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日本のロック > 日本のロック
友川カズキ

イナカ者のカラ元気


PSF / JPN / CD / PSFD8031 / IND3389 / 2009年06月10日 / 2,940円(税込)

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友川カズキ、『花々の過失』以来、15年ぶりのギターのみ完全ソロ・アルバム。
友川独特の叙情と狂気の入り混じった、後世に残るであろう異色作!
9月にフランス国営放送で友川カズキ/ドキュメント(1時間)が放映されます。それとは別に、やはりフランスで友川カズキ/ドキュメンタリー映画を製作中で年末にヨーロッパで公開されDVDが発売されます。乞うご期待!

-ブックエンド-
 友川カズキは、歌の途中、たまに語尾を「ングッ」と止める。「カアッ」とも聴こえる。
 最初、ングッこそ、この人の生きてきた軌跡の凝縮に違いないと魅せられた。でも、そのうち、もしかしたらプロの歌い手としてのスキルなのではと疑い、それはそれでかっこよいと、また魅せられた。カアッ。そこに最新の情報はこめられている。
 もはや年齢は不詳だ。すでにして秋田県立能代工業高校バスケットボール部員のころに少年は老人かもしれなかった。数年前に病を得て、ほんの少しのあいだアルコールとニコチンを断ち、近所の公園ベンチにてブックエンド(本立て)、こっちの端であっちの端に腰掛ける男の吐き出す副流煙を吸い込んで辛抱したら快復カンバック、すると東京・渋谷でのライブのチケットがさらに売れるようになった。
「もうすぐ死んでしまうから、いまのうちに見ておこうと。こんなことなら前から病気になっておけばよかった」
 みんな笑ったが、いやいや、友川カズキは、酔余の本人の言を引くと、そもそも「生きながら成仏している」のだもの死にもしない。ただし、この仏、煩悩くらいはへっちゃらで伴走者とする。「まぼろしは菓子折と言葉が好きなのだ」。要注意。
 殉教テロリストの目をした小学5年生(『赤いポリアン』CDジャケットより)は、バスケ選手に理想を見つけた純朴な中学3年生であり、車券を飴玉とする童子にして牙赤きニッポン狼のごとき59歳でもある。つまり永遠。永遠の歌手。永遠の画家。永遠の競輪ファン。永遠の詩人。始まりから永遠なので、魂は更新されて、いっこうに揺るがず。いったん好きになってしまえば、からめとられて、もうほどけない。
 最近もパリの著名な映像作家、ヴィンセント・ムーンが、解釈超越の普遍に吸い寄せられて密着撮影を敢行した。2009年夏、フランスの公共チャンネルで堂々の放映予定である。
 本作は16年ぶりの「完全ソロアルバム」。他のミュージシャンは不参加だ。ギター一本。詩はさらに詩なのであった。「チャンス」の響き、ピンチ到来を告げる。「三種川に浮かぶキューピーのような悲しみのないあわれと青空」は完全に悲しい。あるいは「青春なぞただ白茶けた時間に釣糸を垂れる感じ」。この青春は懐旧を拒む。いま鼻先をかすめるだろう。だから友川カズキは「よき時代のフォーク歌手」として有難がられぬ。文化財として柱にくくられもしない。
 いまだ起承転結ならず。どこまでも「起承転々々々」。その転が、まだ転のままナイフのように切りつける場合もあるので要警戒。
 
スポーツライター 後藤匡宏(くにひろ)

1. 星を食べた話
2. 三種川
3. イナカ者のカラ元気
4. 夢の総量
5. むそじのブランコ
6. チャンス
7. デッサン
8. 絵の具の空
9. ハタハタのうた


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