<限定生産> エソテリックからマスターサウンドで鮮烈によみがえる JAZZ黄金期『ブルーノート6ベストアルバム』

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2015.07.10

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「SACDプロデューサー大間知基彰氏、マスタリング・エンジニアである杉本一家が手がけるクラシック復刻作品で定評のあるESOTERIC社からなんと遂にジャズのSACDが復刻されます!! この作品もクラシック同様オーディオショップ以外ではディスクユニオンでしか購入できない作品となります。」

エソテリックからマスターサウンドで鮮烈によみがえる。JAZZ黄金期の「ブルーノート6ベストアルバム」


BLUE NOTE 6 GREAT JAZZ エソテリック 独占販売
2015年7月10日 発売予定
品番: ESSB-90122/27(6枚組)
仕様: Super Audio CDハイブリッド
レーベル: ブルーノート
音源提供: ユニバーサルミュージック合同会社
DSD MASTERING / Super Audio CD層: 2チャンネル・ステレオ[マルチなし]
※ESSB-90122のみ、モノーラル
美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ使用
ESOTERIC / BLUE NOTE透明ロゴステッカーシート付
6枚組ボックスセット
“Super Audio CD“と“DSD”は登録商標です。

  • V.A.(ESOTERIC)
  • 6 Great Jazz / 6グレート・ジャズ 【限定生産・SACDハイブリッド盤 6枚組みボックスセット】
  • SACD(20) 21,000円(税込)
  • ESOTERIC / JPN / SACD / ESSB90122/27 / 1006736203 / 7月10日発売予定
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    今回の6作品は、1956年~1964年というアナログ全盛期に生み出されたブルーノート録音によるモダン・ジャズの歴史的名盤6タイトルの復刻です。モダン・ジャズが最も輝いていた1950年代後半から60年代、ニューヨークで活躍していたミュージシャンの演奏がここに刻まれています。6タイトルに参加したメンバーを見渡してみても、トランペット;マイルス・デイヴィス、リー・モーガン、アート・ファーマー、フレディ・ハバード。トロンボーン; J.J.ジョンソン、カーティス・フラー、テナー・サックス; ソニー・ロリンズ、ジョン・コルトレーン他、アルト・サックス; キャノンボール・アダレイ、ジャッキー・マクリーン他、ピアノ; ホレス・シルヴァー、セロニアス・モンク、ハンク・ジョーンズ、ハービー・ハンコック他、ベース; ポール・チェンバース、サム・ジョーンズ、ロン・カーター、そしてドラムスにはアート・ブレイキー、フィリー・ジョー・ジョーンズ、トニー・ウィリアムス他。まさにスーパー・ジャイアンツの集結です。これはブルーノートが世界最高のジャズ・レーベルであった証でもあり、今回の6タイトルは、発売時から50年以上経った現在でも、モダン・ジャズ全盛時の定番演奏としてレファレンスにされている名演です。
    ブルーノート・サウンドとエソテリックSuper Audio CDハイブリッド・リマスタリング
    ブルーノートは「こだわりのレーベル」と言われ、ジャケット・デザインから収録された音まで、どれもが独特のものでした。ブルーノートのサウンドには目立った特徴があり、そこには創業者アルフレッド・ライオンの意向が大きく反映されていました。サウンドの嗜好を充分に認識したエンジニア、ルディ・ヴァン・ゲルダーが、カッティングの段階でライオン氏の希望に見合ったサウンドに仕上げていたのです。オリジナルLP盤に記されていたのは、まさにその音、アルフレッド・ライオンの目指したブルーノート・サウンドだったのです。しかし、エソテリックは、それ以上にHiFiなサウンドが残されているマスター・テープに着目しました。オーディオ的に、よりレンジの広いサウンドを目指し、マスター・テープそのままの、ミュージシャンが録音したありのままのサウンドを再現できないかと交渉を重ね、エソテリックが常日頃から行っている丁寧なマスタリング作業によってSuper Audio CD化いたしました。音質の向上はもとより、この6作品が本来備えた音楽的魅力も、違った角度から改めて浮き彫りにし、新たなる感動を約束するものに仕上げました。
    最高の状態でのSuper Audio CD ハイブリッド化が実現
    上記のようにブルーノートに残されたマスター・テープは、例えばステレオ音場にしても、楽器が左右に拡がり、一方のチャンネルからソロイストが登場することもあるような、初期のステレオ収録がなされている場合が多くあります。しかし、オリジナルLPがそこからコントールされた音場、音質を提供していた事実を鑑みながらも、ここは敢えてマスター・テープに忠実という方針を貫き、マスタリングを行いました。
    今回のSuper Audio CD ハイブリッド化に当たっては、これまでのエソテリック企画同様、使用するマスターの選定から、最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業が行われています。特にDSDマスタリングにあたっては、DAコンバーターとルビジウムクロックジェネレーターに、入念に調整されたエソテリック・ブランドの最高級機材を投入、また同社のMEXCEL ケーブルを惜しげもなく使用することで、貴重な音楽情報を余すところなくディスク化することができました。
    このSuper Audio CDハイブリッド・ソフトはエソテリックの独占販売で、主にオーディオ販売店にて販売されます。
    プロデューサーより
    巨人達が演奏した、オリジナルクオリティへの私のこだわり。
    エソテリックのデジタル技術とノウハウを駆使して復権させるに相応しい名録音を訪ね歩き、今回はジャズの名門<ブルーノート>レーベルの珠玉のテイクにやっとの思いで辿り着きました。こうして臨んだデジタルリマスタリングでは、マスター音源に温存された未だ知られざる天才の閃きを、期待通り無垢のまま再発見する僥倖に恵まれたのです。
    一番の収穫は、ジャズがジャズたるに欠かせないその名も<ブルーノート>と呼ばれるファクターの深淵にまで、深々と錘を垂すことができたこと!本来、平均律の半音階スケールと符合しえないし、クラシック音楽の純正な倍音系列にも乗らない、ブルースの血を引く物憂げな不協和音。そう、心に沁み入るあのブルーな響きこそ、ジャズの魅力です。エソテリックのマスターサウンドプロセスを通して、鮮度感溢れる音楽情報をストレートに出した時、ついに<ブルーノート>は本来の自然な素顔を披露してくれました。
    言葉に尽くし難い<ブルーノート>の魅力は、リスナー自ら心ゆくまで体験して頂くとして、自身についてもう一言添えるなら、この名盤復刻を通じて半世紀の時を跳び超え、直伝の使命を託されたように感じた私は、エソテリックレーベルを立ち上げたプロデューサーとして一段と高い音楽的完成度を目指し、徹頭徹尾細心のリマスタリングを心がけた事を、天上の巨人達に報告したい気持ちです。
    ジャズ全盛の50年代、シーンを塗り替える革命児を抜擢して、モダン・ジャズの地平を拓いたブルーノート。その果敢なチャレンジ精神を今、エソテリックレーベルはリスペクトとともに継承し、全てのジャズ愛好家とオーディオファイル諸氏の<ブルーノート>への尽きぬ愛着に、最高の感動で応えたいと思っております。
    - エソテリック株式会社 SACDプロデューサー 大間知 基
     
ソニー・ロリンズ Vol.2 SONNY ROLLINS
VOL. 2
ソニー・ロリンズ Vol. 2
[ESSB-90122]
ソニー・ロリンズの全盛期の演奏を、超豪華なスーパー・スターと共にたっぷりと味わえるのが、この『ソニー・ロリンズ Vol.2』です。注目された若手テナー・サックス奏者として50年代前半を駆け抜けたソニー・ロリンズは、突如、1954年、一時ニューヨークからシカゴへ移り、ジャズ・シーンから離れ、隠遁生活を送ります。薬物中毒の治療などがその目的でしたが、翌年の11月、シカゴを訪れたクリフォード・ブラウン=マックス・ローチ・グループのメンバーと遭遇、病を克服したロリンズは、彼らのグループとともに演奏活動を再開、ニューヨークへ舞い戻ります。それから再び引退を決意する59年まで、つまり20歳代後半が、彼にとっての最盛期と言える時期でした。
ニューヨークに戻ったロリンズは多くのレコーディングに参加し、そのどれもが不朽の名盤と言われてもおかしくない記録を残しました。56年の『サキソフォン・コロッサス』(プレスティッジ)を皮切りに、57年は『ウェイ・アウト・ウェスト』(コンテンポラリー)、本作『ソニー・ロリンズ Vol.2』、『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』(ブルーノート)など、どの演奏も素晴らしく、その豪放磊落なプレイ、太く力強い音色にファンは魅せられていきました。
ブルーノートの4作、すべてがこの最盛期の作品で、とくにベースとドラムスだけの伴奏によるトリオ演奏、『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』は彼の代表的な名盤とされていますが、当時のハードバップ・ジャズのエネルギーをそのまま体感することが出来る作品としては、この『ソニー・ロリンズ第2集』が最も象徴的な存在と言えるでしょう。スーパー・スターが一同に介したセッションで、ピアノだけを見ても、1曲の中で、セロニアス・モンクとホレス・シルヴァーが交互に出て弾くという、大変貴重な演奏も収録されています。ピアノの大物2人に加え、トロンボーンには第1人者カーティス・フラー、どのセッションにも引っ張りだこだった当代1のベーシスト、ポール・チェンバース、飛ぶ鳥を落とす勢いだったドラマー、アート・ブレイキー、まさにオールスターが一同に介した驚異的なセッションがここに展開されています。
ソニー・ロリンズとジャズ・ジャイアンツによるスーパー・セッション
「ブルーノート盤「ソニー・ロリンズ第2集」は、1950年代を通じての名盤のひとつである、と私は確信している。ソニー・ロリンズは無論のこと、共演者のすべてが実力をあますところなく出し切っているからである。そういうことはあまりなくて、たいていの場合は誰か一人や二人、気分の乗らぬメンバーがいて、全体の締まりをなくしてしまうものだ。ここでは全員がベスト・コンディションにあるばかりでなく、それが相乗作用をなして、一曲一曲を無上の名演に仕上げている感じである。」
(『油井正一・ライナーノーツ』)
「ブルーノート諸作中もっとも緊張度の高い内容を誇るもので、それはJ.J.(ジョンソン)の参加によるものでもあり、〈ミステリオーソ〉、〈リフレクションズ〉で共演するセロニアス・モンクによってもたらされたものでもある。いつになくロリンズのプレイが繊細なことも、緊張感を高める大きな要因となっており、その結果、持ち前である豪快なブローが一層の輝きを持って光っている。」
(『ジャズ名門レーベルのすべて』)
Super Audio CD ハイブリッドの音質
このディスクのリマスタリングにはモノーラル音源によるマスター・テープを使用しています。50年代のジャズの多くは2チャンネルで収録しているにも拘わらずモノーラルをオリジナルとしていました。クラシック音楽ほど、ステレオ音場を必要としないということも一つの要因かと思われますが、「ジャズの魅力はモノーラルにある」というくらいジャズの本質をいささかも損ねない収録音が記録されています。ここでもその再生音は素晴らしく、ブリリアントで豪快なソニー・ロリンズ全盛期の音色を堪能することが出来ます。
今回のSuper Audio CD ハイブリッドの音質は、新鮮で生々しく、ヴェールが数枚剥がされ、ソニー・ロリンズのサキソフォンは力感に富み、その他のプレイヤーによる楽器の音どれもが明瞭。セロニアス・モンクとホレス・シルヴァーが1曲中交互に弾くピアノのタッチ、音色の違いも十二分に把握することが出来るようなリマスタリングが施されています。

-収録曲-
ホワイ・ドント・アイ
ウェイル・マーチ
ミステリオーソ
リフレクションズ
ユー・ステップト・アウト・オブ・ドリーム
プア・バタフライ

ソニー・ロリンズ(ts)、J.J.ジョンソン(tb)、セロニアス・モンク(p)、ホレス・シルヴァー(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・ブレイキー(ds)
[録音]
1957年4月14日
[オリジナル・レコーディング]
[プロデューサー]
アルフレッド・ライオン
[レコーディング・エンジニア]
ルディ・ヴァン・ゲルダー
[SACDプロデューサー]
大間知基彰(エソテリック株式会社)
[SACDリマスタリング・エンジニア]
杉本一家(ビクタークリエイティブメディア株式会社 マスタリングセンター)
[SACDオーサリング]
藤田厚夫(有限会社エフ)
[解説]
野沢龍介 油井正一
[企画/販売]
エソテリック株式会社
[企画/協力]
東京電化株式会社


ジョン・コルトレーン/ブルー・トレイン JOHN COLTRANE
BLUE TRAIN
ジョン・コルトレーン/ブルー・トレイン
[ESSB-90123]

ジョン・コルトレーン唯一のブルーノート録音です。1955年、30歳を間近にしていた遅咲きのコルトレーンは、突如マイルス・デイヴィスのグループへ迎えられました。そこで計り知れないほど多くの経験をして、彼は大きな成長を遂げます。不器用なテナーと言われた時期を克服し、57年夏からはセロニアス・モンクのグループに参加、さらに成長を遂げていた頃、このレコーディングが行われました。この後、再度マイルス・デイヴィスと共演をして、彼は調性からの離脱、モダニズムの追求へと急進、60年代に入ると、その前衛的手法はさらに進化を遂げ、燃え尽きるように67年に逝去してしまいます。
50年代後半のコルトレーンは、『ソウル・トレーン』(プレスティッジ)、『ジャイアント・ステップス』(アトランティック)という名盤を発表しますが、そうしたコルトレーンが自身の力を確信し、地に足をつけた演奏をしはじめた57年に、この作品は収録されました。毎週ジャズ・クラブでセッションを繰り返していたメンバーを中心にしたここでの演奏は、気心の知れた仲間同士の息のあった展開が楽しめます。
驚異の一言に尽きるコルトレーンのプレイ
「57年といえばコルトレーンがもっとも精力的な活躍をみせた時期のひとつで、大きく飛躍した年でもある。このアルバムでコルトレーンはスケールの大きい堂々たる演奏をみせる。トーンも逞しくなり、確信に満ちたプレイを行っている。」
(『ジャズ・レコード百科73』)
「57年はコルトレーンが音楽的に大きな転機に立ち、一大飛躍を遂げた記念すべき年。プレスティッジとの契約上、ブルーノートとは1枚だけのリーダー作だったが、気の合った仲間との吹き込みのためか、より陥りがちな荒っぽいブロー・セッションの欠点などまったくなく、各人が自由なアドリブを展開しながらも、調和のとれたリラックスしたものとなっている。それにしてもコルトレーンのプレイは驚異の一言に尽きる。特に〈ブルー・トレイン〉での8コーラスのソロを聴いてほしい。力強く、伸びやかで、澄んだ音色、次から次に繰り出される独創的なフレーズ、ピーンと糸のはったような緊張感が伝わってくる。」
(『ジャズ・ジャイアンツ、これが決定盤』)
Super Audio CD ハイブリッドの音質
今回のSuper Audio CDハイブリッド盤ではステレオ・マスターを使用、左右いっぱいに拡がった音場のどこにも隙間がないほど、音が随所に埋まっています。管楽器の音像が多少薄く感じられるという指摘が以前にはありましたが、本ディスクではそうした懸念が一掃されています。輪郭はそれほど強調されないにも拘わらず音像定位は明瞭になり、ソロ楽器の音像も十二分に肉付き豊かで高密度。ややくすんでいた全体のサウンドは、そのモヤモヤが解消し、ライヴスポットの最前列に移動したようなリファインされた音になっています。コルトレーンのサックスはマウスピースの口つきまでもが分かるようにリアル。リー・モーガンのトランペットも生き生きとしていて、鮮度抜群! エコーと実音の分離が明瞭なため、楽器の音色、動作が聴きとりやすく、眼前で演奏してくれているような快感に浸ることが出来ます。演奏しているミュージシャンに触れることができるような錯覚、これはCD時代に入ってから、あまり感じなかったことでしょう。トラック4では、コルトレーンの絶妙なバラード・プレイに心から浸ることの出来る音に生まれ変わっています。

-収録曲-
ブルー・トレイン
モーメンツ・ノーティス
ロコモーション
アイム・オールド・ファッションド
レイジー・バード

ジョン・コルトレーン(ts)、リー・モーガン(tp)、カーティス・フラー(tb)、ケニー・ドリュー(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)
[録音]
1957年9月15日
[オリジナル・レコーディング]
[プロデューサー]
アルフレッド・ライオン
[レコーディング・エンジニア]
ルディ・ヴァン・ゲルダー
[SACDプロデューサー]
大間知基彰(エソテリック株式会社)
[SACDリマスタリング・エンジニア]
杉本一家(ビクタークリエイティブメディア株式会社 マスタリングセンター)
[SACDオーサリング]
藤田厚夫(有限会社エフ)
[解説]
野沢龍介 大和 明
[企画/販売]
エソテリック株式会社
[企画/協力]
東京電化株式会社


ソニー・クラーク/クール・ストラッティン SONNY CLARK
COOL STRUTTIN'
ソニー・クラーク/クール・ストラッティン
[ESSB-90124]

1960-70年代前半、日本のジャズ喫茶で人気ナンバー・ワンだったレコードです。新宿、渋谷を中心に多くのジャズ喫茶があった60年代、高価だったレコードを聴く手段としてクラシック喫茶、ジャズ喫茶は音楽ファンの必須アイテムとされていました。そこで口コミ的に人気となったのがこの『クール・ストラッティン』です。後述の『モーニン』などで日本にもファンキー・ブーム、ジャズ・ブームが起きてはいましたが、ジャズ喫茶はそれとは別に独自の文化を育み、それぞれのお店が自慢の再生装置で勝負をしていました。そこで高い評価を得ていたのが本作です。
ところが本国アメリカではあまり有名なディスクではありませんでした。ハードバップ・ジャズの美点が抽出されたような、そしてブルーノートの魅力が一杯に詰まったこの『クール・ストラッティン』はジャズ喫茶文化が生んだ日本独自の名盤だったのです。
『クール・ストラッティン』同様、ソニー・クラーク自身もあまり本国では名の知れたアーティストとは言えませんでした。薬物中毒のため、クラブでのセッションを頻繁に行えなかったのが、主な理由ですが、ブルーノートではオーナーのお気に入りピアニストとして、レコーディング・セッションに呼ばれ、名演奏を残しています。他にもピアノ・トリオ演奏などがありますが、管楽器を含め、彼のバッキング・サポートの妙も味わえる本作は、ソニー・クラークの代表作にも加えられる1枚なのです。
ジャズの代名詞のような名盤
「最初から最後まで、ジャズに痺れる感覚に満ちており、これを聴くことによってある種のノスタルジーにひたる人も多いに違いあるまい。すなわち“モダン・ジャズのよき時代”を代表する1枚なのである。しかし、それだけではなく、数多くいるバド・パウエルとオスカー・ピーターソンとの中間的ピアニストの内で、もっとも中心的な人物としてのクラーク、ジャズのフィーリングを豊にもったピアニストであるクラークの唄うが如き魅力を十二分に味わえる作品でもあるのだ。」
(『ジャズ・レコード百科79』)
「ブルーノートを代表するハード・バップの人気盤。適度にブルージーなタッチをもち、シングル・トーンでよく歌うクラークのピアノは、本国アメリカよりもむしろ日本のジャズ・ファンの間で高く評価されていた。シンプルなブルースであるタイトル曲や〈ブルー・マイナー〉といったオリジナルにも、クラークのカラーがよく出ている。ファーマー、マクリーンもクラークのコンセプトによく溶け込んで、ベストと呼べるプレイを展開。アルバム全体から発散されるブルーな香りが、たまらなく良い雰囲気を醸し出している」
(『ゴールド・ディスク事典』)
Super Audio CD ハイブリッドの音質
元来、好録音で定評のあったタイトルが更にリファインされ、クオリティーの向上を感じていただけることでしょう。ルディ・ヴァン・ゲルダーが自らCD用にリマスターを施したRVGシリーズとは異なり、オーディオ的な側面からより鮮度の高い仕上がりを追求しました。広い音場の中で、中央に定位したピアノのなんという清々しさ! スピーカー右方向のベースとドラムスはレンジも確保され、実に生々しくナチュラルにピアノをサポートし、左方向のアート・ファーマーのトランペット、ジャッキー・マクリーンのアルト・サックス、ともに音色の特徴が見事に現れ、全体の見通しもクリアに。「これぞハイファイ!」といったサウンドに生まれ変わっています。

-収録曲-
クール・ストラッティン
ブルー・マイナー
シッピン・アット・ザ・ベルズ
ディープ・ナイト

アート・ファーマー(tp)、ジャッキー・マクリーン(as)、ソニー・クラーク(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)
[録音]
1958年1月5日
[オリジナル・レコーディング]
[プロデューサー]
アルフレッド・ライオン
[レコーディング・エンジニア]
ルディ・ヴァン・ゲルダー
[SACDプロデューサー]
大間知基彰(エソテリック株式会社)
[SACDリマスタリング・エンジニア]
杉本一家(ビクタークリエイティブメディア株式会社 マスタリングセンター)
[SACDオーサリング]
藤田厚夫(有限会社エフ)
[解説]
野沢龍介 油井正一
[企画/販売]
エソテリック株式会社
[企画/協力]
東京電化株式会社

キャノンボール・アダレイ&マイルス・デイヴィス/サムシン・エルス CANNONBALL ADDERLEY
SOMETHIN' ELSE
キャノンボール・アダレイ&マイルス・デイヴィス/サムシン・エルス
[ESSB-90125]

アルト・サックス奏者キャノンボール・アダレイのリーダー作ですが、ほとんどの人がマイルス・デイヴィスこそ主役の1枚と考えているほどに、マイルスのトランペットが印象的な作品です。50年代のブルーノート名盤がひしめくレコード番号1500番シリーズ、その第1回目のリーダーがマイルス・デイヴィス。そうした関係もあり、アルフレッド・ライオンはもう一度マイルスのレコードを作りたいと願っていました。ところが彼は大手CBSと契約の身。思案したライオン氏はマイルスのグループの一員だったキャノンボール・アダレイに白羽の矢を立てました。彼をリーダーにして、マイルスをゲストに呼ぶ。冒頭の〈枯葉〉からマイルスは全開、最高のプレイを披露します。しかしキャノンボールも負けてはいません。得意のバラードで彼の本領を発揮し、ここに不朽の名盤が誕生したのです。
ちなみにここで採り上げられた〈枯葉〉は、シャンソンの曲ということはよく知られていますが、マイルスのこのミュート・プレイ以前、あまりジャズでは演奏されませんでした。この演奏がきっかけとなり、ビル・エヴァンスなど多くのミュージシャンが採り上げるようになりました。なお余談ですが、マスター・テープの箱に“マイルス・クインテット”とクレジットしてしまったところに、この作品に対するアルフレッド・ライオンの心情が移しだされている、とも言えるでしょう。
マイルスのミュートによる絶妙な表現が素晴らしい
「ブルーノートを代表する1枚であるばかりでなく、ハード・バップの名作としても知られる永遠ベスト・セラー。作品の魅力を一身に背負っているのはマイルスだ。〈枯葉〉における彼の絶妙な表現には恐れいる。もちろんキャノンボールも、軽妙なタッチのハンク・ジョーンズも素晴らしい。」
(『ゴールド・ディスク事典』)
「ジャズ・ファンなら誰でもが知っている超人気盤。キャノンボール名義のリーダー作だが、実質上のリーダーはマイルス、というアルバム紹介のフレーズがあるが、たしかにその通りでマイルスのミュート・プレイが冴える〈枯葉〉がハイライトだし、当時の力関係からしてマイルスが主導権を握っていただろうことは当然だが、だからといって断じてキャノンボールはサシミのツマなんかではない。キャノンボールは〈ダンシング・イン・ザ・ダーク〉で持ち味を発揮したソウルフルなソロを聴かせる。」
(『完全新版モダン・ジャズ名盤500』)
Super Audio CD ハイブリッドの音質
現在でも通用するジャズ・サウンドを提供していた本作ですが、Super Audio CDハイブリッド盤を聴くとさらなる音質の向上が得られ、硬質なトランペットのミュート演奏を存分に楽しめるサウンドに生まれ変わっています。マイルス・デイヴィスの顔が見えてくるようです。作品自体ではキャノンボール・アダレイも素晴らしい演奏を展開していますが、音質的にはどうしてもマイルスに耳が行ってしまいます。冒頭〈枯葉〉のミュートはもちろん、トラック4のブルースでも、ミュートを外したトランペット本来の音色に心が奪われてしまいます。ピアノは特有の限られた帯域ですが、不自然さはそれほどなく、ベース、ドラムスもレンジ感豊かで、バッキングとしては文句のないサウンドを提供してくれます。

-収録曲-
枯葉
ラヴ・フォー・セイル
サムシン・エルス
ワン・フォー・ダディ・オー
ダンシング・イン・ザ・ダーク

マイルス・デイヴィス(tp)、キャノンボール・アダレイ(as)、ハンク・ジョーンズ(p)、サム・ジョーンズ(b)、アート・ブレイキー(ds)
[録音]
1958年3月9日
[オリジナル・レコーディング]
[プロデューサー]
アルフレッド・ライオン
[レコーディング・エンジニア]
ルディ・ヴァン・ゲルダー
[SACDプロデューサー]
大間知基彰(エソテリック株式会社)
[SACDリマスタリング・エンジニア]
杉本一家(ビクタークリエイティブメディア株式会社 マスタリングセンター)
[SACDオーサリング]
藤田厚夫(有限会社エフ)
[解説]
野沢龍介 油井正一
[企画/販売]
エソテリック株式会社
[企画/協力]
東京電化株式会社


アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ/モーニン ART BLAKEY AND THE JAZZ MESSENGERS
MOANIN'
アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ/モーニン
[ESSB-90126]

アート・ブレイキーとブルーノートは深いつながりがあります。ビ・バップという革命がジャズに起きてから約10年、東海岸のジャズはよりホットに激しさを増し、1954年2月クリフォード・ブラウン、ホレス・シルヴァーといった若手の精鋭が加わったブレイキーのグループが、火の出るような熱演を、ジャズ・クラブ“バードランド”で繰り広げました。そのライヴを記録した『バードランドの夜』(ブルーノート)はハードバップ・ジャズ誕生の記録としても大切なものとなり、ブレイキー自身、翌年にはジャズ・メッセンジャーズを結成、さらに熱気を帯びた演奏を繰り広げるようになりました。しかし後にホレス・シルヴァーが脱退するなどして、グループは低迷をしはじめます。そしてブレイキーは58年、若手を登用した思い切った作戦に出て、再びブルーノートの門を叩き、この『モーニン』を録音したのです。
“そば屋の出前持ちも口ずさむ”という伝説が出来たほど、日本を含め、世界中に流行をもたらしたファンキー・ジャズの代表曲〈モーニン〉。ただし、日本で有名になった〈モーニン〉はこのブルーノート盤ではありませんでした。本作レコーディング後、パリに行ったジャズ・メッセンジャーズのライヴ盤(RCA)がいち早く日本でも流行したのです。しかしオリジナルはこのブルーノート盤。グループの熱気はパリのクラブ“サンジェルマン”のライヴに勝るとも劣らない内容です。〈モーニン〉以外にも、ハード・バップの名曲がひしめき、50年代後半のパワーがここに集結しています。
日本中に大ブームを巻き起こした〈モーニン〉
「新生メッセンジャーズによるスタジオ録音で〈モーニン〉、〈ブルース・マーチ〉をはじめとする、当時の代表的なレパートリーが並べられている。創設以来、ふたたびピークを迎えるジャズ・メッセンジャーズの魅力のすべてがここに収められている。」
(『モダン・ジャズ名盤500』)
「〈モーニン〉は、アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズの代名詞ともいえる当たり曲で、日本にジャズ・ブームのきっかけをつくったのもこの曲である。ゴスペル・ムードを巧みにとり入れたファンキー・バップの演奏は、非常に親しみやすく、それでいて深いブルース的情感を含み、当時のジャズ・ファンを熱狂させたのである。」
(『ジャズ・レコード百科79』)
Super Audio CD ハイブリッドの音質
ブルーノートを象徴するような高音質として定評のあったディスクですが、今回のSuper Audio CDハイブリッド盤では、多少感じられた中高域のアクセントが取り除かれ、ごくナチュラルに演奏が展開されています。ピアノはより自然な音色となり、ベースは一点の曇りもなく、ドラムスは明瞭、ベニー・ゴルソンのサックスもくっきりすっきりし、目の前で演奏してくれているような快感が得られることでしょう。左端から出るリー・モーガンのトランペットは生々しく、筆舌に尽くしがたいリアリティーでリスナーに迫ります。

-収録曲-
モーニン
アー・ユー・リアル
アロング・ケイム・ベティ
ドラム・サンダー組曲
ブルース・マーチ
カム・レイン・オア・カム・シャイン

リー・モーガン(tp)、ベニー・ゴルソン(ts)、ボビー・ティモンズ(p)、ジミー・メリット(b)、アート・ブレイキー(ds)
[録音]
1958年10月30日
[オリジナル・レコーディング]
[プロデューサー]
アルフレッド・ライオン
[レコーディング・エンジニア]
ルディ・ヴァン・ゲルダー
[SACDプロデューサー]
大間知基彰(エソテリック株式会社)
[SACDリマスタリング・エンジニア]
杉本一家(ビクタークリエイティブメディア株式会社 マスタリングセンター)
[SACDオーサリング]
藤田厚夫(有限会社エフ)
[解説]
野沢龍介 油井正一
[企画/販売]
エソテリック株式会社
[企画/協力]
東京電化株式会社

ハービー・ハンコック/処女航海 HERBIE HANCOCK
MAIDEN VOYAGE
ハービー・ハンコック/処女航海
[ESSB-90127]

60年代に入るとジャズはまた様変わりしてしまいます。ニューヨークを席巻していたハード・バップは依然としてその勢力を伸ばしていましたが、更にそれを凌駕する新しいイディオムによるジャズが台頭しはじめたのです。モード手法という手段による演奏が、マイルス・デイヴィスやアレンジャーのギル・エヴァンスによって試みられ、それが次第に主流になっていきます。一言でいうと、今までの調性や和音の流れ、いわゆるコード進行に自由度を削がれていた即興演奏をより解放したものにしよう、あるいは、調性にとらわれない無調状況を創造し、モダンな響きを取り入れたい、音楽から制約を極力解放しようとするモダニズム的意識が進歩的ミュージシャンの間に芽生えはじめたのです。そしてルネサンス期の教会旋法を手本としたモード手法が採用されるようになります。マイルス・デイヴィスやジョン・コルトレーンはそのモード手法を採りはじめ、オーネット・コールマンはさらに急進的なフリー・ジャズを志向します。そうした状況の中、当事者的存在であったマイルスは自己のグループを解散、メンバーを一新して、60年代の新しいジャズを目指します。そこで登用されたのが、このディスクでリズム・セクションを担当している3人でした。50年代のジャズよりは、タイトでスリム、スピード感あふれたバッキングを求め、マイルスはまだ名の知れていない新人によるグループを結成したのです。その中心的な存在だったのがピアニスト、ハービー・ハンコックでした。11歳でシカゴ交響楽団と共演した天才は、マイルスに新しい音楽的刺激を与えるリズム・セクションの中核となり、60年代のジャズを牽引していきました。
こうした流れを見てもブルーノートの特徴がよく分かるかと思います。50年代にしても、この60年代にしても、ブルーノートは決して超一流のミュージシャンだけを登用していた訳ではありません。どちらかというと、新人、名の知れない実力者に門戸を開け、積極的にレコーディングを行っていたのです。そして、当時は新人であった、そうした人の名演が記録され、後に彼らはスーパー・スターに成長していったのです。他人の風評に左右されず、自分が認めた人のレコードを納得できる内容でリリースをする、この姿勢を崩すことはなかったのです。
ハービー・ハンコックはこの『処女航海』がブルーノート第5作ですが、このあたりからようやく大物として認められはじめた存在でした。ロン・カーター、トニー・ウィリアムスによるリズム・セクションは、50年代とは一線を画したモダンなサウンドに徹しています。ここには60年代になっても意欲的なブルーノートの息吹が新鮮に宿っています。
これぞ60年代のメイン・ストリーム・ジャズ
「当時のマイルス・クインテットと同じ編成。全編ハービー・ハンコックのオリジナル曲であり、素材(曲)と調理(即興)の絶妙なバランスは見事。曲が粒ぞろいで、作編曲者としてのハービーを目一杯堪能できる作品だ。」
(『モダン・ジャズ名盤500』)
「フレディ・ハバード以外は当時のマイルス・グループによる演奏。当時のブルーノートが強く打ち出していた“60年代メインストリーム”を象徴するようなサウンドを耳にすることができる。いずれも海をモチーフとして作られたオリジナルだが、モーダルな〈処女航海〉は数多いハービーのオリジナル中1,2を争う傑作。」
(『ジャズ・ジャイアンツ、これが決定盤』)
Super Audio CD ハイブリッドの音質
60年代に入ると、その音楽に合わせているのか、ブルーノートの収録音にも多少変化があり、ミュージシャンの出す音を真正面から受け止める、というよりは全体のサウンドを大きく把握するような捉え方になってきます。このディスクにもそういった傾向は現れています。そうした状況ですが、本盤のサウンドは一味違い、現在はスーパー・スターとなっているミュージシャン各人の細かな技巧までもがはっきりと把握できるような音を追及しています。ハービー・ハンコックの鋭利なピアノのタッチも心地よく、ドラムスも切れ味が一層増しています。左右に分かれた2つの管楽器が織りなすハーモニーが巧みに捉えられていて、50年代のジャズとは違ったイメージが明確に伝わってくる収録を間近に堪能することができます。

-収録曲-
処女航海
ジ・アイ・オブ・ハリケーン
リトル・ワン
サヴァイヴァル・オブ・ザ・フィッテスト
ドルフィン・ダンス

フレディ・ハバード(tp)、ジョージ・コールマン(ts)、ハービー・ハンコック(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(ds)
[録音]
1965年3月17日
[オリジナル・レコーディング]
[プロデューサー]
アルフレッド・ライオン
[レコーディング・エンジニア]
ルディ・ヴァン・ゲルダー
[SACDプロデューサー]
大間知基彰(エソテリック株式会社)
[SACDリマスタリング・エンジニア]
杉本一家(ビクタークリエイティブメディア株式会社 マスタリングセンター)
[SACDオーサリング]
藤田厚夫(有限会社エフ)
[解説]
野沢龍介 悠 雅彦
[企画/販売]
エソテリック株式会社
[企画/協力]
東京電化株式会社

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