多少でも評論と名前の付くものは単純な紹介ではなく独自の好みや意見を出してこその評論ではないか。端的な例として「テラシマ曲」というのを私が示したとしよう。これほど分かりやすい「評論」はないだろう。嫌いな人は嫌いだし好きな人は好きだ。評論が一拠に分かり易くなるのである。この言葉どうも昔から好きになれなかった。妙な、ありもしない意味合いを含んでいてかしこまった気持ちにさせられてしまう。さて、「テラシマ曲」であるがこれの集合体が毎年12月に発売される『JAZZ BAR』シリーズである。ことしも飛びきり上等のテラシマ曲を集めての発売となる。そして、ここに早くも来年の収録予定曲が出てきてしまったのだから、やれ、嬉しじゃないか。それが(1)の「Seawas Koal」という一曲。このトリオのベーシストの好旋律オリジナル「Accelerando」や有名な「ネイチャー・ボーイ」のナイス・アレンジ、そして同曲の「Cジャム・ブルース」で始まるスリリングなソロの進行を聴かされると買ってよかったな、の思いがひしひし。ピアノの弾き方はオーソドックスが光る弾き方だ。1974吹込みのウルグアイ産ピアノ・トリオ(2)で「Alfonsina El Mar」なるテラシマ曲を発見、ゆえにがぜん本ページの推薦曲となった。「サマー・タイム」やエリントンの「スウィングしなけりゃ」がウルグアイ風味のラテン調で演奏されており、どこぞの一風変わったジャズはないかと探すうの目鷹の目ファンに推薦したい。変り種と言ってもプレイのツボはしっかりと押さえているので単なるゲテ物とは違う。曲目をざっと見渡しこれだと見当をつけトレイに収め曲が始まるやいなややったと心の中で叫ぶ。テラシマ曲発見の瞬間である。それが(3)の「リトル・ミス・ローリー」やはりいい曲は曲名もいい。曲名にすでに才能がある。一曲目の「フットプリンツ」でもないのに「フットプリンツ」の出だしで始まる「ドント・ギヴ・アップ」には一瞬がっかりしたがこの「リトル・ミス・ローリー」で救われた。
(1)ROBERT SCHONHERR / SATURDAY FEELING (JIVE JUSIC / JM2051 \2,405-税込)
(2)JULIO FRADE / MUSICA EN SERIO (SONDOR / JF01 / \1,990-税込)
(3)HENRY FRANKLIN / SUMMER SERENADE (BEEZWAX / BW3274A / \2,300-税込) |