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83年カンボジア「解放」歌集がCD/LPリリース!
75年4月17日から始まったクメール・ルージュ体制ポル・ポト政権下の粛清という名の大量虐殺を経験、その後79年暮れにはポル・ポト政権を打倒したベトナム傀儡政権「カンプチア人民共和国」が成立したカンボジア。
本作は、このベトナム傀儡政権打倒の為に立ち上がったレジスタンス勢力、クメール人民民族解放戦線 (FNLPK)の音の記録です。
時にはクメール・ルージュの残党とも手を組みながら、ベトナムのカンボジア侵攻に反対する国々の支援も得て、プロパガンダ活動の一環として組織されたFNLPK直下のタイ国境近くのバンティー・アンピル難民キャンプで結成された10人組楽団BANTEAY AMPIL BAND。各キャンプへのドサ周りや海賊解放ラジオ、FNLPKのオフィシャルな行事等で活動した彼らが、カンボジア内戦の真っ只中の82年、写真撮影の禁止を厳命された渡航を経て、越境シンガポールで残した録音集。当時少数のLPとカセットが作られた唯一作が発掘音盤化です。
クメール・ポップの悲劇の大歌手SIN SISAMOUTHやROS SREY SOTHEAのコンポーザーとしても知られるヴァイオリニストで、ポル・ポトによる芸術家への粛清から必死で隠れ逃れてきた40代のOUM DARAを中心に若いミュージシャンや女性シンガーが集められた彼らは、人々の日々の苦しみを表現しつつも、愛国、民族意識鼓舞、抵抗戦士賞賛、反ベトナム、反共産主義等の喧伝に利用されていきます。解放という正義の裏に作り出された他民族=敵への憎悪もたぶんに意図的に含まれている全12曲。
とはいえ音楽的にみると、60年代栄光のスウィンギン・プノンペン的洗練クメール・ミュージックを日々の闘いの文脈と結びつけることに軽やかに成功、メランコリックで強烈な歌を作り出しています。民謡、フォークからロックまでカンボジア音楽の諸領域をまろやかに結び付けつつさらにそこを超えていきながら響き渡るポップでルーラルなアンサンブル。忘れ去られた?抵抗戦士達の歌々を今こそ。
36ページ・ブックレット付属CD。
BANTEAY AMPIL BAND