『
JAZZ BAR 2008』が発売になった。SJ誌の評価を見ると非常に低い点がついている、ああこの筆者ならしょうがないなと思った。真面目なだけが取り柄でコルトレーンの再発物なんかが出ると最高点を付ける人である。少しは時代というものを考えてもらわなければ困る。リスナーのことも考慮に入れてもらいたい。オムニバス盤が時代に受け入れられているのだ。昔と違ってマイルスだのコルトレーンだののミュージシャン単位で聴く人が減少している。変わって曲とか乗りで聴く人が増えている。だからこそ、そういう時代に目を向けてオムニバスを一段下に見る従来のジャズ観を改めてゆく必要がある。評論家は時代の先端をゆかなければいけない存在だろう。リスナーを引っ張ってゆく役割を担っているのだ。頼みますよ、本当に。『JAZZ BAR 2008』。今年が最高です。新しいというだけで最高です。今これを書きながら聴いているが曲は4曲にさしかかって
ミーシャ・ピアティゴルスキ。自作の「ジ・アラビック・サング」が美曲ながら血涌き肉踊る演奏の展開でいやぁいいなぁ、たまらないなぁ。一人ではしゃいでいる午前2時50分である。乗りと曲でジャズを聴けるいい時代になってきた。
(1)のクィンテット、1曲目「HOT ROD」重箱の隅的ピアノ・トリオの後などに聴くと乗りと曲の潔さにここまでジャズはさばけていいのか。聴き手の私が反省してしまうのである。まだ古いんだなぁ、俺。どうやらクラブとかそっちのほうの人たちの好みそうな曲だが、乗りの良さを愛するのは彼らだけじゃない。もともとジャズ・ファンの特権的占有物だったのだ。ジャズが「偉く」なっていつの間にか持っていかれてしまっただけの話。また取り返そうじゃないか。古い楽器バンジョーなんかも取り返していい。
(2)の女性バンジョー奏者。「黒い瞳」や「エル・チョクロ」「ハーフ・アズ・マッチ」など曲一発乗り一発の演奏。難解さ一切なし。それでいて後を引く。深いのだ。バンジョー恐るべし。
ドナルド・ベガの初CD(3)。チャーリー・ヘイデンの良曲「OUR SPANISH LOVE SONG」をやる人と知れば後は察しがつく。旋律を大事にする人だ。まかせていい。
(1)FIVE CORNERS QUINTET / HOT CORNER (RICKI-TICK / RTCD09 / 2,405円-税込)
(2)シンシア・セイヤー (ガッツプロダクション / GFVS016 / 2,300円-税込)
(3)DONALD VEGA / TOMORROWS (IMAGERY / 63447960934 / 2,615円-税込)
(4)V.A.(JAZZ BAR) / JAZZ BAR 2008 (寺島レコード / TYR1010 / 2,940円-税込)
(5)V.A.(JAZZ BAR) / JAZZ BAR 2008<<初回プレス限定生産アナログ盤>> (寺島レコード / TYLP1010 / 5,250円-税込)