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 2009/01/19 寺島靖国の赤道直下 2009.NOV

ジャズの「大作」に目をそむけ、ひたすら小じんまりした作品を愛してきた。オレという人間が小さくできているんだからぴったりの関係じゃないかと分かって笑ってしまった。今月も「小体」な作品でゆく。小体をこたいと読んで何度こていだよと言っても分からない男が私の友人にいるがそれはともかく(1)のロニー・リン・パターソン。これが俺好みの絶好のピアノ・トリオで紹介するのが惜しいくらい。『JAZZ BAR』行きは間違いないがオリジナルがすべてよく「マンダラ」というキースの作品が旋律的にとりとめがなくて一番つまらない。小さいサイズでメロディアスにまとまった本人のオリジナルにただもううっとりといった塩梅式。小柄に静かに生きてます式のピアノを弾くパターソン、打力とかタッチではなく、旋律力で男を上げている。(2)のウィルトン・ゲイナーは以前テンポ盤の「ウィルトンズ・ムード」でしびれた。しびれっ放しで、今月テラシマ・レコードから発売される高橋康廣カルテットで高橋さんにこの曲を吹いてもらった。ウィルトンとは一味違う紫色のムードでこれは選曲的に大成功。今回の『アフリカ・コーリング』、一曲目の「キングストン・バイパス」が「ウィルトンズ・ムード」的ムードでこれ一曲聴けばゲイナーというひとが分かる。「セント・トーマス」を聴くとロリンズが分かるのと一緒だ。キングストン生まれでやはり生まれは争えない。土地柄の感触、風合いはどうしても出てしまう。そう、当然それがいいんだけどね。だからこそゲイナーが好きなんだからな。といばってみてもしょうがないが。ちょっと音がよくないのが玉に傷。テリー・シャノンのピアノに哀愁がにじんでいる。いい。(3)のロジャー・ティルトン・トリオこれもリトルでいい。こじつけるわけではないがベースのヘンリー・フランクリンの書いた「リトル・ミス・ロウリー」という曲。ジャズの小さい世界でスタンダード化しそうな匂いがする。いやしなくてはいけない好旋律持つ曲。ビーズワックス盤、フランクリン~クローバー~シーリズ『サマー・セレナーデ』でもやっていて俺にごつんと一発好印象を残したものだ。ソロながら澤野のロバート・ラカトスも柔らかにがつんと来た。アビー・リンカーンの現代スタンダード「スロー・イット・アウェイ」が聴きもの。私が監修役をつとめた『バード・ゴールドブラット写真集』発売中です。春日出版発。

(1)RONNIE LYNN PATTERSON / FREEDOM FIGHTERS (ZIG ZAG TERRITOIRES / ZZ080802 / 2,720円-税込)
(2)WILTON 'BOGEY' GAYNAIR / AFRICA CALLING (CANDID / CCD79552 / 1,985円-税込)
(3)ROGER TILTON / JAZZ TONES (SKIPPER PRODUCTIONS / SP1006 / 1,985円-税込)
(4)ROBERT LAKATOS / MARMOSETS (ATELIER SAWANO / AS078 / 2,500円-税込)