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INTRODUCTION...
TempleATSの諸作品のプロデュースやMIX CD「STANDING ON THE MOON」で知られるDJ/プロデューサー:KOR-1と、同TempleATSからMIX CD「交点」をリリースしたターンテーブリスト:Dj Psi Kickの二人によるデュオ:MemoryStormのアルバムがリリース。
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HIPHOP、JAZZ、SOUL、DISCO、HOUSE、BREAK BEATS・・様々な音楽を飲み込んだKOR-1のトラックは、TempleATSならではのノスタルジックなカラーと表情を出しつつ更なる素晴らしい昇華を魅せる。そして時にウワモノ、ベース、ドラム、・・とDj Psi Kickのターンテーブリストならではのエフェクトとのセッションとの融合は、唯一無二の世界観を確立していることに成功している。
DISK UNION HIPHOP ON LINE SHOP PRESENTSのインタビュー企画「BRING THE BEAT」の第2弾。またユルイ感じでお届けいたします。
どうぞご覧ください。
―DISK UNION 以下DISK―
アルバム完成おめでとうございます。
お二人のバイオ、プロフィールはあるんですけれど、まずヒップホップにどうやって出会ったなんて教えていただきますか?今に至る音楽的経緯というか。
―KOR-1―
そうですね、とりあえず中学生の頃なんですが、当時僕はJAMIROQUAIがめちゃめちゃ好きで。そのJAMIROQUAIのJAY KAYが監修をつとめたコンピレーションアルバムがあって、そのアルバムにNAS「WORLD IS YOURS」とKURIOUS「I'M KURIOUS」が入ってたのがヒップホップとの出会いですね。そのあとJAY KAYが影響を受けた音楽っていうのを雑誌とかインタビューでチェックして、その中にSLY & FAMILYSTONEとか、パーラメント、スティーヴィー・ワンダーとか書いてあって、それを一通り買ったり聞いたりして。あと当時スパイク・リーの「CROOKLYN」っていう映画があって。そのサントラにヒップホップが入ってて。(Dj Psi Kickに向かって)あのアルバム、ジェフ(Dj Psi Kick)にも貸したよね?
―Dj Psi Kick―
うん、もってる。ここにある(と取り出す)。いい曲入ってるよね。
―KOR-1―
あれもブラックミュージックの定番というか、オーソドックスというか。色々入ってて。
―DISK―
A TRIBE CALLED QUESTのQ-TIPプロデュースの曲って入ってましたよね。
―KOR-1―
そう、「CROOKLYN DODGERS」。SPECIAL EDとMASTA ACEとBLACK MOONのBUCKSHOT。このサントラは凄い聞きましたね。
―DISK―
それが1993、94年くらいですよね。ヘッズ全盛で。僕も大体一緒でそこからはNAS、WU-TANG CLANのデビュー、BOOTCAMP・・・・もうグワングワン、で日本語ラップ。
―KOR-1―
そうですね。でもやっぱり自分の中でヒップホップが始まったというのは「ターンテーブル」を買ってからですね。で、アナログ・レコード。でも・・というか文化に触れたな~っていうのは実はDJ HONDAが初めてなんですよ(笑)。その時テレビでCHIC「GOOD TIMES」で擦って2枚使いとかしてて。格好いいな~って。
―Dj Psi Kick―
SUPERMAN BATTLEだっけ。NEW MUSIC SEMINAR?
―KOR-1―
NEW MUSIC SEMINARかな。そこでスクラッチとか知って。それが95、96年。そこからヒップホップと真面目に向き合った後、DE LA SOUL、A TRIBE CALLED QUESTの4枚目とか・・ガツンときましたね。
あと自分の地元が茨城の土浦の隣町なんですけど、土浦に有名なDJ達も買いに立ち寄る「AMBUSH RECORDS」というのが高校生の時の通学路の途中にあって。そこはSOULとかJAZZとか所謂RARE GROOVEものが豊富でガンガン流れるお店で、そこで店員さんと話すようになって、そのあとRARE GROOVEとかFREE SOULと呼ばれるような音楽を掘るようになったんですよね。
―DISK―
へ~。早いですよね。ヒップホップから"ネタ物"に行った感じじゃないですね。
―KOR-1―
早いですかね。でもRARE GROOVE全盛ってSOUL 2 SOULのJAZZY Bとか、90年前半が全盛だから後追いかな~って気がしてますけど。
あと僕は"ネタ物"って表現ってあんまりしっくりこないんですよね。例えば、GIL SCOTT HERON、JACKSON SISTERS、WELDON IRVINEと同系列でGANGSTARRって感じで、僕はヒップホップとRARE GROOVEをパラレルに同じように聞いてのめり込んできてるから・・・。
今に至る経緯っていうのは、僕はもう凄い紆余曲折・・色々自分が好きな道を適当に歩んできたら今に至るというか。ベーシックにはヒップホップがあるんですけれど、でも感覚的にそういう感じではなくて、それこそ今が30年前だったら絶対FUNKやってるだろうし。いま自分が好きなHOUSEとかを盛り込んだMemoryStormでやってる事は、ある意味で自分にとってコンテンポラリーミュージックなのかもしれないです。
―DISK―
そうですね、アルバムからそうゆう聞き方というか、「自由」って感じの印象を受けますよ。
―KOR-1―
あとは同じTempleATSのトラックメイカーで、降神の1st、2ndのトラックも手がけてるTarzanとの出会いは大きいですね。彼は昔、自らラップやってたりブレイクダンスやってたり、一緒にJAZZ BARとかでDJをやったりして。
そこで色々なジャンルをPLAYすることだったり、リード曲じゃない12"シングルのB面だったり、レコードの買い方だったり・・・ルールに縛られない「自由」っていう目の付け所を教わった気がします。同じ年ですけど先輩です。
―DISK―
では続いてはDj Psi Kick。よろしくおねがいします。
―Dj Psi Kick―
僕は子供の頃5歳まで日本のある米軍基地に住んでて、近所のブレイクダンスとかしてたお兄さん達がAFRICA BAMBAATAA「PLANET ROCK」とかOLD SCHOOLとかを聞いてて、まずそれがヒップホップとの出会い。
カルフォルニアに移り住んだあとにMC SHY Dのヒット曲でEARTH WIND & FIRE「BRAZILLIAN RHYME」を使った曲があってそれにハマったり、あと小さい頃はギャングスタ・ラップとか多かったね。ICE-TとかICE CUBEとか・・・またICE-TからNWA、PUBLIC ENEMYにいったりして、あとはブレイクダンスにハマったり・・・・で高校2年生のときにDJをはじめて、SOULS OF MISCHIEFとかWU TANG CLAN、MOBB DEEP、GROUP HOMEとかハマって、カルフォルニアではメジャーなホームパーティを回るモバイルDJっていうのをやって、そのあと高校卒業くらいにBATTLEにハマりだして。
地元のサンディエゴの大学に進んで学内ラジオのディレクターとかもやりつつ、アンダーグラウンドでラップグループも組んで12"EPも出して。その後にDR OCTAGONとかAUTOMATERとか聞いたり。
―KOR-1―
それ何ていうレコード?
―Dj Psi Kick―
UNKNOWN ENTITY「The Positive/Negative Effects EP」。
―DISK―
Dj Psi Kickはトラックも作るんですよね。今作のトラックメイキングにおける役割分担というか、Dj Psi Kickはスクラッチのみの参加なんですか?
―KOR-1―
僕がMPCで、ジェフ(Dj Psi Kick)はスクラッチ、そこは厳密にはそうですけれど、作っているプロセスとしてはやっぱり2人でやってますね。たとえばベースラインだったり、バック・トラックだったり、メロディだったり・・・二人で意見を交換しながら作りこんでいきますし。
―Dj Psi Kick―
たとえばこういうビートが、こういう構成になれば良いんじゃないっていう意見も言うし。オレがフロントに出たり、メロディ作ったり、バックになったり、2人で一緒に演奏してればいろんな立場になるしね。
―DISK―
演奏。このアルバムを聞いて思ったんですけれど、凄い良い意味で作りこんでない印象を受けました。LIVE音源というか、目を閉じて聞くと2人がセッションしながら演奏している映像が浮かんでくるというか。そんで流れてくるビートに揺らされる。それってまずお二人がLIVEからスタートさせた影響なんですかね。
―Dj Psi Kick―
それは嬉しいね(笑)。(KOR-1に向かって)でも作品もLIVEもほぼ同時にやっていたよね?
―KOR-1―
そうだね。だいたいの曲が出来てくるとLIVEで使うようになるんですよ。で思いつきで自然とパターンとか、入れる場所とかをLIVEやデモ音源でも軌道修正していったりして。あと録音は練習レベルでこまめにバーっとやっていたので。アルバムも一回デモみたくバーと録音していって。
―Dj Psi Kick―
LIVEで楽しみながら色々やってたりして。お互いの家でもうちょっと試して加えてみたり。そしてそれを次に活かしてみたり。
―DISK―
左手にカオリ君(KOR-1)、右手にジェフ(Dj Psi Kick)という映像的なヤバさがありますよ。凄い""生""っぽいです。
―Dj Psi Kick―
ヒップホップのLIVE ACTって音源と違うことが多いけれど、僕らはそのままだから。
―KOR-1―
まずLIVEで完全に再現できますよ。たとえばTHE ROOTSみたいな、ヒップホップの生バンドとかってありますよね。ああいう、生演奏でヒップホップってすごいと思いますけど、MPCとターンテーブルっていう2台のマシンでLIVEするって、他には無い魅力を発揮するという自負はあります。
―DISK―
四つ打ちなトラックなんですけれど、そこにヒップホップを感じますね。あとカオリ君に聞きたいんですけれど、四つ打ちって、拍(ハク)で進んでいくじゃないですか、ドンドンドンって。それとBREAK BEATSの2小節のループでグルーヴを作りこんでいくのと違いってあります。すいません、変な質問で。
―KOR-1―
僕は所謂、ヒップホップはこう、HOUSEはこうっていう作り方というか、そういった目線/段階ではトラックは作っていないんですよ。例えばまずキックが一つあったら、そこから周りをイメージしていって音の数を増やしていって、ジェフがスクラッチを入れてくとか。僕らなりのグルーヴで構成していくんですよね。
―Dj Psi Kick―
え、何?トラックの作り方の質問してるの?
―DISK―
いや日本のB-BOYの悪いクセかもしれないですけど、なんか固定観念があるんですよ。最近のSA-RAとかそういうのはないんですけど、PREMIERとかまず最初のキックからはじまって、ズン・ズン・タン・タ・タ・ズン・タン、みたいな。・・あれはFUNKの方法論なのかな。それと四つ打ちと違うのかなって。
―KOR-1―
ん~いうなればシンコペーションの違いっすかね。ハット、キック。でもヒップホップでも、HOUSEでもいろんなパターンがあるんですよね。
―Dj Psi Kick―
そこは感覚、フィーリングでしょ。
―KOR-1―
そうだね。経験からドラムの種類で作り方も全然変わってきますし、たとえばブレイクビーツのヒップホップを作ろうと思ってたらHOUSEになってたりもしますし。
―DISK―
フリーダムでジャンルレスで、"所謂"的な感覚が無いのが評価されるんでしょうね。あまり誰からの影響も感じさせないです。作るサイドからみてもイメージしやすいじゃないですか、ブレイクビーツ・・とかって。
―KOR-1―
う~ん影響っすか・・。
―Dj Psi Kick―
たぶん好きな音楽の影響は受けてるんだよね。でも2人で作ってるからかもしれないけれどイメージとかコンセプトを決めたりしてもそういう風に出来ないことも多いね。結果を気にせずに。
―DISK―
ちなみにアルバムのコンセプトってあったんですか。
―KOR-1―
こういった曲を作ろうってコンセプトは一曲一曲にはあります。頭にイメージしていって、自由に、そしてファジーに突き進んでいく(笑)。
―DISK―
そういった意味でアルバムの2曲目「SUNSET..」は、凄い格好いいですね。HOUSEでも無いしBREAK BEATS?・・・展開も何もかもがヤバイです。ヴァイナルで、爆音で、音の粒を堪能したいですね!アナログのリリースお願いします!
―KOR-1―
したいですね。いや、しますよ。
―Dj Psi Kick―
あれはベースのブ~ンって音から色々イメージしてったよね。でもオレ最初はDWELLEとかSLUM VILLAGEをイメージして作ってたんだよね。
―KOR-1―
そうだね。はじめはメロウでアブストラクトなテイストだったんだけど、僕の持ってきたコード進行とか、ジェフが持ってきた音のポジティヴさが相まって、なんかノれるけどチルな感じになったような感じですね。あとちょっと突っ込んで話すと、ハウスのキックとハットっていうLOWとHIGHの両端の間にブレイクビーツを入れてみてレイヤーすると、セパレートでそれぞれ別の場所で音が鳴ってるんだけどMIXされると格好良いみたいな。そこで一緒に楽しむというか、チャレンジしてみました。う~ん・・・まあ誰の影響っていうか・・たぶん今まで聞いてきた音楽/ミュージシャンすべての影響は受けてますよ。ドラムの叩き方とか、想像レベルもありますけど。
―DISK―
やっぱりターンテーブリストは色々なレコードを擦るからジェフ君の音楽バイオは凄いだろうし、あとカオリ君はDISK UNIONの渋谷JAZZ/RARE GROOVE館で何年も相当な量の色々なレコードに接してきましてもんね。やっぱりそこは凄い情報量ですよね。
―Dj Psi Kick―
でも無い所同士シェアしてるよね。
―KOR-1―
わかりづらいかもしれないけど、同じ音を曲の中でパスし合って、曲の中のピアニストがジェフだったり僕だったり、そういう技も2人で編み出して。そういうのって他には無いかも。
―DISK―
他からって、最近の音楽で刺激って受けたりします?
―KOR-1―
いや~めちゃめちゃありますよ。ちょうどアルバム作ってた時期にはデトロイトのハウスは聞いてたりしましたね。MOODYMANとMIKE GRANTとか、RICK WADEとか・・彼らの作り方を聞くと絶対もともとB-BOYだったなって。
―DISK―
SPINNAとかってどうですか。
―KOR-1―
昔は聞きましたね~。BEYOND REALでデビューして、だんだん有名になってきてリミックスの外注が増えてきたあの辺りは凄い好きでしたね。影響は受けてないかもしれないけど、当時大好きだったのはDE LA SOUL「STAKES IS HIGH REMIX」は、今聴いてもホントにもう、完璧ですね。
―DISK―
あのとき仕事多かったですよね~。しかも全部格好良くて。ウェッサイのMC EIHTのSPINNAリミックスがプロモ12"しか出てなくて探したな・・。やばい、話がズレ出してきてしまいました。最近のヒップホップとかってどうですか。ジェフ君ん家のスピーカーから流れてくる音楽からして、ジェフ君はヒップホップよく聴いてる感はあるんですけど。
―KOR-1―
う~ん。最近のヒップホップって逆にどういうのがあります?
―DISK―
難しい質問ですね~。いや、でも色々ありますよ。Q-TIPの未発表アルバムとか、PETE ROCKの新作、僕は何でも聞くのでサウスも好きですし。あとSNOOP DOGG聴きました?
―KOR-1―
聴きました聴きました。あれ格好良いですよね。エレクトロって感じがして。あと、たぶん去年出たんですかね、MODAJIとMASPYKEがやったアナログが出てて。凄い格好いいなっと思ってヤラれましたね。
―DISK―
あ、なるほど・・・聴いた触感というんですか、グルーヴとか、MODAJIとなんとなく相通じるものがありますね。彼もハウスフィールドからクロスオーヴァーしてますし。
―KOR-1―
それ凄い嬉しいですね。
ここでERYKAH BADUの新作アルバムについて、またしばし脱線。僕が貰ったサンプルにSHING02のアルバムにも参加する予定のCHIYORIが参加した「SHOOTING STARS」が未収録だったので聞かせてもらうことに。。
―KOR-1―
いや~このERYKAH BADUのアルバム凄いですよ。「MY PEOPLE」格好良い!SA-RAもバッチリだし、MADLIBもドラムが狂ってるし。
―DISK―
(アルバムの)「SHOOTING STAR」は曲が長尺なのもありますし、アルバムの曲全てにも言えるんですけど、展開が凄いですよね。メロディやトラックもバッチリですけど、ヴォーカルものなのにまったく先が読めなくてスリリングで格好いいですね。
―KOR-1―
ありがとうございます。
―DISK―
お二人とも話を聴いてて、自由で同じところに留まっているような印象は見受けられないんですけど、次回作ってどんな感じになるんでしょうね。すいません、気が早すぎるだろって。
―Dj Psi Kick―
考えてはないな~。いや、でもちょっと考えてるかも。DJ的なテクニックの面だったり。
―KOR-1―
とりあえずは想像は今のところは出来ないですね。LIVEとかしてても色々また出てくるでしょうし。でも今作は今までの僕らの音楽経験を全部詰め込んだ感じなので、次回作が作れるタイミングがもしあったら、(テーマとか)もっとチャレンジな感じにはしたいかなって思ってます。
―Dj Psi Kick―
やっぱり、じゃないとツマんないしね。楽器使ってるミュージシャンとか入れたり。。楽しそう。・・いやでも二人でもいいかな。
―DISK―
今作品もJAZZでいうところのセッション的な感じですもんね。絶対凄い面白いと思いますよ。
今日はどうもありがとうございました。
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