PHILIPPE BADEN POWELL フィリップ・バーデン・パウエル
NOTES OVER POETRY / ノーツ・オーヴァー・ポエトリー
【帯ライナー付国内仕様盤】
2,160円(税込)
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- レーベル
- :
- Unimusic
- 国(Country)
- :
- JPN
- フォーマット
- :
- CD
- 規格番号
- :
- UNCD009
- 通販番号
- :
- 1007314643
- 発売日
- :
- 2017年04月19日
- EAN
- :
- 4988044905054
■ 帯ライナー付国内仕様盤 / ライナーノーツ:柳樂光隆 (Jazz The New Chapter)
―― 実は僕は2016年にメロディー・ガルドーとピエール・アデルニとダヂとともにフィリップが来日し、ビルボード東京でライブを行った際に、フィリップと話をする機会があった。フィリップに自分がジャズ評論家だと自己紹介すると、彼は堰を切ったようにジャズの話を始めた。好きなジャズピアニストとして、ビル・エヴァンスが出発点にあり、キース・ジャレットやハービー・ハンコック、ミシェル・ぺトルチアーニが好きだという話をしてくれて、マイルス・デイビスのアコースティックのカルテットの話をずいぶんした。その時に「じゃ、1978年生まれのあなただったら、ブラッド・メルドーあたりはどう?」という質問をしたら、メルドーは大好きで、特に『Art Of The Trio』のシリーズは一時期かなり聴き込んで研究したし、今でもiPhoneに入れていつでも聴けるようにしているとのことで、カート・ローゼンウィンケルやマーク・ターナー、ブライアン・ブレイドが好きでよく聴いているといってiPhoneを見せてくれた。そこには1990年代末から現在までのコンテンポラリーなジャズがたくさん入っていて、近年はピアニストだったら、ジェラルド・クレイトンやアーロン・パークスが好きだし、同世代のロバート・グラスパーやエスペランサ・スポルディングがものすごく魅力的なクロスオーヴァーを実践していることに感銘を受けているというようなことも話してくれた。(中略)
それにしても、聴けば聴くほど、このフィリップ・バーデン・パウエルというピアニストのすばらしさが際立つ。そして、前作『LUDERE』と本作『NOTES OVER POETRY』を聴いて、ここまでジャズを理解し、消化し、時代やスタイルを横断しながら、自身のルーツでもあるブラジルの要素をも取り入れながら、自分にしか奏でられないサウンドを奏でていることは驚きでもある。僕があの日のビルボードの楽屋で感じた物静かで穏やかで控えめなピアニストがバンド全員から大きな尊敬を集めていたことを改めて彼の録音から感じたのだった ――
※ライナーノーツより抜粋
フィリップ・バーデン・パウエル。偉大なるギタリスト/コンポーザー、バーデン・パウエルを父に持つピアニスト/作曲家である。パリに生まれ、現在もパリを拠点にしながら世界中のあちこちでレコーディングやライブに参加し、その非凡な才能を存分に発揮。近年だけをみても、サンパウロの一流ジャズミュージシャンと共演した『LUDERE』、キケ・シネシ直系として知られるアルゼンチンの女流ギタリスト、セシリア・サバラとのデュオ作、そして2016年末にはメロディ・ガルドー&ピエール・アデルニのサポートとして来日を果たすなど、その活動は実に多彩。そのいずれもで非常に高い水準の作品/演奏を披露し、にわかに現代ブラジリアン・ジャズのキーマンとして注目を集め始めている。
そんなフィリップの最新作は、精力的なリイシュー・ワークスから、アジムスのようなレジェンダリーな存在までをプロデュースする、UKのファーアウトからのリリース。レーベル・カラーを反映してかこれまで以上に様々なスタイルの楽曲にチャレンジした、キャリアにおける分岐点ともいえる作品へと仕上がっている。
ドナート・ファンなら思わずニヤリのポップなメロディと、リズミカルなタッチ、そしてヴェロカイやデオダートを髣髴とさせるパーカッション、ホーンズを入れたアレンジメントが極上のレイドバック感覚を提供してくれる#1に始まり、ベルギーのジャズ・ヴォーカリスト、デヴィッド・リンクスのラップをフィーチャアしたネオ・ソウル・ライクな#2、デヴィッド・リンクスのスキャットをフィーチャアした#4、フィリップと同じくフランスを拠点に活動するブラジル人女性シンガー、パウラ・テッセール参加の#7、エグベルト・ジスモンチの娘であるビアンカ・ジスモンチに捧げた#8、自らヴォーカルをとる#9...。なかでも美しいメロディを端正に奏でていく#3は本作のなかでのハイライトといえる出来栄えだろう。
ロバート・グラスパーの登場以降、ジャズは再び世界のポピュラー・ミュージックの最前線に躍り出た。カマシ・ワシントンや黒田卓也といったミュージシャン達が自らの音楽性をジャズによって拡張させたように、サンバやボサノヴァ、MPBといった自身のルーツとジャズを結びつけることでフィリップも自らの音楽を拡張しつつある。2017年、大きな旋風を巻き起こしそうな南米産ジャズの中心に、間違いなく、この作品も位置することになるだろう。
▼輸入盤CD

▼LP

▼アルバムのハイライト・トラックのひとつ!メロディ・メイカーとしての才能をいかんなく発揮したピアノ・ジャズ!