親密さこその「KIND」か、それとも、似て非なるものとしての「KIND」か・・・。これぞブラジル・サイドからのボサ・ノヴァ逆輸入への返答しかりな、まさに「A KIND OB BOSSA」。セルソ・フォンセカにも近しい心地良さに媚びもせず、全編英詞でつづるブラジリアン・ギターポップとしての新たな才能、ホドリゴ・デル・アルクの快感!
サンパウロ出身でタイ、そしてスイスにも居住経験があるという。世界でも屈指の美メロ産出国ブラジルの新進♂SSW、ホドリゴ・デル・アルク。 そのジェントルなヴォイスの中に清廉なブラジル人気質を漂わせつつも、ロック・エイジ然とした策士ぶりが滲み出た、レンジの広いメロウ・アレンジで異彩を放つ絶妙のサウンド。近年MPBシーンでもコンポーザーとして頭角を現しつつあるエドゥ・マラニャオン/ニック・グティエレスというブレインと共に作り上げられた全オリジナル。そしてすべて英詞曲というトピックは、ブラジル人だからこその・・・かもしれないが、これこそが「KIND OF BOSSA」といわれる所以の一つ。ネオアコ世代には堪らないベン・ワットの名作『ノース・マリン・ドライヴ』などを彷彿させる、シンプルなギターと呟くようなヴォーカルによるアコースティック・ナンバー、そして浮遊感あるリズム・トラックでもハイセンスな効果音を施し、まさにブラジリアン・ギター・ポップの様相を呈する魅力に溢れたアルバム。 ブラジル・サイドからのボサ・ノヴァ逆輸入への返答とも取れる姿勢も新鮮であり、かの偉大な先輩セルソ・フォンセカにも通じる心地良さだ。それゆえに親しみ易い「KIND OF BOSSA」でもあろう。同世代のミュージシャンによるシンプルながら確かなサポート・プレイも素晴らしい。後述のマイ・スペースでも話題になっている注目株だ。