何か良いボーカルものないかなぁ…と探していたところ見つけました!このシーズンにぴったりの暖かく、緩やかなサウンドが特徴のアルバムです。ポーランド人と日本人のミックスの彼女、スムースなボーカルで、スキャットも魅力。アルト、ピアノ、ベースというトリオがバックというのも彼女のしなやかな声をさらに惹きたてています。1. Cheek To Cheek、3. The Nearness Of Youが特にオススメ。期待の若手ヴォーカリストです。(新宿ジャズ館 堀)
チャーリー・ヘイデン、まさかの新作がインパルスよりリリース。彼の死から2年経った今、リべレーション・ミュージック・オーケストラの新作が聴けることにまず喜ばずにはいられない。2011年ライブ録音と、スティーヴ・スワロウがベースを務める最新スタジオ録音を収録。多くは語らずとも凄みのあるヘイデンのベースは素晴らしい。美しいだけではなく、どこか毒が混ざっているカーラ・ブレイのアレンジは健在。環境問題をテーマにした本作も、物凄いインパクトを持って人々の心に訴えかけうる内容となっている。喪失感のあるメロディ、気迫みなぎるホーン・アレンジ、捻じれるローレン・スティルマン、語りかけるクリス・チーク、雄叫びをあげるトニー・マラビー、呟き呻き疾走するヘイデン。(JAZZ TOKYO 溝邊)
スペインのベーシスト、ジュリア・ヴァジェ(ジューリア・ヴァレ)率いるピアノトリオのライブ盤。同じ女性ベーシストで世に出た時期も近いせいか、あのエスペランサ・スポルディングと並べて語られることが多いようだ。ちょっと気の毒である。ヴァジェのベースは卓越した技術を放ちながらも一音入魂タイプで、ズシンズシンと腹に響く。こういう骨太なベーシストは今時珍しい気がする。待ってましたと言いたい。若手注目株マルコ・メスキーダ(p)、ヴァジェ作品の常連デヴィッド・シルグ(ds)との情熱的なインタープレイも素晴らしい。また彼女の書く曲も、独特の和声とダイナミックな展開によって聴く者の耳をまったく飽きさせない。そしてなんといっても、ジャケがかっこよすぎる。(JAZZ TOKYO 溝邊)