|

DJ Nobu a.k.a Bombrush! Special Interview!
…………………………………………………………………………………………………………………………………………
DJ NOBU a.k.a. BOMBRUSH! による日本語RAP MIX CD 「Black File The Bombrush! Show」収録の"Spread Da Shine ft. ANARCHY, B.D the Brobus & 般若" 限定アナログリリースに際し、6月某日、渋谷某所にて、DJ Nobu a.k.a Bombrush! 本人のロングインタビューを敢行。今回の12”シングル「Spread Da Shine」については勿論、ヒップホップシーンの現状、はたまた制作裏話まで、その模様を余す所なくレポート!
…………………………………………………………………………………………………………………………………………
Disk Union (以下D):
今回、この12inchの企画をDisk Unionがサポートさせてもらったわけだけど、そもそもなぜ今回アナログを作ろうと思ったの?最近はヒップホップをはじめクラブミュージック系のアーティストでも、アナログ切る人がかなり少なくなってきてるけど。
DJ Nobu a.k.a Bombrush! (以下N):
この「Spread Da Shine」っていう曲のテーマは「90’s」っていうイメージなんだけど、その頃の12inchって必ずと言っていいほどその盤オンリーのリミックスが入ってたじゃない?そんなスペシャルな感じがアナログの魅力だったりもするし、そういう雰囲気を表現したかったんだ。だから、B面にエクスクルーシヴ・トラックとしてリミックスを収録させてもらったわけ。
D:この12inchの企画の元となった2枚組Mix CD “Black File The Bombrush! Show”のDisc 2が、まさにそんな90年代の音源ばかりの内容だよね。
N:そうだね。内容は勿論だけど、そのMix CDのジャケットもそうだし、今回のアナログのステッカーとかレーベルのデザインなんかも、自分が最も影響を受けた頃の雰囲気を出したいなと思ってイメージした。実際今、周り見ても「90’s 回帰」みたいなノリも結構見受けられるしね。日本は勿論、アメリカのアーティストを見てもそうだし。俺もクラブとかの現場ではその辺の音は未だにしつこくかけてるよ。
D:最近は、Scratch Liveとかのデジタルツールもかなり普及して、DJもみんなデータで曲をかけてたりするわけじゃない?そういうのって、古い曲もデータで入手してるのかな?
N:俺は今もアナログ使ってDJしてるし、みんながどうしているのかは正直わからないけど、レコードなりCDなりの「モノ」を持っていない可能性は大だよね。今は情報だけじゃなく曲自体もネットで拾えちゃったりするし。だから、「昔から知ってました」って顔してればわからないよね。みんながみんなレコードしか使っていなかった頃って、「あ~、コイツの盤、再発だ」ってバレちゃったりしたもんだけど(笑)。そういうのが恥ずかしいのもあったりして、オリジナル盤を血眼で探して高い金出して手に入れたりしてたんだけど、最近はまずバレないからね。そんな時代だからこそ、自分はアナログへの拘りっていうか、1曲1曲を大切にする精神みたいなものを大事にしたいと思ってる。
D:そういう姿勢は、僕らみたいなレコードやCDを扱う立場としたらホント嬉しい限りだけど、アナログっていうフォーマットはこの先どんな立ち位置になると思う?バブルとも言える一時のブームは収束して、今はホントに必要な人が買ってくれているという印象があるけど。
N:Unionさんらしい質問だね(笑)。まぁ、なくなるってことはまずないと思う。好きな人はホントに好きだし。Scratch Liveとか使ってるDJでも、わざわざアナログからデータに落としてる人も多いしさ。例えば、俺と同じ八王子出身のカシ君(Kashi Da Handsome)なんかもそうだしね。アナログってのは文化だからね。俺らの体に染み付いている文化。
D:確かにNobuみたいなアラサー世代(笑)にはそういう人が多いかと思うけど、例えば20代前半とかもっと下の10代とか、そういう若い世代はどうなのかな?
N:う~ん、若い子はイマイチ買ってないかも知れないなぁ。まぁ、若いヤツって言っても、俺も全員を見ているわけじゃないから何とも言えないけど、やっぱダウンロードは多いんじゃないの?あとはCD Poolとか利用したり。俺としては、そんな若い世代にもアナログ特有の面白さを伝えられればと思ってるんだけどね。所詮どっかから拾って来た音なんてさ、愛着持てないし大事にしないよ。その点、アナログにしてもCDにしても、手に入れた時の喜びというか、そういうのが全然違う。まぁ、DJにとっては、データだと持ち運びが便利っていうメリットはあるけどさ。
D:データの場合、PC落ちたりメモリ飛んじゃったりしたら終わり、一方でレコードは火事の時よく燃えるという欠点があるらしいけど(笑)。
N:(笑) まぁ、一長一短ってことで。
…………………………………………………………………………………………………………………………………………
D:この「Spread Da Shine」は、かなり強力なラッパー陣をフィーチャーしてるけど、このメンツはどういった人選なの?
N:この曲のテーマ自体がストレートなヒップホップだったから、スタイル的にもこの3人がベストかな?という判断もあったし、あと、この3人の組み合わせって今まで1回もなかったみたいなんで、その辺も面白いかなと思って。まぁでも、単純に好きなラッパー3人っていうのが一番大きな理由かもね。そうやってメンツだけ先に決めておいて、そこからトラックをJashwonと一緒に作るっていう流れだった。だから、割とアーティストをイメージしながらトラックを作った感じだね。「ここのヴァースはこの人に」っていう具合に。
D:レコーディングは3人バラバラに録ったの?
N:般若だけは別のスタジオで録ったんだけど、AnarchyとB.Dは一緒のタイミングでスタジオに入った。まぁ、リリックのテーマだったりとか、こういう曲にしたいっていうイメージは既にみんなに伝えてあって、擦り合わせは事前にできてたんで、レコーディングはかなりスムーズだった。結果想像以上のモノに仕上がって、もう大満足の出来!まぁ、とにもかくにも彼らアーティスト達が協力的だったのが今回ホントに助かった。それに、この3人はこれからの日本のシーンを背負って立つ重要人物なわけで、そういうメンツと今回一緒に仕事が出来たのはホント光栄だったしね。
D:更に加えてリミックスは”King” Muroだし、これも超強力な布陣だよね。制作を依頼した経緯は?
N:フックでMuroさんのフレーズをサンプリングさせてもらったからっていうのも勿論理由としてあるんだけど、なにぶん今回は自分の1発目のアナログなんで、やっぱこの人しかいないなと。Muroさんに出会わなきゃ今の俺は存在してないってぐらい影響を受けた人なんでね。そんな想いでお願いしてみたら、二つ返事で快諾してくれた。もうマジで感謝してます!
D:その「お前らに向けて光ばら撒く」っていうフレーズを使うのは、かなり前から決まってたの?
N:曲のテーマは前もって決めてあって、フックについてもラップを録る前から決めてたんだよね。一応あれ以外にも幾つかバージョンがあったんだけど、色々試してみて今回の自分のテーマにマッチしたのはこれだなと思って使わせてもらった。だから「Spread Da Shine」っていう曲名も事前に決まってたんだ。ネタに関しては、特にこれを使おうっていうのは無かったんだけど、AnarchyのヴァースのトラックだけJashwonが先に作っててくれて、それを基本に1ヴァースごとにネタを変えるっていう手法をとったんだ。でも実を言うとあれ、3つのヴァースともネタは全部同じロックのレコードからとってるんだよね。そこにプラス”Long Red”も薄っすら使った。その辺りも90’sを意識して (笑)。
…………………………………………………………………………………………………………………………………………
D:「90’s」が今回のキーワードってことだけど、その頃のアーティストで好きなのはどの辺なの?
N:プロデューサーだと、Large Professor、Buckwild、DJ Premier、あとはねぇ…、いっぱいいて難しいな。
D:Pete RockとかA.T.C.Qみたいに、ソウルフルだったりジャズっぽい方面はどう?
N:勿論大好きだよ。でも、どっちかって言ったらやっぱ「地獄」な音のほうが好きなもんで(笑)。例えばShow & AGの”Goodfellas”とか、あれこそまさに「地獄サウンド」(笑)。だからやっぱ、D.I.T.Cは外せない。鉄板(笑)。Lord FinesseもShowbizも好きだし、Diamondも大好きだしさ、彼ら特有のグルーヴには堪らないものがあるよね。
D:日本のプロデューサーでフェイバリットは?
N:Muroさん、Konさん(Dev Large)、Jashwon、あとHassyさん(Hassy The Wanted)も好きだし…。これもキリないなぁ(笑)。
D:(笑)じゃぁ質問変えて、最近の海外アーティストでは?
N:趣向的にはあんまり昔と変わってなくて、やっぱN.Y.モノが多いね。Just BlazeとかAlchemistなんかは特にツボだし、あとKanye Westとかも好きだよ。Jay-Zの新しいヤツでKanye とNo I.D.がやった曲(D.O.A.)、アレなんか渋くて最高。
D:最近は80’sブームみたいなノリもすっかり定着して、そんな感じの音の新譜も多いし、ハウスとかテクノとかエレクトロなんかを積極的に取り入れてるヒップホップDJも多かったりするけど、その辺はどう?
N:俺は四つ打ちとかその辺はかけないな。今そういうDJっていっぱいいるし、別に俺がそれをやらなくてもいいかなと。ただ単純に流行ってるからやりたくないっていう天邪鬼な理由もあるけどね。あえて流れに逆らうみたいな(笑)。でも、その80’sの後に90’sの波が来てくれたら自分的には嬉しいな。やっぱサンプリングに反応しちゃう世代だからさ。
D:そんな音の流行り廃りもある中、今の日本のヒップホップシーンって、派閥やしがらみみたいなものが徐々になくなってきてて、端から見ててもかなり面白い状況になってきてると思うんだけど、Nobuはどう感じてる?
N:実際やってる側もみんなそれは感じてるんじゃないかな?例えば、サグっぽいヤツとかそうじゃないヤツとか、ホント色んなスタイルのヤツがいるんだけど、その中でもキチンと自分の信念を持って取り組んでる者同士が、お互いリンクしあう機会ってのが増えてきていると思う。ただみんなで仲良くしようとかそういういうのじゃなくて、それぞれのアーティストが各々の活動をしっかりやってて、それにプラス、お互いを高め合うためにリンクするみたいなね。要は、馴れ合いじゃない状況っていうのがいいと思うよ。それは、般若も今回の曲の中で自分のヴァースで言ってる。ホント今はかなりいい環境だよ。俺も注目してるヤツはいっぱいいるし、地方とかにもまだまだ凄いヤツが潜んでるからね。特に大阪なんかは、クラブにしてもアーティストにしても独特のシーンがあって面白いし、大阪以外にも全国津々浦々DJしに回ってるけど、面白いところはホント多いよ。中でも地元のアーティストが頑張ってるところはやっぱり盛り上がってるし、各地それぞれ独自のシーンとして育ってきている感じは受けるな。
…………………………………………………………………………………………………………………………………………
D:Nobuの音楽の原点みたいな話をしたいんだけど、Nobuはヒップホップにハマる前とか、何を聴いてた?
N:大昔はロックとかポップスとか、いわゆる洋楽全般、いい音楽とされるものは色々聴いてたよ。
D:そうなんだ。今ってさ、そういう入り方とは逆で、例えば「ヒップホップ」っていうカテゴリーから入って音楽を聴き始めるような人も多いって聞くよね。 Nobuみたいに、ジャンル問わず混ぜこぜで聴きまくって、色々試している内に自然とヒップホップに辿り着いたっていうのとはだいぶ違った入り方。その辺はかなり状況が変わってきてるよね。
N:そうみたいだね。俺らの世代がヒップホップに出会った頃って、もうちょっとカルチャー的な側面が大きかったと思う。でも今は、結構カタチから入っちゃってて、妙にカテゴライズされちゃってる人が多いような気がする。例えば、日本語のヒップホップしか聴かないっていう人が増えてるってのもさ、勿論それ自体は全然悪いことじゃないんだけど、そこから一歩踏み込んで、海外のヒップホップであったり、そのルーツであるFunkとかSoulとかJazzであったり、はたまた四つ打ちであったり、そういう広がりみたいなものが生まれてくれば音楽がもっと楽しくなるよね。だからさ、DJにしろラッパーにしろ、あるいは Unionさんみたいなレコ屋にしろ、彼らをもっと深く楽しめる方向に導くっていう役目も果たしていかなきゃダメなんだと思う。特にヒップホップっていうジャンルってさ、元々ヒップホップじゃないモノからヒップホップを見出したり、感じたり、そういうところが面白いわけじゃない?Muroさんとかは、そういう色んな面白いモノを集めて来て、パズルみたいに繋ぎ合わせてヒップホップっていうカタチにしちゃう。ああいうお手本になるような人、エデュケートしてくれる人が今の時代もまだまだ必要だし、俺自身にとっても傍にそういう人がいるっていう環境は凄く恵まれていると思うよね。
D:確かに、Muroという人をキッカケにヒップホップにどっぷりハマッちゃったっていう人、相当多いハズだよね。
N:そうだね。あの人の存在はホントにデカいよ。そりゃもう、まさに”KING”っスよ。
…………………………………………………………………………………………………………………………………………
D:NobuはスペースシャワーTVの番組”Black File”の中で、「Big Bang」っていうコーナーのプロデュースをしてるけど、始めた経緯は?
N:アンダーグラウンドなMix CDを長いことやってきて、そのMix CDに映像をつけたら面白いよなってことで”Bombrush! DVD”っていう作品をだいぶ前に出したんだけど、その時にこれは企画として結構面白いだろうと思って、ダメもとでスペースシャワーに企画書持って行ってみたのね。そしたら「あれ!?通っちゃった」みたいな(笑)。で、それから今まで番組をやらせてもらいながらも、スペースシャワーの人に「Black File企画でMix CDを出したい」ってずっと言っててさ、そこに今回CDの制作やリリース諸々をやってくれたPony Canyonともタイミングよく話が進められて、結果こうしてリリースが実現したって流れだね。更に、今回のアナログはUnionさんにサポートしてもらってっていう、ホントに全てがバッチリなタイミングで、かなりいい流れでコトが進んだ。しかもPony Canyonもスペースシャワーもホント自由にやらせてくれたし、Unionさんもプレスからディストリビューション、販売まで一通り全部やってくれて。もう全てにおいて文句なしの流れだった。
N:あれはイメージだけ前もってしっかり伝えておいて、あとは制作をやってくれたartico inc. に全て任せた。articoはAnarchyのPVも作ってて、それがスペースシャワーのMusic Video AwardでBest Hiphop Videoに選ばれたり、他の作品ではLas VegasのFilm Festivalで賞をとったりっていう、今最もFRESHな映像クルー。彼らは今度のNitroのPVもやってるよ。
D:映像を絡めながらの動きは、今後もかなり期待できそうだね。じゃあ、最後になるけどNobuのこれからの動向を教えてくれる?
N:まだ言えない話も結構あるんだけど、とりあえずかたちになってるのは、例えば最近ではKGEの”Newgigante”ってアルバムをウチのレーベルからリリースしたりとか、色々動いてるよ。その辺は是非ブログをチェックしてください。で、最近仕事しながらつくづく思うのはさ、さっき言ったPVとかの映像にしても、アナログにしても、Mix CDにしても、そうやって色んなことがやれるのは周りの人に恵まれたっていう部分がホント大きいなってこと。昔から俺を知っていてくれる人達がサポートしてくれるのは非常にありがたいことだし、第一仕事していく上で自分のやりたいイメージがすぐ伝わるからホント楽だよね。例えばさ、「これ、Kool G Rapっぽくしてくれない?」ってテキトーに頼んだら、イメージ通りにすぐできちゃったり(笑)。やっぱり、お互いに同じ空気間みたいなものを共有できてるっていうのが強みかなと思う。
D:夜な夜なつるんで遊んでた甲斐があったってことだ(笑)。
N:その通り(笑)。まさしく「遊びの集大成」だね!
Interview & Text:Okay.D for disk union
 |
■DJ NOBU A.K.A.BOMBRUSH!■
1996年より地元東京でDJ活動をスタート。数々の都内有名クラブでキャリアを積み、現在はAgeha, Harlemなどの大箱から地下小箱まで、関東近郊で数々のレギュラーイベントを抱え、現場からの圧倒的な支持を得ている。近年はClub Eventの他に万人規模のフェスなどにも毎年参加。また、DABO, MACKA-CHIN, JBM, MIKRIS, KGE, RYUZO等のLive DJとしても活躍しており、アーティストからの信頼も厚い。更には、現場のDJだけではなく、コンスタントにリリースを続けているMix CDも人気で、オリジナリティ溢れるスタイルと豊富な知識、卓越したスキルを武器に、Mix CD好きの間でも”Mix Tape Murder”の名で広く認知されており、その作品のクオリティーの高さは多くの有名DJ達が絶賛するほど。DJ活動の他にも、盟友JBMと立ち上げた”BANG RECORDS”を中心に活動しており、イベント企画からCD製作、更には2007年4月からSPACE SHOWER TV "BLACKFILE"にて、自身がプロデュースする番組"BIGBANG"もスタートさせるなど多方面で活躍中。
|
|