| 2011/09/13 | | | COFFEE & CIGARETTES BAND(DJ KENSEI & SAGARAXX) 「Sessions」 meets DISK UNION:インタビュー part.2 |
DJユニット、Coffee & Cigarettes Band(DJ Kensei & Sagaraxx)は、これまでの5年余りの活動期間に、DJプレイと共に、数々のライヴ・セッションを繰り広げてきた。そのセッションの模様を伝える録音集。
【Sessions】 のリリース、その続編にして、まったく異なったアプローチから実現された【"Sessions - Live at Forestlimit" 】を機に、C&Cのお二人と、diques corde主宰 原雅明氏を加えてのインタビューを決行した。パート1に続いてのパート2をお楽しみください。
パート1はこちら
リリース記念インタビュー part.2
:DJ KENSEI , SAGARAXX , 原雅明(disques corde)
& DISK UNION 高梨 , 三河(CLUB MUSIC 部門)
chapter two intro
「ジャンル的には、抽象的で難しいかもしれないですけどね」
-DJ KENSEI-
音楽の"ジャンル"とは、レコード店がお客様に解りやすいよう目印を説明した"案内板"であり、また商品をBUYING/管理しやすいようココからココまで..と仕切りをつけた所謂造語である。
リスナーの見取り図としては最適だが、反して当惑させ、ところによっては音楽を衰微さえさせている状況を目にする。
音楽ジャンルの話を煮詰めるつもりではないけれど少し所見を書きたい。たとえば、所謂"JAZZ"という定義が完成されてしまっているような気がする自分 は、JAZZ not JAZZが"JAZZ"だったりするんじゃないか、と思っている。CLUB MUSICで言えば、それは、SOULやJAZZネタをBEATに乗せたものや、...っぽいお洒落なコード感のJAZZY VIBESでも無く...HYEROGRAPHICS、COMPANY FLOW、THEO PARRISH、DETOROIT TECHNOの共鳴から生まれている新たな魅力や、J DILLAの「DONUTS」のように、何か次に繋がる..流動的な音楽がJAZZ"の定義に近いのではないだろうか、と。
【Sessions】に続いてリスナーの方よりも一足先に【"Sessions - Live at Forestlimit" 】を聞かせて頂いた。
DJ Kenseiのラップトップ、Sagaraxxのターンテーブルに、Inner Science、Azzurro、KIRIHITO/GROUPで活躍するギタリスト竹久圏, キーには林田涼太(9dw)ら総勢8名が参加。自分の感性のみで音楽を漁ったDJ/トラックメイカー、そして巧みな演者が集い、アドリブからミニマルまで 硬軟雑ぜたあらゆる音楽ジャンル(解りやすく言うと)が鳴っている。
音楽に、完成も未完成も、良しも悪しも、ポジティブとネガティブも、そしてジャンルも無い。
ただ本作品、そしてdisques cordeの原雅明氏が提示するベクトルが、新しい音楽の、そしてDJの可能性を見出してくれるのではないかと、期待せずにはいられない。
disk union hiphop 高梨
ーー今回の作品は、本当に続けて聴いていきたいですね。
KENSEI :自分も例えばSUN RAとかは当時から続けて聴いてるわけではないですけど、やっぱり聴くアルバムによって全然違うじゃないですか。Doo Wopやってたりとか普通の良いJAZZをやってたりとか…。そんなフリーなイメージが強いのかと思いますけど、そんな感じと一緒で人って色々なパーソナ ルな部分があるから、こういう事をやっていけば見えてくるじゃないかなとも思うし。
ーー更に人も繋がるって、素晴らしいですよね。
SAGARAXX :そうなんですよね。
KENSEI :ジャンル的には、抽象的で難しいかもしれないですけどね。
ーー MADLIBの(12作品)「Medicine Show」シリーズもそうですけど、一つ一つの作品だけを聴いた時には気づかなかった事が、全部通して聴いたときにその一つ一つの作品の意味というか、 MADLIBがこういう事をやりたかったんだって事に気づいたんですよ。でも、それを言葉にできなかったんですよね。
KENSEI :そ うなんだよね。時代背景だけで音楽聴いちゃうと、分からなくなる事もあるよね。そのアーティストの流れと時代背景って、時間軸が違うものだから。その時代 にはハマッていないものもあったりするじゃないですか。でも、アーティストの流れで聴くと、そういう事かって分かったりするから。 そういう意味でも、出来たものをリリースするというのは伝える意味でも大事な要素かもしれないですね。しかも、このジャケットもまさかKUTMAHがやっ てくれるとは思ってなくて、メチャメチャ嬉しいですけどね。

原雅明 : それも本当はDUBLABのFROSTYと一緒にKUTMAHが来日して、一緒のイベントでC&CがLIVEをやる予定だったんだけど、彼が来れなくなってしまって。でも現実として、やはりそういう繋がりがあって実現できたんだと思うんですよね。
ーーやっぱり繋がりから生まれてるんですよね。
SAGARAXX :そ うなんですよ。そしてその話をしたのが3月10日だったと思います。KUTMAHに頼みましょうて話をしたのが、震災の前の日だったんです。そういう意味 でも、リリースする意味を考えさせられたんです。普段リリースするときも勿論考えるんですけど、いろんな流れがあったので凄く嬉しいですね。
KENSEI :このライナーを書いてくれたSUPANOVAのシンさんも、この収録されてるライブ会場の「月見ル君想フ」で初めて逢って、それがきっかけでSCHOOLに ライブを見に来てくれたんですよ。そして彼らのイベントに呼んでくれたのが、この収録されたライブなんですよ。だったら、なんか書いてくださいって言った ら、中のライナーを書いてくれたんです。そして、このライナーも抽象的なんですよね。C&Cが良いとかはまったく書いてない(笑)
(一同、笑)
KENSEI :でもそこも凄くいいな、って思って。
SAGARAXX :だからこれを残すの事で、本当に今までの記録があるから、思い出すきっかけになると思うので聴くと色んな事が思い出せますね。
KENSEI :次回の2枚目にリリース予定※のセッションのMIX作業も、もうそろそろやろうと言っていて。
※Coffee & Cigarettes Band "Sessions 2 - Live at Forestlimit"
ーーそれはパラで録ってるんですか?
KENSEI :4CHのパラで録ってますね。基本録音が良くて原さんも気に入ってくれてるんで、音量だけ調整できたらいいかなぐらいの感じですかね。
原雅明 :その日のライブは勿論居たんですけど、本当に良かったし。音源聴いてもやっぱり良かったです。来てくれた人達の評判も良くて。
KENSEI :もう現場で4回ぐらいかけちゃったんですけど。CDで(笑)結構評判いいです。「あれ、どこのバンドですか?」って聴かれたし。
(一同、笑)
原雅明 :それはセッションの前に生ドラムを叩いて、素材を録ったりしてやったんですよ。
ーーKENSEIさんがABLETONのLIVEで録ったんですか?
KENSEI :そうです。それをいじったりして。
SAGARAXX :そのドラマーもそのまま叩いたりもしてました。参加しちゃったりして。
ーー面白いですね。色々できるんですもんね。
SAGARAXX :そうなんですよ。それをまた改めて残していくってのが大事なのかなと思います。
ーーそれは、1時間くらいですか?
SAGARAXX :そうですね。今回のCD※よりは長いですね。
※Coffee & Cigarettes Band "Sessions"
ーーその時の方が参加している人数は多いですよね。セッションしている人達が増えるとなかなかバランスを保つのって難しいと思うんですが。
KENSEI :そうですね。でも、意外に旨くまとまったんですよね、その日は。
SAGARAXX :その日は「皆で何ができるか」ってテーマだったので、意識的にもまとまったんだと思いますね。
KENSEI :震災後ですからね。
SAGARAXX :うん、震災後の初SESSIONでした。
原雅明 :セッションの面子もギリギリで集めた感じだったんだけど、だから事前の打ち合わせも全然なくて。
ーーでも、良いですねそれで「集まる」っていうのが。
SAGARAXX :ね、本当にありがたいです。
ーー震災があって、実際どう過ごされてましたか?
KENSEI :俺は最初の1週間くらいは、あんまり音楽聴けなかったですね。あまり聴く気にならなかったです。そしたら、SAGARAXXが家に来て、Joao Donatoとか聴かせてきて。
SAGARAXX :でも、それも1週間後ですね。1週間は、2人とも何もできなかったですね。やっと逢えたのが1週間後でしたし。
KENSEI :そうだよね、電車も止まってたしね。でもそのときに昼間にJoao Donatoとか聴いてたら本当に救われたんですよ。じゃあEDITしちゃう!?って創ったのがC&C with Loveという曲なんです。いつもは、何日もうまくいかないって言って何日もやってるんですけど、例えば震災だったら、明日もう命を落としてしまう人もい るわけじゃないですか。だからもう今日この時間までにできなかったらアウトみたいにして、今日できる事の最善な事をやろうとしたんです。完成形じゃなくて もそれで1つ命が救えたら良いってつもりでやりました。それを毎日繰り返して10曲くらいできたんですよ。
SAGARAXX :電車がいつ止まるか分からないし、地震がいつ起こるかわからない状況でしたし地震があって帰りますって日もありましたからね。でも逆に、やれる事があって自分達が救われたなって思いました。
KENSEI :だから曲としての完成度というよりは、自分達の思いは凄く強いものになってるのかなと思いますね。曲と共に思いを入れたいって思いました。
SAGARAXX :変な拘りよりも、やれる事をやるって意識になったと思います。そういう意味での音楽の責任感みたいなものを感じたりもしました。
ーー 震災後すぐクラブの方がお客さんが入ってないって声もありましたけど「音楽聴かないだろ…」っていうような空気よりも、逆に(心のこもった)音楽を求める ような勢いみたいなものは感じるんですよ。「CD売れなくて大丈夫?」って聞かれますけど、そんな事ないよって思うんですよね。(勢いが)キテるような気 がするんです。
KENSEI & SAGARAXX :じゃあ(CD)お願いします(笑)
ーー(disk union三河)たしかに、以前よりも勢いはあるかもですね。
ーー(disk union高梨)感じますよね!
ーー(disk union三河)うんうん
KENSEI :じゃあ、きてるって事は、きてるんですよ。(笑)
(一同、笑)
KENSEI :音楽自体のパワーは、求めてるのかもしれないですね。
ーーUSのHIPHOPでも、この作品のインストとアカペラリリースすれば反応ありそうなのに出さなかったりするから、もったいない気もするんですよ。きっともっと、反応あると思うんですよね。
KENSEI :原さんは、どうですか?
原雅明 :自分もリリースする立場だったから、CARLOS NINOのBUILD AN ARKの作品も3月にリリースする予定が全然出せないような状況だったんですよね。流通とかも混乱してたじゃないですか、それもあって今は様子を見た方が いいかなと思ったんです。現実的にもリリースできないっていう事もあったし、自分の気持ち的にもリリースする気にはならないなというのもありました。そう こうしているうちにLA(DUBLAB)の連中から、連絡がバンバンきて「大丈夫か!?」とか「チャリティーやりたいんだ」とか。その対応に追われたんで すよね。でも、それで逆に気がまぎれたというか救われた部分もあったんです。それがなかったら、もしかしたら音楽を聴いたりリリースしたいする事ができな かったかもしれないですね。
DUBLABから日本の音を紹介したいから新しいトラックを提供してほしいとかがあって、C&Cにも お願いしたりして。そういうやり取りをしているうちに、段々やるべき事が自分で見えてきたような気がします。今は、自分でレーベルやってリリースするって いう気持ちと、ちょっと変わってきたような気がします。出すものを出してたというところから、それとはちょっと違うレーベルではあるけどレーベルではな いっていうような抽象的になってしまうけど。このリリースもそうですけどただ単にこの1枚のCDを出すっていうんじゃなくていままでのセッションや INTO INFINITYに携わってきたり、そういう過程での1つのOUTPUTなんだと思います。BUILD AN ARKのリリースに関してもCARLOS NINOが日本のためにチャリティーをやってくれたりして、その彼らの作品をうちからワールドワイドにリリースするんですけど、それだからこそリリースす る意味があるっていうような気がするんですよね。もちろんレーベルだから利益あげなきゃいけないし、営利目的でもあるんですけど何かこうまた違う気持ちと いうか、何か色々ひっくるめて考えるようになったかなと思います。
ーー原さんがJAZZ喫茶でHIPHOP談義をされたのも個人的には、とてもおもしろかったです。個人的には、レコード店で働いてる人達が見てほしいような内容でもありました。
※http://blog.corde.co.jp/
原雅明 :そうですね。JAZZを聴いてる年配の人達はある意味とても保守的なんでしょうけど、でもその一方で色々聴いてみたいっていう人もいて、その人達の柔軟性って凄いんですよ。実際やってみてもっと年齢層高い人達にもこういった音源を聴いてもらえる可能性あるなと思いました。
KENSEI :意外にそういう場でCD置いたら売れたりするんじゃない?
ーー原さんにPREFUSEのような作品で他にオススメありますか?って聴いてくるお客さんもいましたよね。
KENSEI :色んなきっかけや色んな聴き方を教えた方がいいような気がするんですよね。ジャンルにあてはまらない感情とか言葉にできない感情とかを音楽に形したときに、 そういうものを大事にしたほうがいいんじゃないかなと思うんです。こないだもブラジルのポルトガル語を話せる女の子がいて、SAGARAXXが震災後 AIRでANDRESとかとDJやった時にブラジルの音楽をかけてたんですよ。その時にその女の子に、「これ何て歌ってんの?」って聴いたら、「いや日本 語では説明できない」って言われて。「日本語にないっていう言葉の感情だ」って言っていてそれがメロディに現れていて。それはやっぱり聴かせないと分から ないですよね。
SAGARAXX :実はCARLOSのTURN ON THE SUNLIGHTのREMIXをC&Cがやったんですけど、竹村ノブカズさんのREMIXも入ってるんですよね。それの話も実は面白いんですよね。
原雅明 :多分95年だと思うけど竹村君がアメリカツアーをした時に、DUBLABに出ていて実はライブもやってインタビューも受けていて、そのときのインタビュアー がCARLOSだったんですよ。その時からCARLOSはずっと竹村君のファンで。それで、TURN ON THE SUNLIGHTのREMIX創るときにやってくれないか?って言ったら、 竹村君から「やります」 って返事がきて、しっかり音源をあげてきてくれたんですよ。
SAGARAXX :そういう人のストーリーっていうか、凄くいいなって思っていたら、原さんもKENSEIくんにインタビューしてるんですよ。それはなんでしたっけ?
KENSEI :"FADER"かな。
SAGARAXX :僕的にも、なんかそういう繋がりが面白いなと思って。もう十何年前のことですからね。
ーーそれが繋がってるわけですもんね。
KENSEI :音楽的にいうと、世の中の流れがどうか分からないですけど、自分は新しい音楽というよりも自然に生まれてくるものというか、テクノロジーもあるけどそれは方法論だと思うんですよね。
ーーJAZZ喫茶でのHIPHOP談義でもそうですけど、やはり昔の作品にそういう惹きつける要素が強い作品が多いんですかね。
KENSEI :音楽事態が本来そういうものなのかもしれませんね。今まで自分達が歴史的に聴いてきた音楽でそれほど悪い音楽ってないと思うんですよ。ただ、聴く環境とか、 聴く気持ちで全然音楽の感じ方って違うじゃないですか。今のブリブリのシステムで新譜ばかり流れるところで、90年代のHIPHOPかけてもそんなに多分 しっくりこないと思うんですよね。でも、JAZZ喫茶のようなそういう場所をあえて選んで、しっかり聴いてみようと思えばその波動が皆に伝わってると思う し、ちゃんとしたシステムだからまたしっかり聴けると思うし。
原雅明 :そのJAZZ喫茶のイーグルの後藤さんも「店でも、最近の新しいJAZZの例えばNY作品のクリアーな音の作品とかはあまりかけないけど、その時にかけていたHIPHOPのものはうちのお店でかけても違和感がない」って言っていたし、そういうのもあるかもしれないですね。
SAGARAXX :そういうクラブ以外の日常的に音楽聴ける場がどんどんなくなってきてるから、そういうJAZZ喫茶でHIPHOPがかかったりするのは本当に良いことだと思いますね。
原雅明 :JAZZ喫茶のシステムで聴くと、クラブのような低域がドカーンとでているシステムと違って、しっかりと中域が綺麗にでるから、グルーヴ感やファンク感が凄く伝わる感じがしましたね。だからこそ、聴いてほしいなと思いましたね。
SAGARAXX :真ん中重要ですね。
ーーPART.3に続きます。インタビューも(リ)サイクル。
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ーーShinsekai SESSIONSーー
Coffee & Cigarettes Bandare Kensei and Sagaraxx
with Azzurro(laptop), Crash(drums), Ishiguro(bass), Nof(flute) and Kan Sano (key/piano)
DJ:
Funnel
Masaaki Hara
Sagaraxx
PA:
Hayashisound
Lighting:
Daisuke Ukisita (20TN!/Forestlimit)
10.8(sat)
open 19:00
予約2,500円+1ドリンク
当日3,000円+1ドリンク
at 西麻布・音楽実験室「新世界」
港区西麻布1-8-4 三保硝子B1
TEL:03-5772-6767
http://shinsekai9.jp/
■Coffee & Cigarettes Band profile
DJ としてのスタンスにこだわる自分達がプレイしたいトラックを作りたいと、2006年、六本木RootsNで毎月第4火曜日に開催していたイベン ト”Coffee&Cigarettes”(現在イベントは一時休止中)でDJしていた、KenseiとSagaraxxの2人が中心となりス タート。互いに東京で生まれ育ち、毎晩DJとして東京の街の音を作っている、彼等の感覚がフィードバックされたトラックは、周りのDJ、ミュージシャン、 アーティスト達に好評を得る。又アナログに対する質感を大切にしながら、今鳴って面白いと思う音を追求し楽曲制作を行う姿勢は、80年代後半~90年代 の”HipHop~AcidJazz~DanceMusic”のベースにあった”Jazz” ”Funk” ”Soul” ”Rock” “Disco“ “RareGroove” 等を多様に取り込んでいく、自由でオープンなスピリットに通じる。Coffee & Cigarettes Bandの楽曲は、自分達が生きる日常に心地の良い風を注ぐであろう。現在、新たなプロジェクトを構築すべく、周りのミュージシャン達とDJ的視点での Live Sessionを積極的に行っている。DublabとCreative Commons JapanのプロジェクトINFITINY LOOPSでもセッションを公開中(http://infinityloops.cc/)


































