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■■5月28日発売予定■■
【国内盤CD】
「ここ20数年で最高のリー・ペリーのアルバムだと思うし、リディムは今の時代に合っていて、リーの歌も新鮮だ。ヴァイブスは素晴らしいし、とても生き生きしたアルバムだと思う。出来にはすごく満足してるよ」-エイドリアン・シャーウッド-
リー・ペリーに興味を持っている人でも、正直なところ、その多くは毎回毎回彼の新作のニュースに胸を躍らせるわけではないと思う。“そこそこ”の出来の新作を聴くんだったら、今聴いてもなお強烈なインパクトを放つペリーの60~70年代の音源の中から未聴の作品を手に入れようと考えるリスナー心理も理解できる。それに、自身がスーパー・プロデューサーであるペリーが単に1パフォーマーとして他のプロデューサーと組み、ほとんどひとつのヴォーカル素材と化したような作品に物足りなさを感じるのも、昔のペリーの制作音源の凄さを知るファンにとっては自然なことだろう。
しかし、今回のエイドリアン・シャーウッドと組んだ新作はまるで様子が違う。1990年の『From The Secret Laboratory』(Mango)以来となる両者のコラボレイションだが、プロデュースしたシャーウッド自身が《ここ20数年で最高のリー・ペリーのアルバム》と語る自信のほどは、1度じっくり本作を聴き通してもらえれば合点がいくはずだ。シャーウッドが最新のインタヴューで証言していることだが、この作品にはペリーの溢れるようなアイディアがふんだんに盛り込まれている。ただ単にシャーウッド側で用意したトラックにペリーがヴォーカルを乗せたようなイージーな作りではなく、ペリーのアイディアを元にして2人でそれを膨らませ、練り上げたり、もしくはトラック自体を一緒に作ったり、あるいはシャーウッドが提案(用意)したオケに対しては、シャーウッド曰く、ペリーがパーカッションを加えるなどして〈魔法をかけて〉仕上げている。つまりは、シャーウッドのイニシアティヴによる、(クレジット上はどうあれ)実質上のシャーウッド=ペリーの共同プロダクションとして聴かれるべきものなのだ。ペリーから確かな信頼を得ているシャーウッドだからこそ、今ペリーのやりたいこと、現時点でのリー・ペリーという才能がピュアに体感できる作品というわけである。
実際、この作品では才気煥発なエイドリアン・シャーウッドと、溌剌としたリー・ペリーのみずみずしい表現力がまさしく一体化している。逆から言えば、トラックとペリーのヴォーカルとの間に不自然な隙間(歌い手とトラック・メーカー側との間の感性の質の違い)がないのだ。マイク・パフォーマンスも最高のペリーならば、トラックの音の端々にもペリーの顔が見える。そして、そのサウンドは全くもって“今”の音だ。まさにここ20数年で最高のリー・ペリーを、2008年の最新作として作品化できたのはシャーウッドの優れたプロデュース能力によるものだが、だから冒頭の彼の発言は、プロデューサーとしての自画自賛であり、しかしそれ以上に、リー・ペリーに対する紛れもない称賛なのだと思う。それくらいリー・ペリーが凄い。そして/だから、これはどう聴いても傑作である。-鈴木 孝弥-
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LEE PERRY / リー・ペリー