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2008/04/21
寺島靖国の赤道直下 2008.APR


(1)のマイルス・ブラック。なんたって名前がいいやね。ジャズメンにこれ以上の名が望めるか。これに比べればマイルス・デイヴィスなぞ平凡なものよ。マイルス・ブラック、非凡なピアノを弾く。内にこもるタイプだ。冬眠中の小動物を想像させる。その呼吸はひっそりと大きい。多用するのはシングル・トーンだ。タイトル曲やバーンスタインの「サムウエア」といったスローがいい。単音でゆっくりとまくし立てる。そんな風情がいい。「ムーングロー」の古風に聴こえる弾き方が新しい。いや、マイルス・ブラックに古いも新しいもない。そこがいい。新しいか古いかなんて弾き方、疲れて仕方ないものだ。音楽そのものに没頭する。それが一番嬉しい弾き方だ。マイルス・ブラックは音楽そのものに没入させてくれるのだ。録音の音は小さく、いささかいじけている。そこがまた、音楽と合っているんだな。ブルーと黒のジャケットもいいじゃないか。(2)Mike Melvoin Trio。いろいろ考えたが出てこない。味わい深いとしか言いようがない。それでいいじゃないか。昨今の稀有な要素だ。王道派にお薦め。スタンダードと自作の散らし方がうまい。M-4の自作ブルースが最高。人生経験を重ねる。それによってしか得られないジャズ演奏というのがありそうだ。味わい深さはそこから出るのか。ふとそれを考えた。(3)の木のジャケット。この手の作品は折れ曲がった木のごとく、屈折したものが多い。避けていたが薦められるままに購入してみると、これがいい。冷んやりとあたたかい。タイトル曲の「NORR」が気に入った。今どき屈折のないジャズならラテン系だ。(4)の『La Luna Negra』。ミシェル・カミロの「オン・ファイア」もなつかしいが『La Luna Negra』は先のMike Melvoinの作品と知って世間は狭いな、と。10数枚購入した中から4枚選んだ。あとBeegie Adairの『Dream Dancing』も普通のよさが光った。

(1)MILES BLACK / SOME ENCHANTED EVENING (CELLAR LIVE / CL80307 / \2,195-税込)
(2)MIKE MELVOIN / YOU KNOW (CITY LIGHT / 607325001127 / \2,405-税込)
(3)TINGVALL TRIO / NORR (SKIP RECORDS / SKP90772 / \2,195-税込)
(4)JOE CARTWRIGHT / LA LUNA NEGRA (MUSIC LAFAYE / LMCD 1229 / \2,195-税込)
(5)BEEGIE ADAIR / DREAM DANCING (GREEN HILL MUSIC / GHD5227 / \2,510-税込)


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