2,970円(税込)
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人気グループPort of Notesのコンポーザー兼ギタリストのOSHIMA DAISUKEと、日本のブラジル音楽界を席巻したBophanaのヴォーカリストLicaが新たに結成したデュオ。
彼らならではの個性が際立つコンポジション、そして繊細なアルペジオとシルキーな歌声が奏でる絶妙なハーモニー。そのサウンドは彩り豊かに、それぞれの持 つ洗練された音楽性が見事に混ざり合う。
よりオーガニックな生活をもとめ、都会から自然豊かな地へ居住を移した彼らのリアルなサウンドが込められた1st Album『Reveries Of Suburban』がついにリリース。ゲストミュージシャンに haruka nakamura 他が参加。
ジャケットのイラストには、フィンランドの名窯“ARABIA" のPiilopaikkaシリーズを手掛ける、Piia Ketoを迎え、彼らの作品に花を添えている。
味気ないデータや情報としての音楽を懐に引き寄せ、音楽本来が持つあたたかい 響きや広がりに触れたいというリスナーの意識的、無意識的な願望もあってか、 近年、音質の面で秀でたレコードの再評価や高音質の音楽配信への関心が世界的 に高まっている。コンピュータやスマートフォンを介して、気軽にリスニングや音楽制作が出来るようになったコンビニエントな状況と引き替えに失われつつある もの。それは利便性と引き替えに、都市生活者の日常から失われがちな余白とも 通じてもいて、豊かな音楽に立ち返ったり、都会から開けた場所へと思いを馳せ る瞬間は、大切な何かに気づく大きなきっかけとなる。
Discaもまた、インスタントな音楽の消費に抗いながら、どこまでも伸びてゆく 豊潤な倍音の世界と都会から夢想した郊外の風景を重ね合わせるリアリスティック なドリーマーだ。彼らのファーストアルバム『ReveriesOf Suburban(レバリーズ・ オブ・サヴァーバン)』は、余白をなにより大切なものとして捉え、一音一音を丁寧に吟味しているからこそ、その余白を補うべく、リスナーは想像力を自由に遊ば せることが出来る。そんな風通しのいい作品の誕生は、長らく音楽活動を続けてきた彼らが過去の 知識や経験に寄りかからず、固定観念から自らを解き放つ幾多の試行錯誤があった からこそ。ただし、こうして言葉にするのは簡単だが、身体に染みついた感覚をフラットにするのは簡単なことではない。レギュラーチューニングと変則的なオープ ニンチューニングを行き来しながら、ギターを弾き、曲を作り続けるうちに、発想の自由を手に入れたという小島に対し、Licaはポルトガル語も、英語、日本語も分け隔てることなく、楽曲にただただ身を委ねるトライアルを延々と重ねることで、強く持っていた歌の理想像を手放し、歌という表現を自由に謳歌できるようになったという。
それゆえに、1930年代にメキシコの作曲家ロレンソ・バルセラータの代表曲で当 時のメキシコ大統領の妻のために作曲された「Maria Elena」とブラジル音楽の 父、作曲家のドリヴァル・カイミの名曲「Voce Nao Sabe Amar」という2曲のカヴァーを収録しながら、このアルバムは特定のジャンルに収まることなく、その響きには際限がない。カリンバやスティールパン、クラリネットといった楽器が現 出させるエキゾチックな空間をギターのつま弾きとともに柔らかい歌声が浮遊す るオープニングの「Landing To The Highland」から、ゲストのピアニストは、 haruka nakamuraを迎えた「同じ景色」。打ち込みを交え、トランシーなギターと生命力に満ちたヴォーカルが聴き手の内面を映し出すかのような、クリアな楽曲に 結実した「Simpler Life」。ギターとパンデイロ、ハンドクラップの寄せては返すグルーヴが味わい深い歌世界へと誘う「柔らかな足」やアコースティックギターとカリンバのアンサンブルに 溶ける叙情性をたたえた歌声が懐かしい童謡のようにも、遠い異国のフォークソングのようにも聞こえる「Theme Of My Heart」など、全11曲の楽曲は音が詰め込まれていないからこそ、ヴォーカルとギター、それぞれの楽器の繊細なアンサンブ ルや滋味深い倍音成分がその魅力を際立たせている。
その響きの先に何があるのか。長らく取り組んでいた本作を無事に完成させた 彼らは、東京から自然豊かな伊豆に活動拠点を移し、音楽という甘美な夢の続き を今後も紡ぎ出すことになるという。Discaのアルバム『Reveries Of Suburban』から広がる素晴らしい音楽世界に耳を澄ませて、その行方にぜひ注目していただきたい。
(小野田 雄)
(メーカーインフォより)
Disca