DJ daddykayのKeep On Spinnin' VOL.26 『DIONYZA / QUITE LIKE ME』

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2018.02.27

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DIONYZA / QUITE LIKE ME

前回に引き続きdisk unionの熱血企画、RNB MADNESSの7枚目として登場するのがこの企画初の女性アーティスト、ディオニーザの登場です。

このシンガーって何者? これはもう各所でリビューされてる通り、70年代、80年代のソウル・ファンには懐かしい「We'll Make It」のスマッシュ・ヒットや名曲「Don't Hold Back」を持つ夫婦デュオ、マイク&ブレンダ・サットンの実娘なんです。



そんな最高の血統を引き継ぐディオニーザ嬢のこの盤、実はコレ、最初のリリースは2008年。当初はCD-Rでのリリースという事もあり流通経路も狭き道だったようです。そんな盤がこのたび完全製品盤として仕切り直しの再リリースとなった訳です。

2000年にはディオニーザ・サットン名義で全曲ホイットニー・ヒューストンをカヴァーした『A Tribute To Whitney Houston』もリリースされているので興味のある方はそちらもチェックしてみてください。それでは曲の方、聴いていきましょう。

TK-1「Told Myself」bpm86はいきなり耳覚えのあるメロディからスタート。



そう、2002年スカーフェイスの印象的な作品「Guess Who's Back」をまんま使用しています。



その「Guess Who's Back」の元ネタは'77年オリジナルズの「Sunrise」で、その作者が今回の主役の両親、マイク&ブレンダ・サットンという、なるほど!な構図が。


このオリジナルズの元ネタ曲、ギターにデイヴィッド・T・ウォーカーやレイ・パーカー・Jr.、ドラムスにジェイムス・ギャドソンが参加している、ちょっとオオッ!となる曲なんです。

と、横道に逸れちゃいましたがこの強力なネタに負けないディオニーザの歌うキャッチーなメロディは伝わり易さ抜群、名刺代わりの一曲となってるでしょう。

TK-2「If It Kills」bpm106はティンパニが鳴り響き重厚なホーンが全体を支配する、古い映画の中で使われてそうな、アルバム中ちょっと異質な作品。

TK-3「Waiting」bpm64は一転してバウンシーなビートが耳に残るミッド・スロウ・ナンバー。



TK-4「Give It To Me」bpm83はセカンド・ヴァースのメロディ・ライン、そこからサビに入る展開が刺さります。ちょっとハマッちゃいますねー。



TK-5「Loving You Whole」bpm54は線は細いながらもヴォーカルが際立ったスロウ作。



TK-6「Stir It Up」bpm110はイントロのエレクトロ風味なベースとビートが古臭さを感じるも豪快に歌い上げた気持ちの良いアップ・ナンバー。


TK-7「Today Will Soon Be Yesterday」bpm79は'76年両親がコンポーズに参加したテルマ・ヒューストンのカヴァー作品。


原曲よりグッとテンポ・ダウンしたこちらのナンバー、実に味わい深いものがあります。



TK-8「Quite Like Me」bpm105は2000年前後によく聴かれた硬質なビートに哀愁を感じるメロディラインが時代を引き戻してくれます。


TK-9「If This Love Could Be」bpm110はティモシー・ブルームとのデュエット・ナンバー。
この爽やかなスムース・ダンサーはイイですねー。 積極的に現場でもプレイしていきたい曲。個人的なハイライト・チューン。



TK-10「Practice Makes Perfect」bpm95もTK-9に続いてお気に入りとなった曲。



90年代の匂いを感じる王道R&Bチューンです。天気の良い午後に聴きたくなります。

両親のパイプを利用して業界の人脈をフル活用してでも(笑)、純然たる新作も聴いてみたいです。

■DJ daddykayのKeep On Spinnin' 過去の記事一覧はこちら


DJ daddykay

Soul、R&B、Hip Hopの魅力にどっぷりとハマって以来約三十数年黒音を聴き、届けてきたヴェテランDJ。
そのDJスタイルはMaster Mixを基本としたオールドスクールライクなPLAYながらも、新譜の動向やトレンドのFLAVORにも敏感で、音楽への愛情とGROOVE感に満ちたPLAYにはファンも多い。

西麻布CHIC、横浜麦田Sugar Shack、西麻布SSB、調布Cobra Freak、千駄木GROOVE、横浜LUTHER、新宿NEO Masquerade、亀戸Charlie等
数 多くのSOUL BAR、CLUBでPLAYの経験を持ち、The Beats, Mo' Better Groove, New Jack Revengers, Buddy等のイヴェントでも活躍。MIX CDでも全国的に多くのファンを持つ、生粋のBLACK MUSIC LOVERである。