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カルロス・アギーレ主宰 SHAGRADA MEDRAレーベル新作:アルゼンチン・フォルクロリズムとモダニズムの調和と邂逅がソロ・ピアノの響きで表された、セバスティアン・ベナッシが生み出す高尚芸術。
もはやアルゼンチンを代表するレーベルといえるシャグラダ・メドラ(SHAGRADA MEDRA)。主宰であるカルロス・アギーレ待望の新作リリース情報の興奮最中、こちらも静かなる名盤誕生の予感。作曲/編曲家/ピアニストのセバスティアン・ベナッシによるメランコリア溢れるピアノ・ソロ・アルバムだ。
セバスティアン・ベナッシは、1966年サンタフェ生まれ。父の影響もあり幼少のころからフォルクローレに興味を持ち、ロサリオ国立大学ではピアノだけでなくルチョ・ゴンサレスら偉大なフォルクローレ・ミュージシャンのクラスを受講するなど、テクニックだけでなく音楽の血肉となるアイデンティティを磨いていった。そして何よりカルロス・アギーレを中心にリリアン・サバやモノ・フォンタナらとも親交を深め、現在のコンテンポラリー・フォルクローレ・シーンとも価値観を共有していることが彼の音楽性にも大きく反映されている。今作で聴かせるピアノ・ソロも、アルゼンチン・フォルクロリズムとモダンなハーモニーの邂逅をピアノ本来の響きで再現するべく、一切の妥協なくなされた至極丁寧な録音。この質感はまさにカルロス・アギーレに端を発するコンテンポラリー・フォルクローレそのもの。ピアノ・ソロでありながら何一つ不足することのない完璧な世界観を我々に掲示してくれる。
演奏される楽曲はM8を除き、全てセバスティアンのオリジナル。独特のスウィングを伴った小品M1に始まり、じっくりと大地を踏みしめるようにメロディを綴っていくM2、抑制と情熱の均衡が鍵盤を通じてこちら側に伝わってくるようなM3、タンゴのようにパッショナブルに綴るM4、一転無音ですら楽しむかのような慈しみに満ちたM5...。喜怒哀楽といった人間の根源的な感情のようでありながら、雑念のない清流のごとき瑞々しさも想起させるピアノの音色、メロディ、そしてハーモニー。クラシックの如き洗練の極みでありながら、まるで生き物との対話のように、生命の息吹が強く感じられ様は、カルロス・アギーレの通称「黒盤」と言われる"CAMINOS"'(2006)以来のアルゼンチン・ピアノ・アルバム傑作に相当する素晴らしさだ。
本作のような、ごくシンプルな演奏形態でありながら、強く心を打つようなアルバムの出現で、シーンにおけるの層の厚さを改めて感じずにはいられない。「珠玉」の形容詞が相応しいこの1枚を、多くのリスナーに心から堪能していただきたい。
SEBASTIAN BENASSI / セバスティアン・ベナッシ