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ブラジルのSSWサウル・バルボーサが1984年に密かに残した“青さ”輝く傑作。涙を誘う切ない旋律が胸を締め付ける「Sao Jorge dos Ilheus」を筆頭に、全編が哀愁の旋律と仄かな実験性に彩られた希有な1枚です。
ブラジル、バイーア州のイリェウス在住のSSW、サウル・バルボーサが1984年にインディレーベルに残していた貴重な作品。そのサウンドは、サンバを軸にしつつも、どこか実験性や前衛的なフィーリングを感じさせるものですが、全編を貫く哀愁の旋律が実に素晴らしく、心に響く名曲達だけが収められています。何と言っても素晴らしいのは女性Vo. Nina PanceviskiをFt.して聴かせるオープニング曲「01. Sao Jorge dos Ilheus」でしょう。少し独特な変拍子のリズムに乗せた、穏やかに心に響く泣きメロと、Nina嬢の麗しい歌声がマッチした名曲で、その青い輝きは永遠に続くかのようです。続く「02. Luanda」も、同じくNadaと言う女性Vo.をFt.して聴かせる哀愁感漂う楽曲で、サウル・バルボーサが奏でるギターの音色もキラキラ輝いています。また、彼がVo.を披露している「03. Destino」、「04. Passaro notivago」も味わい深いVo.を含めて素晴らしく、歌物の楽曲は名曲揃いですが、本作にはさらに興味を惹かれる側面があります。繊細なギターを軸にしたインストの楽曲がそれらですが、その曲名「06. Gismonti Pascoal」が物語る通りの二本のヴィオラォン、フルートが織りなす美しいナンバーを筆頭に、フルートの音色が秀逸な「07. O ar, o tempo e o vento」、組曲風に壮大な展開を見せる「08. Suite espanhora」、巧みなギタープレイが光る「08. Suite espanhora」など、全編を通じて飽きさせず、何度も感動を与えてくれる傑作です。
1984年のリリース当時は、ローカルなインディレーベルからのリリースだった為、殆ど知られることのなかった名盤が遂に正規復刻です。穏やかな作風ながらも、強く心に刻み込まれる麗しい旋律のメロディの数々が、ここには詰まっています。
(インフォメーションより)
SAUL BARBOSA / サウル・バルボーサ