<連載> ★山本隆のJAZZ IN THE WORLD★ 2016 Feb.

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2016.02.02

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ARATAKE YUICHIRO / 荒武裕一朗 / TIME FOR A CHANGE / タイム・フォー・ア・チェンジ

懐かしい人からメールを頂戴した。前回が2013年だから3年ぶりだ。というかボクは、荒武さんと会ったのは結局一度か二度、それも15年も前になる。MusicBirdの番組「Jaaz In The World」のゲストで来てもらった時だ。『I dig it』という彼の作品を聴いて、「出てくれませんか」と誘ったのだった。それ以来、新作が出るごとに連絡を頂戴している。一昨日のメールなのに、今日もうCDが届いた、意気込みを感じる。発売記念公演のチラシもいただいた。ツアーは2月5日から5月1日までの長丁場のようだ。そこにこんなことが書いてあった。「ピアノをやめようと考えていた」、えっ何があったというのだろうか、荒武さんに。急に心配となった。また昔のような大怪我やっちゃったか?しかしそのすぐあとに「そんな思いから解放してくれたのが、本田珠也と三嶋大輝の二人だった」と書いてある。今回のメンバーである二人だ。しかしそれだけで、何があったかも記されてはおらず謎は謎のままだ。しばらく考えてみた。これはもしかしたら、それを理解したければ作品を聴いて欲しい、ライブを観て欲しい、というメッセージなのかもしれない、なと思った。ディブ・ベイリーの『バッシュ』のライナーが、「Listen!」という一文だけなのはかっこよすぎるが、そんなところだろう。スタンダードとオリジナル曲、本田竹広作曲のものなどがバランスよく配置されている。聴くとどこか懐かしさを感じる彼のスタイル。特に6曲目が素晴らしい。今、35年前ジャズを貪り聴いた頃の心情にタイムスリップ中ですよ。曲により橋本信二さん(ボク好きなんです)のギター入ります。(山本隆)