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複雑に織り込まれた作曲技法、明快な表現力、清新なアプローチ…。サバティーの魔法で、ハートは安らぎと心地よい覚醒で満たされる。
パオロ・ディ・サバティーノにとっておよそ1年半ぶり、澤野工房では5作目となる新作のタイトルは『THE WAY OF TULIPS』。女性を花に例えるのは古くからありふれた表現だが、ジャズの曲名に花の名、しかも題材がチューリップとなるとなかなか大胆な発想のようにも思われる。ただ、花も芸術も家族のように愛するイタリアの風土を鑑みれば、これも自然な感情の発露であろう。前作『LUNA DEL SUD』はホーンをフィーチャーした作品だったが、トリオでの演奏に戻るとなればどんなピアニストでも心構えが違ってくるもの。タイトルの冒頭曲にしても、さらりと聴かせる可憐な表現の裏には、複雑に織り込まれた作曲技法と持ち前の明快な表現力、そして歌の国イタリアの歴史が堂々と横たわっているのが感じられる。彼のこれまでの作品に親しまれてきた方は納得される事と思うが、サバティーノの美点はその柔軟性にある。それは一定のスタイルに固執しないという意味での柔軟性でもあるし、無闇に角を立てず楽曲に自然に寄り添う事ができるという意味も含まれる。彼のオリジナル曲はもちろんだが、ブルー・ミッチェルの陽気な名曲「Funji Mama」や、スタンダード曲「You'd Be So Nice To Come Home」などで聴かれる演奏からは、清新なアプローチから楽曲の美しさを引き出すサバティーノ一流の柔軟性の魔法が一段と輝きを増しているのが感じられた。(Text by 吉良信紀)
Paolo Di Sabatino : piano
Marco Siniscalco : bass
Glauco Di Sabatino : drums
PAOLO DI SABATINO / パオロ・ディ・サバティーノ