AVANGARDE/EXPERIMENTALとDISCO/GARAGEをつなぐ奇才ARTHUR RUSSELL（アーサー・ラッセル）の、84年リリース(録音は77年)作品、“INSTRUMENTALS VOL.2”と83年リリース(録音は81年)“TOWER OF MEANING”に70年代の未発表音源を加えた2枚組の編集盤。
VELVET UNDERGROUND（ヴェルヴェット・アンダーグラウンド）がどこかの異空間、例えば4次元に置き忘れた無国籍なラウンジ・ミュージックかミニマルなチェンバー・クラシック・ポップスのようなスコアが並び、自身が語るところの『未来のポピュラーなラジオ・サウンド』をほのかに示唆するような未来的郷愁に満ちている。先発の未発表音源集“CALLING OUT OF CONTEXT”に比べエレクトロニカ/アブストラクト/音響勢の先駆ともいえる音色やリズムの奇天烈さが後退しているにもかかわらず、音楽家/作曲家としての彼の特異性な感性が時代を超えて際立つ不思議な雰囲気の音響作品だ。
