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多才なジャズマン神村英男 トランペットと歌で大活躍! 神村ワールドが繰り広げられる、エンタテイメントに溢れたノリに乗った演奏がたまらない。 岩浪洋三(ジャズ評論家)
トランペッターとして名高い神村英男だが、じつは大変多才な男で、トランペット、フリューゲルホーンはもちろんなのだが、パーカッション、パンディーロの名手だし、チェット・ベイカーばりに歌もうまい。ぼくはずいぶん前から彼のプレイを聴いている。友人に連れられて中央線沿線のライブハウスで聴いたのがはじめてで、十数年前、いやもっと前かもしれない。トランペット・プレイも輝かしかったが、まるで手品のように操るパンディーロの妙技にびっくりしたのを思い出す。
最近ではそれに味のある歌も加わった。トランペッターはルイ・アームストロングの昔から歌う人が多いのだが、日本でもラッパ吹きには歌う人が何人かいるが、神村英男は中でも抜群にうまい人だ。それだけではない。作曲もすればアレンジもする。とにかく多才なのだ。その上最近はエンターティナーとしての才能にも磨きがかかってきた。ぼくなどジャズメンはみんなエンターティナーであってほしいとおもっているし、芸能人になってほしいとおもう。
神村英男はこれまで何枚もCDを出しているが、一作毎に毛色が違う。しかし、今回の本アルバムが一番楽しく面白い。ジャズエンターティナーとしての本領を発揮しているからだ。スタンダード・ナンバーもあれば、ボサ・ノヴァやブラジルの曲、自分のオリジナルと多彩なプログラムが組まれている。その上、今回は邦楽まで加えた異色作だが、とにかく興味の盡きない面白さと楽しさにあふれている。こんなに何度も聴き返したり、にやにや笑ったり、感心したり、やってくれたね、と脱帽したアルバムは他にない。日本のジャズメンのアルバムは一般的にクソ真面目。ジャズはもともとそんなクソ真面目な音楽ではない。奴隷から開放された黒人が自由がうれしくてたまらず遊びに遊んだ音楽がジャズなのだ。ジャズから遊びの精神をのぞいたら何も残らないのだ。
今回の神村英男は徹底的に遊んでいる。だからいいのだ。彼の才能がフル回転していて一曲一曲毛色が違う演奏なので、その場面転回が存分に楽しめる。
神村英男のプレイにはライブを聴きに行くとよく出会う。シャープ&フラッツ演奏を聴きに行くと、トランペット・セクションにいたりするし、ベースの中村照夫との共演も聴いたことがあるし、新宿のセントラルパークには長く自分のグループで出演していて、夜遅く聴きに行ったことがある。多才なプレイはそこで展開させていったともいえるが、本アルバムのボーナス・トラックはこのセントラルパークでのライブ録音である。
神村英男にはたくさんの仲間がいるが、本アルバムにはその中から才能ある優秀なミュージシャンが集められている。参加ミュージシャンは次のようになっている。
■神村英男(リーダー、トランペット、フリューゲルホーン、歌、パンディーロ)
後藤輝夫(テナー・サックス、ソプラノ・サックス、コンガ)
粉川忠範(トロンボーン、スキャット)
島田忠夫(ドラムス、江戸ラップの語り)
杉山茂生(ベース、歌)
神村晃司(ピアノ)
柳家小春(三味線、小唄)
神村英男バンド