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★★★ニャグニャグのニャグニャグ盤はコレ★★★
実は、この作品を2006年のベストとするのはルール違反なのではないかと悩んでいた。あ、なんかこの書き出し昨年に似てる。ボクがプロデュースした作品なので、依怙贔屓なのかと訝られるのが辛い。嫌だ。でも、やはりコレ。「なーんだ、知らない曲名だけど、聴いてみるといい曲じゃないか」と思うであろう曲のオンパレード。しかも稀有な才能を持つヘルゲ・リエンの演奏。肉体と精神。彼の血液を通り抜け脳を駆け巡ったものたちが、どのように醸成されたのか。それはもう多くのファンが聴いて納得のことだろう。9月の初め都内某所、パラゴンを安置し物凄い音でジャズを聴かせてくれるジャズ・バーで、コレを聴いた。泣いた。感動した。物凄いもの作っちゃったな。物凄いもの作ってくれたなノルウェー陣(エンジニアのコングスハウグも含めて)は、と。尽きることの無い、汲み尽くすことの出来ない色々なものがこの中に詰まっているのだ。
(営業部ジャズ部門 山本隆)
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既にヘルゲ・リエンのHPをチェックしているような人は知っていると思いますが、彼の新作が出ます。5月26日(金)発売です。今まで我慢できたのが不思議。内容があまりにも素晴らしくそのコーフンを、いち早く周囲の人または全国で知らしめたい、という願望が強い性質なので何かと欲求不満で大変だったのだ。
SWING JOURNAL誌選定ゴールドディスク『スパイラル・サークル』(DIW-627)のヘルゲ・リエンの最新作はなんとスタンダード曲集。そのスタンダード曲というのが、あまり知られてはいないけど、聴くと「ああいい曲だなぁ」という渋い曲ばかり。今年のお正月オスロのレインボウ・スタジオでの録音。音もいちいち素晴らしいのでオーディオファンの方にもお薦めできます。
よく、レコードとかCDの帯に、「この作品は彼(彼女)の生涯の最高傑作、遂に誕生!!!」とか書いてあるじゃないですか。
ボク、アレって一度も信用したことがない。ほんとかな?じゃあプレステッジのアレは最高傑作ではないのか、と訝ってしまう。
だからあまり読まないことにしている。今書いているこの文章もどうせ誰も読まないんだろうな、と思いながら書いている訳だ。
そういう種類の人間が次のようなこというのも如何なものかと思うが、「これはヘルゲの最高傑作なんです。しかも数あるピアノトリオ作品の中でもグンを抜いて素晴らしいのです」と声を大にして叫びたい。
ヘルゲ・リエンの今までのDIW作品、すなわち『スパイラル・サークル』、『アシンメトリックス』も大をつけていい名盤だ。今回はその大をつけてしまう名盤を更に超えてしまう、大大名盤なのだ。名盤とは何年か経過して、大方の評判を拠り所として名盤へと発展してゆくものだが、この『TO THE LITTLE RADIO』は発売と同時に名盤扱いなのだ。というか、発売前にして既に名盤となっている、すごいぞ。
1.GRANDFATHERS WALTZ (LASSE FARNLOF)
オープニングは軽快にいきましょう。ビル・エヴァンスとスタン・ゲッツとのヴァーブ盤で聴くことの出来る隠れた名曲。ピアノトリオで聴くとまたいい味わい。というかピアノトリオの演奏、他で聴いたことないです。一曲目にして早くもクライマックスか!優しさ、慈愛に満ちたこの曲の雰囲気をヘルゲは遺憾なく表現しています。
2.LOOK FOR THE SILVER LINING (JEROME KERN)
『チェット・ベイカー・シングス』で有名な曲。ピアノトリオでの演奏は珍しい。ここではスローに徹してこの曲の良いところを余すところなく、引き出しています。そっと耳を澄まして聴いているとそのピアノの息遣いも感じることができます。いつまでもいつまでも。
3.CHELSEA BRIDGE (BILLY STRAYHORN)
これは比較的有名なスタンダードですね。この曲の持つ哀愁感がソフィスティケイトされ表現されました。
4.LITTLE SUNFLOWER (FREDDIE HUBBARD)
フレディー・ハバードの名曲、最近人気ある曲に成長しているようです。アンダーでダークな色調がこの曲の魅力を引き出すことに成功しています。
5.PENELOPE (WAYNE SHORTER)
おお、ペネロープじゃないか。この曲の良さを知っている人はペネロープを演奏しているというだけでも、CD買っちゃうそうです。ヘルゲ・リエン・トリオらしい演奏。
6.IDA LUPINO (CARLA BLEY)
カーラ・ブレイの名曲。誰もが「ああ良い曲だなぁ」と思うのではないでしょうか。スティーブ・キューンの『スリー・ウェイヴス』でも演奏されていました。
7.SO IN LOVE (COLE PORTER)
徹底した、哀愁の美。「SO IN LOVE」という哀しみに満ちた演奏に、全面的に参っています。
8.LOVE SONG (TONY WILLIAMS)
最近の傾向では、この曲が収録されているピアノトリオ作品の売れ行きが好調です。ここでの演奏もトップランクだと思います。
9.AMAPOLA (ALBERT GAMSE)
幅広い年代に愛されているスタンダード曲。CMでも常に使用される頻度の高い親しみのある曲。まさかヘルゲがこの曲を演奏するなんて。このがっぷりと正面から取り組んだアマポーラを聴いて、心ならずも泣いちゃった、という人がボクの周りで相次いでいます。名曲にして名演。
10.SONOR (HAMPTON HAWES)
ハンプトン・ホーズのSABA盤『HAMP'S PIANO』に収録されていた、隠れた名曲。ハンプトン・ホーズ以外で演奏されることは珍しい。しかもその真髄をがっちりと捉えた内省感溢れる演奏に、失神する人もボクの周りに約1名いました。
11.TO THE LITTLE RADIO-AN DEN KLEINEN RADIOAPPARAT(HANNS EISLER)
タイトル曲。真にヘルゲ・リエンらしい選曲と演奏は見事です。レインボー・スタジオでの録音であるということも、しみじみと実感できる。
メンバー:FRODE BERG(b), KNUT AALEFJAER(ds)
山本隆
HELGE LIEN / ヘルゲ・リエン