B.T. EXPRESSの後期と言えばとりあえず「Have Some Fun」。クラブ・クラシックとなったこのナンバーで、現代の新しいリスナーに対しても、人気のグループとして地位を築くことに成功している。今回初D化となる『KEEP IT UP』は82年リリース。その「Have Some Fun」が収められている『1980』の翌作にあたり、グループの歴史に終止符を打った作品になります。新境地を開拓した前作に引き続き、80年代らしいコンテンポラリー感覚を強調した秀逸な内容にかかわらず今までCD化が適わなかった作品ですが、この度ようやくリイシューされます。
シングル・カットされたオープニングの「This Must Be The Night For Love」から完全に80年代のB.T. EXPRESSを象徴するような都会的でコンテンポラリーな世界を演出。テナーやファルセットが絡む軽快なダンサーは、このアルバムのオープニングにふさわしい楽曲です。アルバム・タイトル曲「Keep It Up」では昔ながらのファンカーぶりを披露。全体の割合としてはコンテンポラリー色が強く感るアルバムですが、このような曲のアクセントは絶妙で、アルバム全体を引き締めるには打って付けのディスコ・ファンク。その他の曲もこれがラスト・アルバムとは思えないほどの充実振り。『1980』が後期最高傑作であることは否定できませんが、その傑作アルバムに劣らない魅力を充分感じさせてくれる好作品。祝、初CD化です!
