DJ daddykayのKeep On Spinnin' VOL.31 『SHAILA PROSPERE / UNDER MY SKIN』

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2021.01.28



2019年の8月以来だいぶ間が空いてしまいましたがまた少しずつ推薦アルバムを紹介していきます。改めて、またこれからもよろしくお付き合いください。


2021年最初のリコメンド・アルバムは2000年にあのUKのプロデューサー・ティーム、フル・クルー主宰のその名も
Full Crewレーベルからアルバム・デビューしたシャイラ・プロスピアの通算3枚目となるアルバム『Under My Skin』
をご紹介します。

デビューから21年でアルバム3枚とはちょっと少なすぎますよねぇ。
2017年のセカンド・アルバムがリリースされた時には、え?あのシャイラ?、と突然のカムバックにびっくりしたのを憶えてます。
まだ業界に居たんだというのが正直な思いでした。あまり期待せずにアルバムを聴いてみたらこれが素晴らしかった!

UK Soul Chart、Mi-Soul Connoisseurs Chart、Sweet Rhythm Chartsでチャート・トップの座を獲得していて、さらにシングル3曲もチャート1位に輝いています。
さらにさらにUK Soul ChartとMi-Soul Connoisseurs Chartでは2017年の年間ナンバー・ワン・アルバムにも収まるというオマケが付いた思い出深い大カムバックを果たした17年ぶりのセカンド・アルバムから4年。そりゃあ期待も高まるってもんです。

そんな最新アルバム、昔からの彼女のファン、そして筆者自身も満足の一枚になっていると思います。
それでは曲の方、聴いていきましょう。

TK-1「Rhythm」bpm105 はアルバムの一曲目としてはインパクト充分のスピード感のあるダンス・チューンです。このプンプン漂うオールド・スクール・テイスト、ジャクソンズ1980年のヒット・ナンバー「Heartbreak Hotel」にインスパイアされてるんじゃないかなぁ、と感じました。
コンポーズは彼女自身。プロデュースはデビュー時からの付き合いとなるフル・クルーのメンバー、マイク(マイケル)・デイリーとルーカス・セットが担ってます。
余談ですがシンガーとしも良曲を数枚リリースしているこのルーカス・セット、2019年の「OMG」はよくクラブでもプレイして、評判が良かったのを思い出しま
す。

TK-2「All Eyes On Us」bpm106は彼女お得意の哀愁感のあるメロディとクラブ・オリエンテッドなビートに乗って、
円熟味を増した歌声がクールに響く、現場で積極的にプレイしていきたいナンバー。 制作はこちらもフル・クルー
そしてクルーズ(Kreuz)のメンバーでもあるリカルド・リードが担当。

TK-3「Lovers」bpm100は陽だまりの中で聴きたいホッコリとした佳曲。 マイクのビートは自然と身体が揺れちゃ
いますねー。

TK-4「Keep On Giving」bpm97はウェイン・ヘルナンデスがバック・ヴォーカルに参加した、重心の低いビートに独
創的なベースラインが心地良い一曲。 プロデュースがレゲエを得意とするウォーリア・チャージのウェイン・ニュー
ンズとペリー・メリウスというのがビックリ。

TK-5「Let's Be」bpm97 はスムースなビートにUKならではのお洒落なシンセのうわモノがバッチリ噛み合った推しの一曲。
お酒が美味しく飲めそう。リカルド、いい仕事するなぁ。

TK-6「Plus One」bpm98もマイク・デイリーとルーカス・セットのコンビがプロデュースした、うわモノのシンセのループがクセになる絶対捨てられないナイス・ミッド・チューン。隠し味的に時折差し込まれるホーンがゴージャスさも加えてくれてます。
このコンビの相性はいいみたいですね。

TK-7「Prized Possession」bpm64はイントロの変則的に聴こえるエレピにちょっと戸惑うけど、何回も聴いていくう
ちに自然と引き込まれていってしまうスロウ・ジャム。

TK-8「You Don't Know」bpm72は聴いた後のこの何とも言えない爽快感が優しい気持ちにさせてくれる、軽く及第点以上のミッド・スロウ・ナンバー。こちらはUKでシンガー&プロデューサーとしても活躍するロブ・スコットの制作。

TK-9「Ain't That Loving You」bpm82は1967年ジョニー・テイラーが歌ったサザン・ソウルのカヴァー。古さを全く感じなく、自分のものにしているのはお見事。

TK-10「Under My Skin」bpm66は曲途中から挿入される生音ライクなドラムに興奮を禁じえないしっとりとしたナンバー。

TK-11「Up All Night」bpm59はこのアルバム中唯一のフィーチャリング・シンガーという事でクルーズのショーン・カニングスが起用されてます。当然旧知の仲であろう二人の息はピッタリです。オトナのスロウ・ジャム。

TK-12「You're Rich」bpm97は晴れた日曜の午後が似合いそうな、分厚いコーラスが印象的なスムース・チューン。ここでも後半のホーン・フレーズがカッコいいなぁー。

TK-13「Sisters And Brothers」bpm98はイントロのポコポコしたビートがメイズ「Joy And Pain」そっくりな、最初からニヤリとさせてくれるミッド・チューン。曲中にマーヴィン・ゲイが登場したり、タイトルを含めて興味深い一曲。

TK-14「What You Gonna Do」bpm72 ハイトーン・ヴォイスが彼女の魅力でもあるけど、感情を抑え気味に歌うファースト・ヴァースは迫力があります。

現行US、R&Bシーンのメイン・ストリームとはテイストが全く違いますがUKの良心を感じるこのアルバム、長く聴けそうです。


■DJ daddykayのKeep On Spinnin' 過去の記事一覧はこちら


DJ daddykay

Soul、R&B、Hip Hopの魅力にどっぷりとハマって以来約三十数年黒音を聴き、届けてきたヴェテランDJ。
そのDJスタイルはMaster Mixを基本としたオールドスクールライクなPLAYながらも、新譜の動向やトレンドのFLAVORにも敏感で、音楽への愛情とGROOVE感に満ちたPLAYにはファンも多い。

西麻布CHIC、横浜麦田Sugar Shack、西麻布SSB、調布Cobra Freak、千駄木GROOVE、横浜LUTHER、新宿NEO Masquerade、亀戸Charlie等
数 多くのSOUL BAR、CLUBでPLAYの経験を持ち、The Beats, Mo' Better Groove, New Jack Revengers, Buddy等のイヴェントでも活躍。MIX CDでも全国的に多くのファンを持つ、生粋のBLACK MUSIC LOVERである。