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URSUS MINOR
ZUGZWANG
HOPE STREET/NOCTURNE / FRA / CD / 050804-01 / 2005年08月04日 / 2,300円(税込)
 
NATOレーベルの黒幕でもある巨匠トニー・ハイマスとフランスの爆裂マルチ・リード奏者フランソワ・コルヌルー、そしてアメリカより超技巧派ギタリスト、ジェフ・リー・ジョンソンとドラマー、デヴィッド・キングが参加したユニット。そして!何と!かの(ハイマスの作品「OYATE」でも共演した)ジェフ・ベックが数曲で参加!それに米仏ラッパー5人やヴォーカリストをフィーチュア。
ヨーロッパとアメリカのキレ者同志がセッションをする。と言う、まさにミシェル・ポルタルらのミネアポリス・プロジェクトと同様のコンセプト。そのミネアポリス・プロジェクトのプロデューサーが制作したデュニ・コランの作品にも参加してマリーナ・ショウの「ウーマン・イン・ゲットー」を熱唱していた、エイダ・ダイアーがここでもその深い歌声を披露してくれている。メッセージ性はまさに前述の作品と通づるものがあるが、こちらのサウンドは遥かにヒップ・ホップやミクスチャー・ロックの雰囲気が強い。最も強力なソロをカッ飛ばしているのがフュージンスキーばりのジェフ・リー・ジョンソンとゲストで登場し、例によってギュンギュンに唸るギターを炸裂させているジェフ・ベックの二人。コルヌルーは脇でリズム体の一部と化した地鳴りの様なバリサクをブヒブヒやってくれているが、ニューオリンズ・ファンク風の「STERNER STUFF」では後半、彼のバリサク大爆発の模様が楽しめる。
どの曲も恐ろしくカッコイイが、最も印象的なのはジェフ・ベックも参加したアブストラクトなナンバー「LIST」だ。このアルバムの歌詞は、どれもアメリカや経済大国に対して挑発的な内容だが、この曲では過去に起きた警察による黒人リンチ事件の事などを被害者の実名を出して糾弾したり、石油利権の執着がアラブ諸国の戦争を生んだ元凶として大企業を名指しで批判したりしている。こういう「ロック界のスーパー・スター」のイメージにとってリスキーな内容の作品に平気で参加してしまうジェフ・ベックという人に、ビースティー・ボーイズと同じ潔さを感じてしまうのは私だけでは無いだろう。ジャンルを超越して多くの皆さんに聴いて頂きたい作品です。

TONY HYMAS(key),JEF LEE JOHNSON(g),FRANCOIS CORNELOUP(bs,ss),DAVID KING(ds),ADA DYER(vo),BOOTS RILEY(rap),M1(rap),UMI(rap),D'DE KABAL(rap),SPIKE(rap),JEFF BECK(g,#-1,8,11,13)
青木弓
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