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1. DRUCILLA
2. LET IT RIDE
3. TRIPTYCH
4. CHINATOWN
5. THE CRIMSON TOUCH
6. THE BACKWARD STEP
7. NIDA
8. BLUE
9. FLEUR DE LIS
10. THE CHARLESTON HOP

NICHOLAS PAYTON  ニコラス・ペイトン
INTO THE BLUE
NONESUCH / US / CD / WMJ2439100 / 2008年04月23日 / 1,985円(税込)
 

2008年4月度スタッフ推薦盤!!
とてつもなくファットでどこかあたたかみのある音色で、バリバリと楽器を鳴らして縦横無尽に吹きまくる。それが私のペイトンのイメージだった。最近の野心的集団SFJAZZやサイドマンでの、後ろを振り向かずひたすら渾身の力を込めて吹き上げるスタイルがやはり頭にあったからだ。しかし、この冒頭の曲には意表をつかれた。親しい誰かに追悼の意を告げるが如く、物悲しく、泣きむせびつつ震えるような音色。やがて他のメンバーが加わりテンポがあがり、明るいトーンになってもその悲しみは消えず、哀愁を帯びたまま朗々と歌を歌い上げる。中音域を中心に楽器を豊かに鳴らし、ほとんどハイトーンも使わない。かなり感情的な高揚を抑えつつ、一歩踏み込んだ表現をしようというペイトンの心意気が伝わる。ケビン・ヘイズを初め若手の先鋭的なリズム隊を率いながらも、激しくドライブはせず、ひたすら調和し、淡い色合いの変化をもって奥行きのある表現をしていく。余分なものを一切削ぎ落としたマイルスへの追悼とも思えるペイトンの奏法、ヘイズのフェンダーローズの巧みなバッキングやさりげなくも深みのあるソロ、スティーヴ・ギルモアのおおらかでありながら切れのいいドラミング、予想外の動きで耳を楽しませるパーカッション。聴きこむほどに各人の密なるプレイの細部が聴こえてきて、じわじわと心の内側に溶け込んできた瞬間の喜びは他に例えようがない。どうか、時間をとってじっくりと味わっていただきたい逸品である。

NICHOLAS PAYTON(tp,vo,synth), KEVIN HAYS(p,el-p), VICENTE ARCHER(b), MARCUS GILLMORE(ds), DANIEL SADOWICK(per)

新宿ジャズ館 中森
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