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2008/05/20
寺島靖国の赤道直下 2008.MAY


せっかくトロンボーンという楽器をはじめたのでその魅力をおすそ分けしたい。私一人でこんなに幸せにひたっていては申し訳ないという気分だ。これまではトローンボーンというと主としてスタイルで聴いてきた。だからJ・J・ジョンソンとC・フラーぐらいしか浮上しなかった。音色で聴いてごらん。まったく新しい別の道が開けるから。アービー・グリーンが浮かび上がってくる。目の前に大きく佇立する。音色で聴かなければ彼の魅力は分からないのだ。音で聴かれなかったから彼は人気下位の方で甘んじていたのだ。もうこれで上位間違いなしという何枚かがほとんど一挙に発売された。時ならぬアービー・グリーン・ブームである。大ファンの私としてはただただもうひたすらに嬉しいのである。ベストは(1)。オリジナルはたしかコマンドだ。Persuasiveシリーズの2枚が入っていてグリーンとしては比較的珍しい。全24曲、どれをとっても美女のすべすべの肌をなでるような美音が満面の笑みを浮かべている。しかしやるせない音も彼の得意技で「ラブ・レターズ」のようなやるせない曲で彼のやるせなさはもう最高。この音色(ネイロと読んでくれ)が分かってあなたのジャズ・ファン度は一歩前進だ。恐いのはC・フラーやB・グリーンなどのガラガラ声が聴きたくなってしまうこと。(2)『Blues and Other Shade of Green』はABCとバンガードの2本が一本化されたもの。(1)と違ってコンボの編成でジャズっぽいがジャズぽくない(1)の方がアービー・グリーンらしくていいというのが私の意見だ。主としてバラードを拾って聴く。すると(1)の味わいがやっぱりあるんだな。美音強いんだから凄いんだ。弱々しい美音ではないのだ。100の力を10にふり絞って吹くから凄いのだ。90のガサツな音を捨てて10だけ抽出したこの美音を聴いてくれ。

(1)URBIE GREEN BIG BAND & SEXTET / THE COMPLETE PERSUASIVE TROMBONE (LONEHILL JAZZ / LHJ10308 / \2,195-税込)
(2)URBIE GREEN / BLUES & OTHER SHADE OF GREEN (JAZZ BEAT / 504/ \2,300-税込)
(3)URBIE GREEN BIG BAND / COMPLETE 1956-1959 RECORDINGS (LONEHILL JAZZ / LHJ1030 9/(2CD) \3,140円-税込)


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