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これは、とんでもないピアノ・トリオ作品です。美しいメロディーのテーマの後にモンクやドルフィーのスピリッツを感じさせるアコロバティックなソロが続く・・。こんなの、ミシャでなければ誰が弾く！と言った唯一無二の個性が炸裂する作品です。リズム隊も主流派と即興の両刀使いの達人が揃い、この両世界を自由に行き来する気まぐれな巨匠、ミシャに喰らい付きます！教会音楽の様なクラシカルで荘厳な旋律から不協和音の嵐へと変貌するバラード・ナンバー「REEF AND KNEEBUS」が凄い！(A)

まだミシャに関して、フリーというイメージを強く持っていたとき、手前味噌ながらDIWの「ノー・アイディア」を聴いてそのスウィング感とメロディアスさに本当に吃驚した。モンクに対して、現代誰もフリー・ピアニストと呼ばないように、ミシャもフリーというカテゴリーから外していかないと、とんでもない誤解になるような気がしている。本作もトリオ。GREG COHENとBEN PEROWSKYという現代屈指のリズム・セクションを迎えた新作は、主流派の中でもアグレッシブなピアノ・トリオ作を好まれる方には是非聞いていただきたい一作。気持ちいい不協和音というパラドックスをモンク以降、ここまでカッコよく鳴らすのは、ミシャ以外にないし、スウィング感もしかり。上記「REEF UND KNEEBUS」のモンクな感じ、そして、ラストの華麗なるリズム・チェンジはお見事！！MONK的カッコよさでありつつ、しかし、MISHAというのも凄いところ(MONKよりアクロバティカル)。唯一無二のピアニストの名演。ちなみに、MICHIEL BORSTLAPの「3」にはまられた方は必聴!!です。(S)

MISHA MENGELBERG(p),GREG COHEN(b),BEN PEROWSKY(ds)

青木弓、関口滋子