特集:俺のめろはー

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2016.12.03

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俺のめろはー

大好評だった「俺の」企画第2弾は、ディスクユニオン・スタッフが独断と偏見と情熱でセレクトした輸入盤50枚の"メロディアス・ハード"をご紹介!!
新旧メロディアス・ハードはもちろんよりソフトなAORから、これは俺にはメロハーだという意外なセレクトまでユニオン・スタッフならではのピックをそれぞれのコメントで一挙ご紹介。
寒い冬にピッタリのハートウォーミングなサウンドの数々をご堪能ください。

※アートワークをクリックすると商品詳細ページに移動いたします。

ARTIST:CRAAFT ARTIST:MAGNUM
TITLE:SECOND HONEYMOON TITLE:THE ELEVENTH HOUR
 担当者:営業部/ 菅原  担当者:営業部/ 菅原
長らく廃盤となっていたジャーマン・メロディアス・ハードが'88年にリリースした2ndアルバムの再発盤。ゴージャスなキーボードとコーラスに装飾された王道のメロハー・サウンドで、産業ロックの影響ももちろん感じさせるが、個人的には力強いヴォーカル含めて全体的にスケールの大きさを感じさせる音像に惹かれます。ドイツ出身でなければ当時のシーンならヒットしたのでは?と思ってしまうようなキャッチーなメロディ満載で、バラードは特にグっときます。'80s後半のDEF LEPPARDっぽさも感じさせますが、能天気な感じはありませんので哀愁派の方もご安心を。  MAGNUMの最高傑作といえば『ON A STORYTELLER'S NIGHT』('85年)か『CHASE THE DRAGON』('82年)でしょ!という人が大半の中、敢えてこれです。名盤2タイトルの間に挟まれて影が薄い作品ですが、内容に関しては今作が一番だと胸を張っておすすめしたいと思います。当時ポンプ・ロックとも呼ばれていたメロディアス・ハードが全編で展開されていますが、どこか”うらぶれた感”を醸し出す、イギリスらしい翳りのあるメロディをまとった楽曲は捨て曲なしで、トニー・クラーキン(G)、ボブ・カトレイ(Vo)、マーク・スタンウェイ(Key)という3人のマジックを生み出した奇跡の一枚と言いたくなります。個人的には特に晩秋~冬に聴きたくなるような作品で、初めて聴いた20年前からずっと愛聴している“俺のメロハー”です。

ARTIST:SARAYA ARTIST:TALISMAN
TITLE:SARAYA TITLE:HUMANIMAL
 担当者:営業部/菅原  担当者:営業部/菅原
メタル隆盛末期の'89年にリリースされたUS出身バンドの1st。「女性ヴォーカルを擁する'80sのアメリカン・ハード・ロック・バンド」という説明から連想されるイメージそのままの王道のメロハーで、当時の空気を感じさせるポップ&キャッチーな歌メロとゴージャスなキーボード、ハードなギター・サウンドをバックにサンディ・サライヤ(Vo)の情感溢れる歌唱でタイナミックに聴かせてくれます。個人的にはVIXEN以上、PHANTOM BLUE以下(両方ともガールズ・バンドですが)という程よいハードさと今のバンドでは絶対に出せない’80sの雰囲気がめちゃくちゃツボです。女性ヴォーカルのハード・ロックが好きなそこの貴方!また廃盤になっちゃう前にこれは聴いておかないと!  超名曲「Give Me A Sign」収録の2nd『GENESIS』('93)と悩みましたが、こちらをご紹介。今作で漸くバンド体裁を整えると同時にハードでへヴィ&グルーヴィなサウンドに移行して、後の作品にも受け継がれるこのバンドの個性を感じさせる一枚となっています。当時のシーンに影響を受けてモダンなサウンドになったと一部批判はあった記憶がありますが、今聴くと「まぁ言われてみれば」と感じる程度の正にTALISMAN流メロディアス・ハード・ロックで、ジェフ・スコット・ソート(Vo)、マルセル・ヤコブ(B)、ジェイミー・ボーガー(Ds)という実力者に指導されて一生懸命がんばったフレドリック・オーケソン(G)のプレイもGOOD。そういえば日本盤がリリースされたあと、海外バージョンやその後のリマスター等で4回位買い直した記憶がありますね。。。

ARTIST:WORK OF ART ARTIST:ALYSON AVENUE
TITLE:ART WARK TITLE:PRESENCE OF MIND
 担当者:営業部/菅原  担当者:新宿ヘヴィメタル館/藤本
TOTO大好き!な3人のスウェーデン人のバンドによるデビュー作。音はそのTOTO大好きっぷりが全面に出た'80sの産業ロックを思い起こさせるハード・ポップ・サウンドで、演奏に現代のバンドらしいエッジを適度に加えた文句なしの完成度。TOTOやJOURNEY的なAORサウンドは、刺激が足りず大好物とまではいかないエセ・メロハー・ファンの私が心惹かれるのは、key含む演奏人のキレッキレの演奏とヴォーカルの上手さや北欧らしいメロディの透明感が他の同系統のバンドから頭一つ抜きん出ていると感じるからでしょうか。この後の2枚のアルバムも最高なので、こちらもオススメです。

後にNIGHTWISHに加入することになるAnette Olzon嬢(Vo)を擁したスウェーデン産メロディアス・ロック・バンド00年の1stアルバム。北欧らしいエッジを持ちつつ、ウェットに富んだメロディを聴かせるギター・ソロ、煌めくキーボードに彩られた透明感のあるサウンド、そして美旋律。それらはまさに北欧ハード・ポップの理想郷とも言えるスタイル。そこへAnette嬢の憂いを含みつつも、透明感のある歌声が加わり、高い叙情性を発散させる。当時マニアを歓喜させたのも納得の仕上がりで、音質は並だがクオリティは高い。


ARTIST:CLIF MAGNESS ARTIST:DARE
TITLE:SOLO TITLE:BENEATH THE SHINING WATER
 担当:新宿ヘヴィメタル館/藤本  担当:新宿ヘヴィメタル館/藤本
メロディアス・ロック/AOR好き必聴の大名盤。Jay Graydon<G>、Glen Ballard<Key>とのPLANET Xや、数多くのアーティストへの楽曲提供、そしてプロデューサーとしても知られるアメリカ人ソングライターの94年発表の1stソロ・アルバム。透明感のあるハイ・トーンと洗練されたメロディをフィーチュアしたWestcoast系の極上AOR。AIRPLAYやPLANET 3をハードにしたかのようなサウンドには、清涼感と壮大なスケール感が漂う。 元THIN LIZZYのDarren Wharton 率いるメロディアス・ロック・バンドの04年発表の 5thアルバム 。本作がバンドの最高傑作とは言えないものの、深みを増したマイルドな歌声、郷愁を誘うメロディ・ラインの数々、哀愁度の増したギター・ソロ、静と動によって構築されたドラマ性。ケルティックな側面こそ減退したものの、これらによって産み出される世界観には唯一無二であり、引き込まれること必至。今作に限らず、メロディアス・ロックに興味のある方は、このバンドの音源に一度は触れてもらいたい。

ARTIST:JADED HEART ARTIST:REDRUM
TITLE:HELLUVA TIME TITLE:NO TURNING BACK
 担当:新宿ヘヴィメタル館/藤本  担当:新宿ヘヴィメタル館/藤本
ドイツが誇る叙情派バンドの05年発表の7thアルバム。前作でバンドの顔であるMichael Bormann<Vo>脱退、その不安を一掃した見事な力作であり、これまでの良くも悪くもBormann色が強かったところから一転、バンドらしさを感じさせる仕上がり。前作までの路線を踏襲しつつ、元MIND'S EYE、 SCUDIEROのスウェーデン人Johan Fahlbergの表現力豊かなの歌唱を活かし、ドイツのバンドらしいキャッチーさ、爽快さ、そしてバラエティを増している。作を重ねるごとに、クオリティとパワー・メタル的な要素を増していく中で、今作も是非押さえておきたい。 ツインGを擁するギリシャ産メロディアス・ハード・ロック・バンドの07年発表の1STアルバム。ポイントは何よりもドイツ屈指の実力派Michael Bormann<Vo>の全面参加。そのアクの強い歌声により、予備知識なしに聴いたらJADED HEARTの作品と思ってしまうかも。ヨーロッパらしいキャッチーなメロディを配し、ハードに仕上げたスタイルはJADED HEARTはもちろん、THE SYGNETらのBormann関連を彷彿とさせる。個性は薄いが、ジャーマン・メロディアス・ハード好きにはお勧めできる仕上がり。

ARTIST:THE BABYS ARTIST:BONFIRE
TITLE:UNION JACKS TITLE:POINT BLANK
 担当:営業部/田村  担当:営業部/田村
BAD ENGLISHで初めてJohn Waiteという素晴らしき声のヴォーカリストの存在を知った。そのJohnがかつて在籍したということで知ったのがTHE BABYS。80年に発表された4thアルバムである本作よりJonathan Cain(Key)とRicky Phillips(B)が加入し、当時全盛だった産業ロック路線へと舵を切った作品。本作を始めて聴いた時はハード・ロックの重さとポップなメロディの融合が絶妙だと思った。しかしセールス的には振るわなかったようで、次作『ON THE EDGE』でその産業ロック路線が開花しかけたものの、JonathanがJOURNEYに引き抜かれてバンドは解散してしまう。そして88年にTHE BABYSとJOURNEYの合体という形でBAD ENGLISHが結成されやっと彼等は全米1位の冠を得る。そのサクセス・ストーリーの原点はこの作品であると言えるでしょう。 前作『FIREWORKS』(87年)で一気にメロディアス・ハードとしてのポテンシャルを上げた彼等の89年3rdアルバム。本作のあまりにもツボを得たメロディと楽曲の良さに初聴で卒倒しそうになった記憶が蘇る。Michael Wagnerのオーバー・プロデュースだとか曲が多すぎる(当時はLPからCDへの移行期で収録時間が増えたためアルバムにやたら曲を詰め込む風潮もあった)と言った批判もあったが、Michael Wagnerによりメタリックなエッジとのバランス感覚も優れたものになったし、全てが絶品曲なので単純に収録曲が多くて正解だった。個人的には正統メタルの流れも汲む1stアルバム『DON’T TOUCH THE LIGHT』を最高傑作ともしたいが、改めてメロディアスなハード・ロックとしてのBONFIREの真骨頂は迷わず今作であると言いたい。

ARTIST:BOULEVARD ARTIST:PINK CREAM 69
TITLE:WHAT'S UP TITLE:PINK CREAM 69
 担当:営業部/田村  担当:営業部/田村
カナダにも同名バンドがおり、そちらはメジャーからアルバムをリリースしAOR/メロディック・ロック・ファンの間でもかなり高い評価を得ているが、こちらはスウェーデンのバンドで87年にリリースされた唯一のアルバム。そしてこの作品に関してはあまりいい評価は聞かない。やはり致命的なのはヴォーカルが上手くないという点。曲もありきたりと言えばそうかもしれない。しかし、煌びやかなキーボードを配した「Fallen Angel」など佳曲も多く初期TREAT辺りにも通じるところもあるので、埋もれさせるには勿体無い。実際、再発盤もリリースされるぐらいだから極一部かもしれないが評価を得ているということ。と言う訳でマイナーなメロディアス・ハード好きは見捨てないでほしいと思う。  この1stアルバムがリリースされたのは89年。とある輸入盤レコード屋で、メタルらしくないジャケットに若干躊躇したもののPOPコメントでの称賛を信じて購入したのがPC69との出会い。当時この作品はここ日本ではほとんど知られざる存在で当然日本盤などリリースされなかった。この作品をミュージシャンズ・ミュージシャン的な作品と当時評されたのを目にしたが、確かに内容の素晴らしさと知名度の乖離があまりにも多かったと思う。独特のメロディに彩られた楽曲とクセのあるアンディ・デリスの声が相まって高みへと達したこの作品を始めて聴いた時の衝撃は今だ忘れられない。当時は勝手にこれからのメロディアスなメタルの新しい道を切り開くと思っていた。

ARTIST:BEAU GESTE ARTIST:CHINA
TITLE:ANOTHER NIGHT IN THE CITY TITLE:CHINA
 担当者:大阪店 / 小林  担当者:大阪店 / 小林
後にBRYAN HUGHES GROUPを結成して名盤『BREAK THE RULES』(90年)を残したBryan Hughes(Vo)を擁するカナダ出身のハード・ポップ・バンド、86年2ndアルバム。イモ臭ささえ感じた1st『BEAU GESTE』(82年)からは聴き違えるほどの別ものとなり、Bryanのメロディ・メイカーとしての才能を見事に開花させた傑作に仕上がっている。キーボード主体の泣きメロ満載の楽曲の数々は、初期BON JOVI、HONEYMOON SUITEのような哀愁を帯びたメロディアス・ロック、産業ロックが好みならこれでもかと涙腺を刺激してくれるであろう。 スイス出身のメロディアス・ハード・バンド、88年発表の1stアルバム。デビュー当時、スイスのBON JOVIと言われていたことは決して間違いではなく、楽曲、演奏、プロダクションとどこをとっても超がつくほどにメジャー級。また、永世中立国スイス出身だからというわけではないが、イギリス、ドイツ、北欧勢などと一線を画す音楽性はワールド・ワイドに活躍できるポテンシャルを持っていた。哀愁でも能天気でもない爽やかで躍動感溢れるメロディアス・ハード、それがCHINAの真骨頂。疲れているときに「Back To You」を聴けば、間違いなく元気をもらえます。

ARTIST:HOUSTON ARTIST:STRANGEWAYS
TITLE:HOUSTON II TITLE:STRANGEWAYS
 担当者:大阪店 / 小林  担当者:大阪店 / 小林
スウェーデン出身のメロディアス・ハード・バンド、13年発表2ndアルバム。まず1曲目の印象的なキーボードのイントロから始まるアップ・テンポのキラー・チューン「Glory」を聴いた瞬間に鳥肌が立つ。同郷のWORK OF ARTと比較できなくもないがWORK OF ART よりもTOTOっぽさは控えめで、『RELAUNCE』(11年)でカヴァーしていたDAKOTA、NEW ENGLANDなどのちょっと甘酸っぱくて心暖まるメロディがHOUSTONの真の魅力。メロディアス・ハード界隈で引っ張りだこのTommy Denander(G)の全面参加も大きくプラスに作用している。 イギリス出身のメロディアス・ハード・バンド、86年発表の1stアルバム。世間的にはアメリカ人名シンガー、Terry Brock加入後の『NATIVE SONS』(87年2nd)、『WALK IN THE FIRE』(89年3rd)が産業ロック、メロディック・ロックの名盤と言われいるが個人的にはこの1stが好み。お世辞にも上手いとは言えないTony Liddell(Vo)の熱唱がプロダクションを含めて荒々しささえ感じる楽曲と見事にマッチしており、何とも言えないカタルシスを得ることができる。中でも「Now It's Gone」はSHY、TOBRUK、BRONZあたりの英国勢が好みなら絶対に泣けるであろう超名曲。

ARTIST:VIRGINIA WOLF ARTIST:WORRALL
TITLE:VIRGINIA WOLF TITLE:WORRALL
 担当者:大阪店 / 小林  担当者:大阪店 / 小林
LED ZEPPELINのJohn Bohamの息子でAIRRACE他での活動歴のあるJason Bonham(Ds)の参加、QUEENのRoger Taylorによるプロデュースなどが話題となったイギリスのハード・ポップ・バンド、86年1stアルバム。実際にはその本質は別のところにあり、後にHEARTLANDで活躍するChris Ousey(Vo)の存在が肝といえる。SURVIVOR、FOREIGNERなどの産業ロック勢を彷彿させるキャッチーでアメリカナイズされた楽曲にエモーショナルで表現力豊かなChrisのヴォーカルが乗ることで一気にクオリティが向上しており、極上のメロディを堪能することができる。 カナダ人のSteve & Rick Worrall兄弟によるメロディアス・ハード・プロジェクト、91年唯一作。時折ブルージーな印象を与えるものの、カナダ出身らしいキャッチーな楽曲に煌びやかなキーボード、メロディ溢れるテクニカル・ギターが乗るといった一線級のAORハードが楽しめる。当時、時代に埋もれてしまったのが残念だが、ノルウェー出身の女性ハード・ポップ・シンガー、ISSAが『CAN’T STOP』(12年)で名バラード、「Heart Of The Night」カヴァーしたことで再注目される。聴くと思わず胸が熱くなる「Shadow Of A Life」、「I Can’t Stop」がおすすめ。

ARTIST:LIONHEART ARTIST:REVOLUTION SAINTS
TITLE:HOT TONIGHT TITLE:REVOLUTION SAINTS
 担当者:渋谷パンク・ヘヴィメタル館 / 頭山  担当者:渋谷パンク・ヘヴィメタル館 / 頭山
IRON MAIDENの1stアルバムに参加し歴史に名を刻んだデニス・ストラットン(G)が、IRON MAIDENを追放された後に結成したバンドの84年唯一フルアルバム。展開されるは、大人の雰囲気のある落ち着いたメロディアス・ハード。Saxなども顔を出し、夜の高級ホテルのラウンジのような心地よさを演出してくれます。(行ったことない)あの『鋼鉄の処女』のような荒々しいヘヴィメタルとは真逆のサウンド。泣き上戸なもので、作品中ハイライトでもあるバラード「Living In A Dream」で毎晩涙を流しています...。 WILD DOGSやBAD ENGLISH、そしてJOURNEYなどで活躍した凄腕ドラマー、ディーン・カストロノヴォがシンガーも務め、脇にはジャック・ブレイズ(B)とダグ・アルドリッチ(G)を迎えたスーパー・メロディアス・ハード・バンドの作品。ニール・ショーン(G)のゲスト参加もあります。そのメンツだけでも「すげ〜」といった具合なんですけど、本当に凄いのはその作品のクオリティ。(とディーンの歌唱力) プロデューサーも含めその筋で活躍してきた手練れが集結しただけに、メロハー好きのツボを1mmもズレずに刺激してくるプレイに舌を捲くばかり! 完璧すぎなのが素行の悪いディーンさんより圧倒的に怖いです。

ARTIST:SAXON ARTIST:SKAGARACK
TITLE:DESTINY TITLE:HUNGRY FOR A GAME
 担当者:渋谷パンク・ヘヴィメタル館 / 頭山  担当者:渋谷パンク・ヘヴィメタル館 / 頭山
「勇猛果敢」「俺について来い」のSAXONが放つ、ハード・ポップ色の強い9thアルバム。88年作。音楽性の変化やメンバー・チェンジもあり、ファンを減らしていたSAXONにとっては間違いなく苦しい時期だった。苦しむSAXONに想いを馳せながらこのアルバムを聴いてみよう。3や6のかつてない優しいメロディ。そしてポップでキラキラした鍵盤を多用しつつも、再起を誓うような力強い歌詞の「We Are Strong」。心の底からこみ上げてくる。軟弱と思うなら切り捨てればいい。僕はもう涙が止まらない。(最後の2曲が割とがっつりヘヴィメタルなのは内緒。) デンマーク出身のハード・ロック・バンドの88年2ndアルバム。ポップ・キャッチーさとか曲の良さとかはもちろんなのですけれども、個人的にメロハーを楽しむ上で一大注目ポイントとしてあげておきたいのが透明感。抜群の透明度を誇り、一切濁りはなし! 聴いていると、いつの間にか染み付いてしまった心の汚れを綺麗さっぱり洗い流してくれるよう。普段爆音ばかり聴いているもので耳が疲れた時にとても重宝しています。曲の良さも文句なし。一曲ごとに名曲にあった時の感動を覚えるとても忙しい作品でもあります。

ARTIST:WINGER ARTIST:HARLEQUIN
TITLE:WINGER TITLE:ONE FALSE MOVE
 担当者:渋谷パンク・ヘヴィメタル館 / 頭山  担当者:お茶の水ハードロック・ヘヴィメタル館 / 伊東
アメリカ東海岸出身のハード・ロックバンドによる1stアルバム。アメリカのバンドといえど、同時代のいわゆるL.A.メタルとかのチャラさはなく、とてもキャッチーでありながら緻密に作り込まれた楽曲はレブ・ビーチ(G)が有名音楽学校を出てるだけあってどこかインテリジェンス。
WINGERを語る上で欠かせないのが、キップ・ウィンガー(B)のバレエ仕込みのクルクル回りながら歌う華やかなアクション。曲の良さや学だけじゃなく、華までも備えていた彼らに嫉妬を隠せない1枚です。
当時国内盤もリリースされたカナダのハード・ポップ・バンドによる82年発表の3rdアルバム。AEROSMITHなどを手掛けたことで有名なJack Douglasによるプロデュースとあって、まず全体のアレンジ、音のバランスなどは当然安定のクオリティですね。そして、70年代から受け継がれた素朴な哀愁感と、この後の時代にどんどんゴージャスになっていく所謂メインストリーム産業ロック系の感触との微妙な狭間感が個人的にたまりません。特にギターの音色と質感、フレーズが素晴らしいのです。BOSTON、NEW ENGLANDをもう少しハードにしたような佳曲が並びます。知名度はありませんがこれぞ隠れた名作でしょう。

ARTIST:SIGNAL ARTIST:TOMMY SHAW
TITLE:LOUD & CLEAR TITLE:AMBITION
 担当者:お茶の水ハードロック・ヘヴィメタル館 / 山崎  担当者:お茶の水ハードロック・ヘヴィメタル館 / 山崎
You TubeでSignal Liveで検索すると、90年のNebraskaの映像が流れてくる。野外だけど客の少ないこと、少ないこと。King Kobraで一世を風靡したあのパツ金Vo.のMark Free様が...。彼にとっては不遇の時代の始まりだったのかもしれません。前置きはさて置き、説明不要のメロハー大傑作盤。とにかく1曲目のArms Of A Strangerからやられっぱなし。この後のUnruly Childも気軽に聴けるようになればいいのに...と。 Styxという肩書きは、さて置き。メロハー・ファン必聴の87年3rdソロ。透き通ったハイトーンと秀逸な楽曲群!Damn Yankees前夜の大傑作盤。国内盤CDで帯が付いてたら万単位の取引になってしまうレア盤も、こうやって聞ける事に、ただただ感謝。Survivorの名バラードEver Since The World Beganのカヴァーにも涙です。

ARTIST: PLACE VENDOME ARTIST: VEGA
TITLE: STREETS OF FIRE TITLE: WHAT THE HELL!
 担当:お茶の水ハードロック・ヘヴィメタル館 / 土田  担当:お茶の水ハードロック・ヘヴィメタル館 / 土田
ex.HELLOWEENのMichael Kiske(Vo)、PINK CREAM 69のDennis Ward(B)らによるメロディック・ロック・バンドの09年2ndフル。プロデューサーは前作同様Dennisで、1stに比べるとAOR寄りなサウンドになっている。冒頭の「Streets Of Fire」を皮切りにアルバム前半は伸びやかなヴォーカルと哀愁感漂うメロディアス・ハード・テイストの楽曲が並び、後半は美しく洗練されたAORテイストの楽曲が並んでいる。12を聴けばこの美メロワールドに吸い込まれノックアウトされること間違いナシ! KICK~EDENのシンガー、Nick WorkmanとJames&TomのMartin兄弟が結成したUK産メロディアス・ハード・バンドの13年2ndフル。キラキラで哀愁感漂っていた1stよりもメロハー色は薄れ、今作は泥臭く湿ったサウンドとヘヴィネス溢れるハードロック作になっている。2の「White Knuckle Ride」から中盤まではコーラスとハーモニーが織り成すアリーナ級のダイナミックな楽曲が並び、6のようなロック色の強い曲、ラストを飾る14のようなメロディック・ロック色の強い曲もあり、哀愁に富んだメロディーを軸としたサウンドはブレる事のない、高品質な賛否両論作!

ARTIST:SNAKES IN PARADISE ARTIST:STRANGEWAYS
TITLE:GARDEN OF EDEN TITLE:NATIVE SONS
 担当:営業部 / 西  担当:営業部 / 西
スウェーデン産メロディアス・ハード・ロック・バンドの2ndアルバム。COMPANY OF SNAKESでも活躍するステファン・ベルグレンのソウルフルな歌声はデイヴィッド・カヴァデールを彷彿とさせ、そのサウンドもまたWHITESNAKEを匂わせる。蛇のジャケットもまたしかり。ハードに鳴り響くギターを始め、演奏は非常に安定しており、安心して聴ける高品質な1枚。英国と北欧の両方を良いところ取りしたようなメロディーもまたこのバンドの魅力である。1stアルバムも高品質な作品であることに変わりはないが、この2ndの方が格段に曲が良い。そして、次作3rdでは退屈な作品になってしまったことから、初めて聞く人には是非この2ndアルバムをお勧め。 メロディアス・ハードというとTOTOタイプやSURVIVORタイプなど、大まかなジャンル分けができるが、このバンドはJOURNEYタイプといったところか。本作2ndアルバムから参加したアメリカ人ヴォーカリスト、テリー・ブロックの歌唱はスティーヴ・ペリーを彷彿とさせる力強さがあり、英国のバンドでありながら、まるでアメリカンなAORサウンドを聴かせる。特に本作はバンド歴代アルバムの中でもAORテイスト指向が強く、非常に洗練されたプロダクションも相まって、個人的には数あるメロディアス・ハード作品の中で、もっとも好きな1枚である。

ARTIST:TERRAPLANE ARTIST:WHITE SISTER
TITLE:BLACK & WHITE: EXPANDED EDITION TITLE:WHITE SISTER
 担当:営業部 / 西  担当:営業部 / 西
THUNDERのダニー・ボウズとルーク・モーリーがTHUNDER結成以前に在籍していたことで知られるメロディアス・ハード・ポップ・バンドの1stアルバム。ダニー・ボウズとルーク・モーリーの才能はこの頃からすでに開花されており、正統派ブリティッシュ・ハード然とするTHUNDERに対して、こちらはCHEAP TRICK辺りに通じるキャッチーなハード・ポップを演奏していた。ただし、単に陽気な明るいサウンド一辺倒ではなく、英国らしいウェットなメロディーも聴かせる辺りは、流石イギリスのバンドといったところ。2ndアルバムはニューウェーブのようなサウンドになり、ファンも離れてしまった。商業的には失敗ではあるが、内容は決して悪くない。 1984年にEMIからデビューしたアメリカン・ハード・ロック・バンドの1stアルバム。バンド名はTOTOの「HYDRA」に収録されている名曲から拝借した模様。そして、プロデュースにはANGELでの活動でも知られるグレッグ・ジェフリアを起用。肝心のサウンドは、やはりTOTOをハードにしたかのような感じで、『ISOLATION』の頃のTOTOに近い印象を受ける。重厚なキーボードを主軸に、分厚いコーラスとギターが絡み、曲によっては様式美的な要素も感じさせ、メロディアス・ハード・ファンのみならず正統派メタル・ファンにもアピールするものがある。

ARTIST:WHITE WIDDOW ARTIST:ART NATION
TITLE:WHITE WIDDOW TITLE:REVOLUTION
 担当:営業部 / 西  担当:営業部 / 渡
2010年にデビューしたオーストラリア産のメロディアス・ハード・バンド。1stアルバムながら新人とは思えぬ完成度を誇り、ベテランのような安定感すら漂う。キャッチーでありながら哀愁も感じさせるメロディー・ライン。重厚なコーラス・ワーク。ソリッドなギター・リフ。煌びやかな音色で楽曲を彩るキーボード。80年代の産業ロック/AORを現代に継承するサウンドはアラフォー世代のロック・ファンに自信を持ってお勧めできる。曲によってはBON JOVI風だったり、SHY風だったり、TERRA NOVA風だったり、TREAT風だったりと、あくまでもメロディアス・ハードの範疇でありながら、色んなタイプの楽曲を聴かせるところもまた魅力的。 H.E.A.T.の登場~ブレイク以降、なんだかんだでプロジェクトではなく若手の新人バンドが増えたな、と感じさせる今日の北欧のメロディアス・ハード・シーン。その中でも日本未デビュー組でお気に入りなのがこのART NATION。DIAMOND DAWNにも参加していたAlexander Strandell(Vo)を擁するバンドで、本作は15年発表の1stフル。TNT以降、ひとつのスタイルとも言える「北欧メロハー」の王道スタイルで、目あたらしさを全く無視した上で高いレベルに仕上げられた作品のひとつ。とにかく楽曲の完成度の高さが最大のウリにして武器であり、個人的にはここ数年で日本盤リリースが無かったことに未だに納得のいかない作品の筆頭です。

ARTIST:BOULEVARD ARTIST:DARE
TITLE:INTO THE STREET TITLE:OUT OF THE SILENCE
 担当:営業部 / 渡  担当:営業部 / 渡
カナディアン・ハードポップ・バンドの90年発表2ndフルの再発盤。本作でBLVD.からBOULEVARDに改名。LOVERBOY、HONEYMOON SUITE、HAREM SCAREMなどなど80年代からメロディアスな名バンドの宝庫であるカナダ。個人的には、US勢とは異なるどことなく暖かさを感じさせる哀愁メロディを武器にしたバンドが多いように思います。本作は、そんなカナダ産の旨味を凝縮したような作品でして、特にアルバム・オープニングを飾る2曲の出来は秀逸。哀愁メロディを愛する人にとっては名作中の名作と言える一枚ではないでしょうか? THIN LIZZYの『Thunder & Lightning』にも参加していた鍵盤奏者・Darren Wharton率いるバンドの88年発表のデビュー作。後に再結成を果たし、現在も活動を続けているバンドですが、アイリッシュなメロディを聴かせる大らかなサウンドの現在とはことなり初期2作は、BON JOVIを彷彿とさせるメロディアス・ハード・スタイル。本作を語るうえで欠かせないのがオープニングの超名曲「Abandon」。これでもかという哀愁とキャッチーさを兼ね備えたこの1曲に初期DAREの魅力が凝縮されているといっても過言ではありません。ちなみにGは後にTENでも活動をするVinny Burns(現在はDAREにも復帰)。

ARTIST:DEGREED ARTIST:HEART ATTACK
TITLE:DEAD BUT NOT FORGOTTEN TITLE:HEART REVOLUTION
 担当:営業部 / 渡  担当:営業部 / 渡
 素晴らしい出来だった前2作品で日本のファンにもお馴染みとなったスウェーデンの4人組。残念ながら日本盤のリリースがなくなってしまった15年発表の3rd。はっきり言ってしまえば80年代には一つの形で完成してしまった為、そこから進化のないメロハーという音の中で貴重な〝今と未来〝を感じさせるバンドがこのDEGREED。音作りやアレンジに積極的にモダンなアプローチを取り込む一方で、北欧伝統のフックに飛んだメロディをこれでもかと詰め込んだ新旧ハードロック・サウンドの良いとこどり。過去2作と比較すると、より整合感を増すと同時にアルバム大半をアップテンポの曲で構成するなど、勢いを加速させるには充分な仕上がりとなっています。前述のよう日本盤未リリースですが、最高傑作と言っても良いのではないでしょうか? 全く期待のしていなかった作品が大当たりだったときその作品は、期待通りの名盤の印象を大きく上回る強烈なインパクトを残します。個人的に15年の作品の中では、本作がそんな一枚。RAGING STORMやSPITFIREというコテコテのパワー・メタル・バンドのメンバーらで結成されたギリシャ産メロディアス・ハード・バンドのデビュー・フル。前述のようにパワーメタル系のメンバー、そしてこのジャケットということで全く期待をしていなかった一枚ですが、ここで聴かれるのは薄っすら哀愁のキャッチーなメロディと躍動感溢れるアメリカンな楽曲による超ハイクオリティな出来。ちょっぴり鼻にかかったシンガーの声質が生み出す甘酸っぱさもGood。これぞ掘り出し物!といえる一枚です。こういうのもっと話題になって欲しいですね!!

ARTIST:HOUSE OF LORDS ARTIST:HUMAN TEMPLE
TITLE:HOUSE OF LORDS TITLE:MURDER OF CROWS
 担当:営業部 / 渡  担当:営業部 / 渡
現在もシンガー・James Christianを中心としたバンドとし存続し、15年のLOUDPARK出演も果たしているUSメロディアス・ハード・バンドが88年に発表した1stの再発盤。KISSのGene Simmonsが立ち上げたSIMONS RECORDSからの第一弾アーティストとしてリリースした作品で、この頃のバンドの中心は、ANGEL~GIUFFRIAの名手・Gregg Giuffria(Key)。そんなこともあってか本作で聴けるサウンドは、現在の彼らのものとは多少異なる趣の分厚いシンセを前面に押したドラマティックなサウンド。特にアルバムのオープニングはそれが顕著で、Gregg Giuffriaの色が濃厚に打ち出されたアルバムの幕開けとなっています。 04年に発表した1stでいきなり日本デビューを飾ったフィンランドのメロディアス・ハード・バンドが10年に発表した2ndフル・アルバム。後にリリースされる3rdも日本盤がリリースされるので、本作が(現時点では)唯一日本盤がリリースされていない作品となります。ということは、本作の出来がイマイチなのかといえば決してそんなことはなく、1stよりもメロディに磨きがかかり、垢抜けた印象の強い3rd以上に哀愁と透明感が際立つ90年代ZERO COPものを思わせる哀愁と透明感に溢れた仕上がりは、”北欧らしさ”という意味では最高傑作といっても良い仕上がり。リリース当時も大きく話題になったわけではありませんが、北欧メロハー・ファンであれば聴いて損のない作品です。

ARTIST:JIM JIDHED ARTIST:MARK FREE
TITLE:JIM TITLE:LONG WAY FROM LOVE
 担当:営業部 / 渡  担当:営業部 / 渡
AILENの初代シンガー。『飛翔』の邦題でリリースされた日本盤は、現在も中古市場では高額化している90年発表の2ndフルの再発盤。彼のソロ作は母国語で歌われているものも多いのですが、本作と次作『Full Circle』が英語詞の作品となっています。AILENとの比較からかリリース当時、賛否のあった作品のようですが、メロディアス・ロックとしては間違いなく名盤。柔らかで煌びやかなシンセと泣きのギター、北欧ならではのメロディとJimのハスキーボイスが生み出す哀愁が生み出す極上の産業ロック路線で、ハードさこそ希薄なものの、STARSHIPあたりにも通じる楽曲のメロディ水準はAILENの1st以上と言っても過言ではありません。プロデュースはOle Evenrude、ギターは後のWIG WAMのTeenyことTrond Holterが担当。  KING COBRA~SINGNAL~UNRULEY CHILDとキャリアを積んできたMark Freeが92年に発表した1stソロ。Markは本作リリース後、性転換してMercie Freeとなったため本作が男性時代最後の作品。収録曲の大半が、VENUS & MARSのJudithe Randall、Robin Randall母娘による楽曲という本作、Mark Freeのこれまでのキャリアの中ではもっともライトでAOR寄りの作風ながら、全編を通して感動もののメロディに溢れた作品であり、キャリアの最高点とでもいっても過言ではない澄み切った歌声と合る極上のメロディック・ロックを聴かせてくれます。個人的にはメロディアス・ハードで好きなアルバムは?と聴かれれば真っ先に思い浮かぶ一枚でもあります。

ARTIST:PRIDE ARTIST:STAN BUSH & BARRAGE
TITLE:PRIDE TITLE:STAN BUSH & BARRAGE
 担当:営業部 / 渡  担当:営業部 / 渡
素晴らしい才能を持ちながらも、時代や機会に恵まれず埋没してしまったバンドって多いのだろうな~。そんなことを思わずにはいられない一枚。もともとはイギリスのレーベル「AOR-FM」(現在はなくなってしまった模様)から限定500枚で発掘CD化されていたものの即完売、入手困難となっていた作品をYESTERROKが2曲を追加して再発したものが本作。DA VINCH,MASQUERADEあたりに近いこれぞ北欧メロハーなサウンドで当時無名のまま終わってしまったのが本当に惜しいバンドです。こういうバンドが発掘され、時代を超えて知ることができるのも嬉しいですね。 メロハー・ファンにはお馴染みのアメリカ人シンガー/ソングライター・Stan Bushがバンド名義で87年に発表した作品の再発盤。80年代の様々な映画へ楽曲提供でも知られているミュージシャンでもある彼、87年という時代もあってか強烈にその頃を感じさせる作風。どの曲もシングルカットが出来そうなほどの華やかさや満ちたものばかり。80年代だからこそ生み出せた独特な雰囲気がたまらない一枚です。ドラムには、後のMR.BIGのPat Torpeyが参加。
 

ARTIST:STAN MEISSNER ARTIST:VAN.ZANT
TITLE:DANGEROUS GAMES TITLE:VAN ZANT
 担当:営業部 / 渡  担当:営業部 / 渡
メロディック・ロック・ファンにとっては80年代のソロ・シンガーものは名作の宝庫。時代性なのかゴージャスなシンセとポップなメロディに彩られた様々な名作が存在しています。メロディック・ロック・ファンには90年代になってからのMETROPOLISでの活動でもお馴染みのStan Meisserの作品もそんな中のひとつ。Celine Dion, Eddie Money, Elic Calptonらにも楽曲提供を行う名ソングライターでもある彼が84年にリリースしたのが本作です。後にリリースされる2作やMETOPOLISと比較するとよりライトなAOR作品であり、Stanのメロディメーカーとしての稀有なセンスをダイレクトに感じることができる一枚になっています。 LYNYRD SKYNYRDのVan Zant兄弟の末弟・Johnny Van Zant(Vo)によるバンド。それまではTHE JOHNNY VANZANT BAND名義で作品をリリースしていましたが、それが発展する形でVAN ZANT名義にして85年にリリースされたのが本作。ちなみにプロジェクト名は厳密には「VAN.ZANT」。後に兄のDnnieと立ち上げたVAN ZANTとは区別する形になっているようです。兄たちが得意とするサザン要素を排除、いかにも80年代的なゴージャスさなシンセと華やかなメロディを前面に打ち出した王道のアメリカン・メロディアス・ハードであり、1曲1曲が素晴らしいクオリティを誇る珠玉の名作。

ARTIST:W.E.T. ARTIST:ZENO
TITLE:ONE LIVE-IN STOCKHOLM TITLE:RUNWAY TO THE GOD
 担当:営業部 / 渡  担当:営業部 / 渡
Jeff Scott Soto<Vo>、Erik Martensson<G/B/Key>、Robert Sall<G>の3人によるメロディアス・ハード・プロジェクト。それぞれが在籍する代表バンドでもあるTALISMAN、ECLIPSE、WORK OF ARTの頭文字を冠してW.E.T.。これまでにアルバム2枚をリリース、共に秀逸の内容を誇るアルバムでしたが、あえてライブ盤をピック!ライブ自体は2ndリリースの直前の13年1月にストックホルムで行われたもので、リリース前となる2ndからの楽曲はもちろんECLIPSE、TALISMAN、WORK OF ARTの各メンバーのバンドの楽曲も演奏するなどメロハー好きにとっては聴きどころ満載。CDは日本盤のリリースがあったものの、DVDは日本未発売。ということで断然この輸入盤がオススメであり、動く3人が見られるというだけでも超貴重な作品です!! 未発表曲集『Zenology』を挟み、06年に発表された3rdアルバム。Zeno Rothと鉄壁のコンビネーションを誇ったMichael Flexigが脱退、制作段階ではTomy Heartの参加も予定されたもののFAIR WARNINGの再結成でお流れに。結局、ex-JADED HEARTのMichael Bormannが加入して制作された1枚。前任者とは全くタイプの異なるハスキーな声質の熱唱型シンガーということでこれまでような神々しさは後退、代わりにハードロックとしてのダイナミックさを強く感じさせる1枚。なんだかんだで超高水準な美メロ、兄譲りの印象的なフレーズを連発するギターなどなどZENOがZENOである要素はしっかりとしていますし、これが最高傑作!とは言いませんが、それまでとは違う姿を垣間見ることが出来たという意味でも良い1枚です。ちなみに本作リリースから既に10年。全く音沙汰なしですが、もう1枚くらいはアルバム聴きたいですよね。