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アルゼンチン・ジャズの敏腕ピアニストと、ペドロ・アスナール一派の♀インタープリターが組んだ感激のデュオ・アルバム
ADRIAN IAIES(アドリアン・イアイエス)。ラテン・グラミーへのノミネートやワールド・ワイドな活躍でのジャズ・プレイヤー共演などで、日本でも多くのファンを持つアルゼンチン人ピアニスト。一方のROXANA AMED(ロサーナ・アメー)は、PEDRO AZNARプロデュースにより2枚のアルバムを発表し高い評価を得たアルゼンチンきっての名インタープリターで、前作となるDVDでは多彩なゲストを迎えつつ、その真摯な歌声と繊細な感性による芸術的なヴォーカル・ワークを余すことなく披露するなど「実力派」といった呼び名が相応しいシンガーである。
二人は以前からアルバムなどで共演し話題となり、満を持してのデュオ・アルバムとしてリリースしたのが本作『CINEMATECA FINLANDESA』。しなやかで優しいタッチのADRIANのピアノが奏でるリリカルで深みに溢れた音色。そのピアノに反応しながら圧倒的なヴォーカル・ワークを聴かせるROXANA。デュオ演奏ならではのスリルに溢れつつも、音芸術として楽しむことも拒まない純な美しさが共存。職人技と言ってもいい一曲ごとの味わいは、聴きすすめるほどに感激必至である。「フィンランド映画」というタイトルのもと、南米でありながら、どこか北欧JAZZ的な涼やかな透明感とドラマティックなコンセプトをモチーフに選ばれたレパートリーは、ADRIANのオリジナルをはじめ、フォルクローレの偉大な作曲家CUCHI LEGUIZAMON(4曲)、アルゼンチン・ロック御大CHARLY GARCIA(2曲)、更にはTHELONIOUS MONK(2曲)と、高質な音楽性を発揮するのに相応しいバラエティに富んだものといえる。ピアノ+女性ヴォーカルの注目作にしてロック~フォルクローレといった要素も垣間見える、アルゼンチンならではのジャズ作品。活況を呈すアルゼンチン音楽シーンのなかでも突出したジャズ・マテリアルとして聞いておきたい逸品。2010年録音。
ROXANA AMED 's web site
ADRIAN IAIES, ROXANA AMED