベルによってリリースされました。ボビー自身のエレクトリック・ピアノと、ヴィブラフォン、ホーン・セクション、そしてパーカッション群による、骨太でアフロ色の強いジャズ・ナンバーがズラリと並びます。オリジナルLPは近年では海外オークションなどでも価格が急騰しており、5万円でも購入が難しいような状態になっていいます。オープニングの「Pearl」や、アフロ・スピリチュアル・ジャズの10分を超える大作「In The Mouth Of The Beast」(3曲目)がよく取り上げられますが、個人的には2曲目の「Pricsilla」と4曲目の「Roll Your Own」が2大キラー・トラックだと考えます。どちらも、エレピの美しいサウンドと抑制されたホーン・セクションが素晴らしい傑作です。ラスト・ナンバーでありタイトル・ナンバーでもある5曲目は唯一のスロー・バラードで、やはり透き通ったエレピとヴィブラフォンの掛け合いの美しさが絶妙です。ちなみにこちらも10分を越える大曲です。ジャズ系レア・グルーヴの名盤と評されるアルバムは次々にCD化されていっていますが、まだまだ隠れた名盤があるのだなと改めて認識させられる、まさに“幻”の傑作の登場といえるでしょう。完全限定の紙ジャケット仕様で再登場! 音もマスタリングをやり直しています。
