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2008/01/18
寺島靖国の赤道直下 2008.JAN


私がこのページで推めるものはすべて歌の心を持った人たちが演奏するジャズである。ピアノ・トリオをメインに聴くがヨーロッパやアメリカ産のCDではどうしてもそういうものが少ない。私小説的な心象風景を画いたり、新機軸を求めたりして成功に至らず空中分解するものが大部分だ。まず人の心に通ずる歌をうたう。ピアニストなどミュージシャンはそこから音楽を出発させて欲しい。作曲したら自分で歌ってみる。文章を音読するのと同じである。この人は自ら歌っているかどうか。聴き手は最初にそこのところに注目してみるのも一つの手である。自衛手段というか。(1)のKURT RIBAK TRIO。WITH A SONG IN THERE HEARTだ。ベース・リーダーだけにあっけにとられるほどスイングしながらきっちりと歌の心を忘れていない。あれもこれも旋律にすぐれた良曲ばかりでKURT RIBAK TRIOなんでもいいから聴きたくてたまらない。なぜか2003年、2005年吹込みが今頃出版されているがまだありそうだ。加州のバークレーまで確かめに行きたくなった。(2)のオムニバスも歌の心に溢れている。歌い方が若干ずれていてそこが完全に気持ちいい。ピアノに限らずなんでもずれて気持ちいいのがジャズでは最高なのである。マクリーンとか。前作に比べずいぶん聴き易い。真正直すぎない。ずれ過ぎない。その中間の塩梅がむずかしいのがジャズだが成功すればほれこの通りのオムニバス。気分のいい傾斜感が最高だ。少しまともだが(3)のアレックス・リール。「アイダホ」ばかり聴いている。アレックス・リールのドラム・ソロが長い。嫌ではない。昨今すっかり影をひそめた形のドラム・ソロだがたまにはこのように派手にいって悪くない。しかし「アイダホ」がこんなにいい曲だったとは。ドラム・ソロと合うのが「アイダホ」という曲想だ。『エストニア・ウィンド』のトヌー・ナイソージョー・ギルマンのスティービー・ワンダー集VOL.2、1月発売のルティーン・ジャズ・クインテットが各々よかった。

(1)KURT RIBAK / MORE / RODIA RECORDS / 2047 / \2,090-税込)
(2)エルンスト・グレールム / オムニバス・トゥ / DISK UNION JAZZ / DUJ020 / \2,500-税込)
(3)ALEX RIEL / HIGH AND THE MIGHTY / COWBELL MUSICC / 35 / \2,090-税込)


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