このアルバムでまず推さなければいけないのは、やはりアーバン・メロウ色の強いアルバムの核となる曲郡。オープニングの「Need Your Love」を筆頭に女性ボーカルを前面にフィーチャーした「Keep Goin' On」、メインのリフがなんとも言えない極上感をかもし出す「Music」などなどがそれにあたるのですが、ゲイリーの繊細かつ伸び伸びとしたブロウも絶好調。このあたりがジャズ~フュージョンのリスナーは勿論のこと、ソウル~ファンク・リスナーをも虜にしてしまう部分なのでしょう。一方、完全にソウル・リスナーに向けたナンバーとしては「One-Eyed Jack」のP-FUNKっぽいパーティー・ファンクはアルバムのアクセントの面から考えても絶妙なナンバー。切々としたプレイが印象に残る「After The Love Has Gone」も言わずもがなです。70年代のミゼル・ブラザーズとのコラボも抜群でしたが、エムトゥーメとの相性もこのアルバムで確信したのではないでしょうか。そんな確かなものが感じられる、極上の内容です。
