【連載】 ★ 山本隆のJAZZ IN THE WORLD ★ JAZZ PERSPECTIVE Vol.7

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2013.12.13

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JAZZPERSPECTIVE VOL7

JAZZ PERSPECTIVE

Vol.7

DU BOOKS / JPN / B5 / JP4007 / JP4007 / 2013年12月20日 / 1,260円(税込)

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ついに今日入荷してきます。いつもは入荷と同時に文章を書き始めて、その感慨を文章に盛り込み一気に書き上げる。でも今日は違った。なんかそわそわしちゃって。朝8時30分くらいには、なんとなく会社に着いちゃって、今か今かと納本を待ちわびている。
創刊号の時からそうだったけど、ちゃんと仕上がってくるのか心配している。そもそも販売する本(雑誌)なんて作ったことのない素人だ。それまでディスクユニオンでは、多くの小冊子を作ってきた。多くはレイアウトも校正もないような同人誌的なものだ。それが何の制約もないということで一部の人から悦ばれていた。JPはそんな素人的な要素を忘れないで作っている雑誌だと思っている。或る種の自由がある。レヴューの選択はレヴューする人に完全に任せている、テーマもない、新譜でも旧譜でも構わない。レコードでもカセットでも構わない。そこにジャズの真実が在るような気がしている。まぁ真実とは何なのかわかりませんけど。

今回の特集は<Blue Note 75th Anniversary>だ。1939年の創生から75年が経過した。
1939年生まれのジャズ関係者を世界、日本を問わずアンケートを実施してみようかな、とも思ったが色々考えてやめた。それで今回は海外在住のミュージシャンを中心にレーベル関係者、ジャーナリストら32名に「貴方の最も好きな一枚」というのを選んでもらい掲載している。これも旧来の雑誌にないような内容にしてみたいと単純に思っただけだけど、意外にも興味深いアンケート結果となっているので是非ご覧ください。
特集コーナーもいつものヴィジュアル的なアイテムも満載しました。それで表紙の人は、フランス、ニース在住のヴォーカリストであるサラ・レンカ。彼女には2枚の作品がありそれについては、以下で紹介があるので参照ください。

というわけで最新号JPをよろしくお願いします。(山本隆)




SARAH LENKA / Am I Blue

SARAH LENKA

AM I BLUE

NOCTURNE / EU / CD / EMO0801 / JZ081119-04 / 12月下旬入荷予定 / 2,100円(税込)

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1. I'M A FOOL TO WANT YOU
2. MY HEART BELONGS TO DADDY
3. LOVER COME BACK TO ME
4. MY MAN
5. A GOOD MAN IS HARD TO FIND
6. YOU CAN'T LOOSE A BROKEN HEART
7. MORE THAN YOU KNOW
8. AM I BLUE
9. GETTING SOME FUN OUT OUT OF LIFE
10. THE END OF LOVE AFFAIR
11. HE'S FUNNY THAT WAY
12. WITHOUT YOUR LOVE
13. SEND ME TO TGHE ELECTRIK CHAIR
14. UNTIL THE REAL THING COMES ALONG

JAZZPERSPECTIVE VOL7 (12/20発売)の表紙の人 サラ・レンカ

長らく市場から消えていて、ネット上でも高値で取引されていたサラ・レンカの2008年録音デビュー作品が入荷しました。本人の伝手からプロデューサーにたどり着きました。近年、ジャケ買い実践者の間でも人気の一枚。見てくださいよ、このジャケ。いいじゃないですか。
オープニングの曲は彼女の人生を変えてしまったというビリー・ホリデイ所縁の「I am a fool to want you」。なにより彼女の声に魅力を感じる。時にハスキー、時にキュート、時にウィスパー、時にエロティシズム、時にパリ(ニース)の溜息だ。それに演奏陣。トランペット+ピアノトリオという編成。単に歌の伴奏に屈することはなく、各々が「俺が俺が」と主張しまくっているのも、いい。




SARAH LENKA / Hush

SARAH LENKA

Hush

E-MOTIVE / FRA / CD / EMO121 / JZ121109-55 / 2012年11月09日 / 2,100円(税込)
[ 再入荷 ]

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1. Grandma's Hands
2. Glory Box
3. I'll Wait
4. Red Cardinal
5. Stormy Weather
6. Never Say Never
7. If I Were You
8. I Don't Mind
9. All in All
10. Old Country
11. I Try
12. You May Say

2011年録音の2作目。ますますビリー・ホリデイの持つある種の退廃的なイメージを盛り込んだ(ような気がする)。パリの溜息がパリの疲弊、退廃になった?パリはエレガント、ソフィスティケイトなんて称されるが、一部にはダーティーな一面も持つ。
例えば、モンマルトル。サクレクール寺院に行こうと思ってピガール駅に降り立つと、客引きがわんさか寄ってきて五月蠅い。クリニャンクールの蚤の市やメトロでは、スリのプロが虎視眈々と気弱な人(ボク)の財布を狙っている(ような気がする)。
イメージ、妄想だけど、そんなパリの退廃的なイメージを想起させてくれる雰囲気が好きだ。因みにこの作品の中では、「オールド・カントリー」が一番好き。それからこの作品をこよなく愛するJazzTOKYOのスタッフのコメントを下記に勝手に引用したのでご参考まで。

以下引用
『これは、今年のヴォーカル作品の中でも5指に入る作品ではないでしょうか。まず、ジャケットが最高です。これほど目を引くジャケットもそうそうありません。そして、内容がまた素晴らしい。ちょっとハスキーで可愛らしい中にも大人のセクシーな魅力を湛えた歌声、シンプルでしっかりとしたバッキングなど、安定感のある内容は多くのヴォーカル・ファンの耳に触れて欲しいと切に願います。』