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これは、新鮮な驚きを覚える嬉しい誤算と、私自身感じている。
松風さんというと、渋谷毅オーケストラのファンとなって10数年の私にとってみれば、そのポーカー・フェイスな松風さんであり、あるいは数年前に出たギターのサンキチさんをバックにした美しいロマンティックな印象だったりしている。
もちろん、ここにあるのも、そうしたロマンの漂う氏の音世界に変わりはない。渋オケできく、楽曲と合いまった切ないフルートの音の印象などももちろん滲み出る。しかし、氏自身が“ただスリルと至福に満ちた時を楽しんだ”と言っているように、ここにはまた別の面白さを感じた。加藤崇之、水谷浩章、外山明ら迎えた演奏は、いつになくユニーク。さすがこのメンバーという個性が溢れるというものだ。瞬間の音の重なり、鳴り、響きには普段より非常に敏感であるが、こうしたある種の、丁丁発止のスリル感を前面に感じる演奏は、氏の演奏のなかで特別だと思う。しかし、それで奇の衒いがまったくない所が素晴らしいと思う。
最近、日本のインディ・シーンというと、売れると見れば、作品を連発。CDのほかに本やDVD・・まで出る。まぁ、それで経済効果があればいいのだろうけど、ライブ・ハウスに足を運んで本質的にドキドキしてきた自分にはちょっと哀しい現実も感じる・・。こういうCDが売れて欲しい・・・なぜなら、そこには、やっぱり本人らしさがあって驚きが溢れているから。さすが、それが、ベテラン、と思う。(S)
松風鉱一(ts,as,fl),加藤崇之(g),水谷浩章(b),外山明(ds)
KOICHI MATSUKAZE / 松風鉱一