今回ももちろん、エイリアン・コンセプトが冴える。タイトルの『Ultu Ulla』とはシュメール語で、「記録も残っていないほどの昔」という意味。前作『Lugal Ki En』もシュメール語であったことから想像がつくとおり、本作は『Lugal Ki En』の続編的なコンセプトを持ったアルバム。『Lugal Ki En』にも登場したエイリアンが、「現実の構造を脅かす、想像もできないような、ずっと忘れ去られていた、非常に強大な力を持った存在を目覚めさせる」という、わかるような、わからないような、実にエイリアン・デスコアらしい内容になっている。 「俺たちは実験的なバンドであり、ファンもそのことはわかってくれていると思う。俺たちは実験を続け、新たなる興奮をつかもうとしている。ニュー・アルバムを聴いて血が騒ぎすぎないように、気を付けてくれよ!」というルーカスの言葉には、いささかの誇張もない。異常なまでにテクニカル、そして異常なまでに過激。なのにとっつきやすい。究極中の究極スタイルの音楽、それがエイリアン・デスコアである!