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プリンス、マイケル、マドンナと同時代を並走してきた
現代随一のポップ・マエストロ、
パディ・マクアルーンの音楽の魅力を解き明かす。
「ミュージック・マガジン」(2017年6月号)に書評が掲載されました!評者は長谷川町蔵さんです。
文春オンラインにて、宇野維正さんが「連休中に読み耽りたいディープな音楽本3冊」として紹介してくださいました!
「intoxicate」(Vol.127)にて書評が掲載されました!評者は北中正和さんです!
「レコード・コレクターズ」(2017年5月号)に、書評が掲載されました!評者は油納将志さんです。
「月刊ミュージシャン」(2017年4月号)にて紹介されました!
amassにて紹介されました!
「文化通信」(2017.3.6)にて、刊行についての記事が掲載されました!
永遠に古びぬ音楽。
長年、パディを取材してきた著者が、
それぞれの作品に丁寧な解説を試みた一冊。
ニュー・ウェーヴ以降に登場した最高のソングライター。
聖歌、ゴスペルから、映画音楽、ティン・パン・アレー、ブロードウェイ…アメリカ音楽史をたどるように、
英国ニューカッスルから、普遍的なポピュラー・ミュージックを80年代以降の音楽文法で構築し、
映画や小説を創作するように、アルバムをつくったソングライターがいた。
「ヨルダン:ザ・カムバック」は文学作品のような素晴しい完成度で、
ジェイムズ・ジョイスだって生きてればこの作品を誇りに思っただろう。(中略)
彼らの音楽はロックのカテゴリーには収まらない。
どちらかと言えば、レコード店よりも本屋さんで売られるべき作品だ。―― トーマス・ドルビー
アーヴィン・バーリンの〈ホワイト・クリスマス〉のような
ポピュラー・カルチャーを塗り替えるような曲が自分にも書けたらな、と思ったんだ。―― パディ・マクアルーン
<目次>
1章 プリファブ・スプラウトの音楽
音楽史には残らないかもしれないけれど、良い曲
どうしてグルーヴィーなサウンドを作ることができないんだろう
「ポップ」のソングライターとして
ニューカッスルという土地
デビュー前夜
2章 プリファブ・スプラウトの歩み
スウーン(Swoon)
多彩な登場人物と聖書からの引用
キッチンウェア人脈
パディの音楽的バックグラウンド
T・レックスとトニー・ヴィスコンティ
屈折したホワイト・ソウル・ミュージック
スティーヴ・マックイーン(Steve McQueen)
スティーヴ・マックイーンの主演作
パープル・レインとスティーヴ・マックイーン
オートバイとロックのレコード・ジャケット
トーマス・ドルビーの音楽性
曲に惚れ込みプロデューサーに
トーマス・ドルビー人脈
プラスチック・カントリー&ウエスタン
アメリカの作曲家への憧憬
初来日の思い出
現代の古典として
ラングレー・パークからの挨拶状(From Langley Park to Memphis)
エルヴィスとマーク・トウェイン
ロック文化へのオマージュ
ニューヨークが舞台のサントラ
ブロードウェイ・ソングと歌のキャスティング
バート・バカラックとプリンス
プロテスト・ソングス(Protest Songs)
生々しいポップ・ソング
聖書を題材に
ヨルダン:ザ・カムバック(Jordan:The Comeback)
アメリカ文化と歴史をテーマに
エルヴィスとヨルダンの関係
楽章形式のアルバム
バッハとバーバーショップ
トレヴァー・ホーンが手がけたディズニー映画のサントラ
フレッド・アステアへのオマージュ
教会音楽とゴスペル
アンドロメダ・ハイツ(Andromeda Heights)
サン・ラからのインスピレーション
ブルー・ナイルとの架け橋 ―― カルム・マルコム
ポケット・シンフォニー
管楽器とアコースティック・ギターの響き
ザ・ガンマン・アンド・アザー・ストーリーズ(The Gunman and Other Stories)
ワイルド・ウエストへの憧憬
各曲の着想
イギリス文化に通じたアメリカ人――トニー・ヴィスコンティ
カウボーイ・ソングのスタイル
架空のマカロニ・ウエスタンのサントラ
アメリカに対する真摯な視線
I Trawl the Megahertz
網膜剥離と耳で聴く映画
北欧ジャズ
影響を受けたクラシック作品
スティーヴ・マックイーン レガシー・エディション(Steve McQueen(Legacy Edition))
オリジナルの3倍の時間を費やしたアコースティック新録
レッツ・チェンジ・ザ・ワールド・ウィズ・ミュージック(Let's Change the World with Music)
幻のアルバム
ブライアン・ウィルソン『Smile』との類似
チェンジ・ザ・ワールドというテーマ
ウェンディ・マシューズの『The Witness Tree』の選曲
聖書とポップカルチャーの引用
打ち込みによるスピリチュアルな音楽
クリムゾン/レッド(Crimson / Red)
障害を抱えながらの制作
深紅のアルバム
ジミー・ウェッブとキリスト教という共通点
ボブ・ディランとマーク・ボラン
ままならない人生
3章 プリファブ・スプラウトの影響
北欧のフォロワーたち
フィラデルフィアからグラスゴーへの返答
プリファブ・スプラウトのカヴァー
あとがき
オリジナル・アルバム未収録曲
*本書は電子書籍でも配信しております。
渡辺亨
音楽評論家/選曲家/DJ。
1959年8月18日生まれ。札幌出身。
青山学院大学英米文学科卒業後、編集者兼ライターとして雑誌『Tangled Up in Blue』等に関わる。80年代後半から『ミュージック・マガジン』や『クロスビート』などの音楽誌をはじめ、一般紙や新聞などに寄稿。著書に『音楽の架け橋』(シンコ―)がある。NHK-FMの人気番組『世界の快適音楽セレクション』の構成と選曲を担当、コーナー出演なども。