10/5リリース!虚飾集団廻天百眼×ROMANATION スペシャルインタビュー(前編)

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2016.10.07

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2016年10月5日に『舞台「冥婚ゲシュタルト」サウンドトラック』がリリースとなった虚飾集団廻天百眼。
レーベル×アーティストインタビューを前編・後編に分けてお届け!
前編は、石井飛鳥+廻天百眼の俳優陣を招いてお届けします!


INTERVIEW(前編)

虚飾集団廻天百眼
・石井飛鳥
・紅日毬子
・桜井咲黒
・十三月紅夜

INTERVIEW
・藤本達也(ROMANATION/ディスクユニオン)




――――自己紹介をお願いします。

桜井咲黒(さくらいざくろ 以下:桜井) 廻天百眼で役者をやっております、桜井咲黒です。役者と舞台美術も担当しています。外の活動ではインダストリアルバンドで金属を叩いたり、DJ等もやっています。

十三月紅夜(じゅうさんがつこうや 以下:紅夜) 俳優部、十三月紅夜です。ゴシック系ファッションや、いろいろなバンドのMVにも出演させていただいています。
好きな食べ物は薔薇です。ローズティーを嗜んでおります。

紅日毬子(あかひまりこ 以下:毬子) 紅日毬子と申します。劇団員の中では、一番役者らしいことをやっているかな?百眼以外にも客演で他の劇団に参加させていただいたり、自分で朗読劇を企画してやったり。俳優部の中では一番長く在籍しているので、看板女優と言っていただくことも多いです。

石井飛鳥(いしいあすか 以下:石井) 廻天百眼主催の石井飛鳥です。脚本と演出をしています。

石井 他、俳優部には新人の早坂カラスがいます。
まだ本公演には少ししか関わっていないのですが、期待の新人として育て中です。



――――俳優部という言葉がありましたが、組織としては他にどのような方がいらっしゃるのですか?

石井 まず、衣装部に笠原彩香がいます。新人ながら今後は衣裳制作の中心として引っ張って行ってもらえるように育てています。百眼は一回の本公演につき20着程の衣装が必要になってくるので、何人かで手分けして作っています。
それから広告美術担当のワタナベユウキ。チラシやホームページ、グッズ等のデザイン全般も手掛けています。

桜井 ワタナベユウキは今回のジャケット中にもちゃっかり自分が写っている写真を使っていますね(笑)

石井 あとは僕が企画部、演出部です。劇団員の裏方はこんな感じです。
ひとつの公演行うのに、外注も含めると30人くらいで制作しています。



――――皆さんはどのような縁で百眼と出会ったのですか?

毬子 私の場合は、友達が百眼とは別の劇団に入っていたんですよ。廻天百眼よりも先輩にあたる劇団に。
その舞台を見に行った時に、百眼の折り込みのチラシが入っていて。そこに私の好きなキーワードが書いてあったので連絡をしました。
最初は客演のつもりで応募したのですが、既に締め切られていて(笑)だったら受付をやります!と。
実はそれまでは役者をやったことはなく漫画やアニメが好きなコスプレイヤーみたいなことをやっていたんですが、百眼で芝居に目覚めました。

桜井 僕はもともとやっていたバンド解散後に、秋葉原でゴスメイクをしてワインボトルでシャボン玉を吹くという活動をしていました。
そこにはいろいろなタイプの人が集まってきて僕も荒んだ生活を送っていたのですが、ある日行きつけのバーで見たチラシがきっかけで百眼の本公演を見に行ったんです。
その時に自分もここで活躍したいと思いました。

紅夜 私は当時十代だったんですけど、その時はお遊びでバンドをやったり、今も関わっているファッションブランドさんのモデルをやらせていただいたりしていました。
楽しいことは何でも手を出してみようという時期だったんですけど、当時遊びに行っていた東京ダークキャッスルに遊びに行ったときに、ベロベロに酔っぱらった桜井に話しかけられ(笑)
廻天百眼の実験公演「御霊祭御祭騒」という大きなイベントがあって「出演者を派手に募集しているから来てみなよ」という話がきっかけで、役者もやったことがなかったのですが、面白そうだからという理由で参加しました。
私は客演だった期間が2年ほどあったんですが、だんだん居心地も良くなってきて、ここなら私が居ていい場所なのかもしれないなと思って劇団員になりました。

毬子 このメンバーが集まって最初の公演が「黒色サロス」ですね。



――――劇団ではなく「虚飾集団」と名乗るのはなぜですか?

石井 虚飾集団という名前をつけて、もう11年目になるんですけど、元々僕は朗読等をしていまして、そこに音楽をつけたり、他の役者さんに詩を朗読してもらうようになりまして、だんだんと、この形式は舞台の方がやりやすいのではないかと。ただ、劇団かというと、舞台だけをやりたいわけではないので、いろいろなものを包括してやれるように、あえて劇団という名を外しています。


――――どのようなコンテンツを作成していますか?

石井 舞台、映画、ライブ、喫茶店等もやっています。
場所によっては何の集団か理解されないこともあるので、そういった時だけは便宜上、〝劇団”と言うこともありますが。



――――活動のメインとなる場所はどこですか?

紅夜 劇場公演の中心はザムザ阿佐ヶ谷という会場です。血のりや火も使える場所なのと、場所の雰囲気も良くて。
他の会場だと、大量の血のりを使用するので公演後の復旧のハードルがあることと、音量の制約が理由となることが多いですね。生ドラムを使用することがあるので。



――――公演全体のテーマとしていることは、どんなことですか?


石井 B級映画的な描写を取り入れつつも、「人とは何か?」というところに行きつくように毎回考えています。

毬子 「美しく、激しく、狂おしく」です。

紅夜 毎回の公演のキャッチコピーや、冥婚ゲシュタルトの場合「人として生きているだけよ」という、これは劇中のセリフなのですが、ここにいろいろな意味が集約されていますね。

桜井 百眼に入る前の荒れていた時期の僕がそうだったんですけど、その時の自分のような人も「ここにいて良いんだ」と思えるような、自分たちがお客さんの居場所になることを目標としていますね。




――――毎回のべ1000人程度の方が見に来られるそうですが、どのような層の方が来るのですか?

桜井 小学校高学年くらいから50代、60代の方も来られますし、演劇ファン、普段はライブハウスにいる方、日本の文化の興味のある外国人の方等、幅広いです。

 

――――百眼の舞台は、客席まで噴出する血のりの演出も印象的ですね。

石井 最初は血のり演出も舞台上のみで客席にはかからないように気を付けていたんです。そのはずが、だんだんと血のりがかかることを喜ぶお客さんが増えだしたんですね。
時期でいうと「少女椿」の公演中の頃にどんどん変わっていって。

桜井
客席のボルテージアップにこっちが引っ張られた部分もありましたね。

毬子
最前列に座って血を浴びるために、自前で真っ白の服を準備してくる女の子たちが増え始めて。公演中にどれだけの血を浴びたかがステータスみたいな(笑)
こちらも白いお客さんがいっぱいいるよ!どうしよう!って。



――――演者のみなさんだけでなく、お客さんとともに百眼の舞台が作り上げられていったわけですね。

石井 毎回が初日の公演とずっと同じというわけではなく、舞台が生き物のようにお客さんと物凄く影響しあっていますね。



――――今回のサウンドトラック「冥婚ゲシュタルト」の楽曲について、各自の思い入れのある曲を教えてください。

毬子 私は最初の「箱船」という曲です。この曲は冥婚ゲシュタルトの主題歌となっていて、ほかの曲にもメロが転用されているんです。
舞台中は私がソロで歌うパートがあって、ストーリー上ではうまく歌えないと役柄の私が殺されてしまうというとても緊張感もあるシーンでもあります。

▼『箱船』MV (廻天百眼 舞台『冥婚ゲシュタルト』2016より)


紅夜 私は「特捜!邏卒24時!」という曲で、こもだまり(昭和精吾事務所)さんと一緒にデュエットさせていただいています。
CDだと見えないんですが、劇場ではお客さんがサイリウムを振って一緒にノるようなアッパーな曲なんです。
レコーディング自体は別々だったんですが、一緒にいっぱい練習をして、録る時にはこもださんの役柄のレイカさんが隣にいるのを感じながら歌いました。

桜井 最後の「外へ」という曲です。CD自体、劇中の順番になっているんです。これは作曲者の西邑(FOXPILL CULT)さんがソロで歌ってるのですがとてもきれいな曲でおすすめです。
シャッフルでなく、一度は必ず通しで曲順のとおりに聴いてほしいですね。

石井 僕は「カゴメカムゲノム」です。9月末にMVも公開予定で、「箱船」とこの曲が百眼らしいというか、集約されている曲だと思います。
一番と二番が違うパートの歌、最後にそれぞれのパートが掛け合いとなって、それを畳み掛けて圧倒する感じと、ちょっと和の要素が入っている部分が、石井イチオシですね。

▼『カゴメカムゲノム』MV (廻天百眼 舞台『冥婚ゲシュタルト』2016より)
 


――――「冥婚ゲシュタルト」舞台を見れなかった人も、サントラCDとDVDでストーリーを追体験できそうですね。

石井 3月には、千之ナイフ先生による「冥婚ゲシュタルト」漫画化も決定しました。ぜひ漫画を片手にサントラを聴いてみて頂きたいです。

 


――――今後6か月の予定は?

石井 11月4日にチェルシーホテルで、今回の「冥婚ゲシュタルト」のサウンドトラックとDVDのレコ発ライブがあります。
そして2月末には、江戸川乱歩原作で劇場本公演をやります。「黒蜥蜴」と「陰獣」をベースにしたものになります。
この本公演はとくに力をいれたものとなります。かかわる人数も費用も情熱も桁違いなので。

毬子 ウチは毎回「ご来場いただきまして、誠にありがとうございます」とは言わないんですよ。「ご参加くださいましてありがとうございます」と言うんです。お客さんと一体になって作り上げていくものなので、いわゆる舞台観賞というよりも、ライブへ参加という雰囲気があります。

石井 MVやサントラを視聴して気になった方は、舞台というものを見たことがなくても臆せず劇場へいらっしゃってみてください。初めての方も、きっと巻き込まれて愉しめるはずです。