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2007/06/20
寺島靖国の赤道直下 2007.JUNE


(1)MISHA PIATIGORSKY『アンコモン・サーカムスタンス』一曲目の<太陽は何処に>が圧倒的な聴きものだ。胸の中で半鐘が鳴るようなパッセージもある。スタンダードは一曲のみでほとんどがオリジナルという意欲満々の作りだから中には半煮えの曲もあるがブラッド・メルドーのような袋小路に行かずに半煮えなりにリズミックにメロディックに弾けているのがいい。曲は今、3曲目に差しかかったがこれはなんだか東欧の哀愁の民族学者がつれづれなるままに書き下ろしたみたいな曲で毎度お馴染みのスタンダードの後に聴くとええ何んだいこいつはとばかり、ジャケットを手に取りもう一度しげしげと曲名を眺めたりしてしまう。とにかくCD一枚至るところに秘密の洞穴がいているようで凄い新人が出てきたものだと感心することしきりでした。モンク・コンペティションでトップのほうの成績をとった人らしい。ただし、通常の親しげなピアノ・トリオが好きな人には特にとりたてて推薦はしない。買う人はそれぞれの覚悟をもってして欲しい。(2)は通常の親しげトリオの代表で一曲目の<ウェルカム・トゥー・ニッポン>と7曲目の<怒る犬たち>が日本美曲連盟公認の推薦曲となった。5月26日午前2時30分、私が発作的に発足させた同連盟をよろしく。会員募集中。ジャケットの魅力で買った(3)MAX LETH。ギターとバイブが入っているが気にならない。むしろギターが格好いい。モダンというより中間派。欲ばらないピアノがいい。65年から80年の正直者ピアニストの歴史が詰まっている。一曲目の<ウォーキング・マイ・ベイビー・バック・ホーム>からアービング・バーリンの<オールウエイズ>へ辿り着く流れがいい。(4)やっていました<ムーンライト・セレナーデ>。いま一つ熱いものを感じさせないピアノ・トリオながら『アメリカン・ソングブック』のタイトル通りあわてず律儀にドイツ式に旋律をつむいでゆくオラーフ・トリオに私は好感を持った。長続きするピアノトリオだ。(5)これまたいつも今一つ熱く迫ってこないトロンボーン吹き、アンディ・マーチンの最新刊は選曲のよさで本ページへの推薦盤になった。<ムーン・レイ>に<タブー>、<ニュータウン・イズ・ア・ブルータウン>とくればトロンボーン・ファンではなくても曲好きの人なら少しは目の色が変わるのではないか。特に「パジャマ・ゲーム」の主題歌<ニュータウン~>とここで思いきりよくお近付きになってくれ。演奏も今回がベストと聴いた。


  1. MISHA PIATIGORSKY / UNCOMMON CIRCUMSTANCE (MISHA MUSIC/30182/\2,195-税込)
  2. CARLO UBOLDI / FREE FLIGHT (MUSIC CENTER/BACD121/\2,615-税込)
  3. MAX LETH / THE VERY THOUGHT OF YOU (MUSIC MECCA/CD5010/\2,300-税込)
  4. OLAF POLZIEHN / AMERICAN SONGBOOK (SATIN DOLL/SDP1032/\2,615-税込)
  5. ANDY MARTIN / HOW ABOUT YOU? (FRESH SOUND/FSR5044CD/\2,300-税込)


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