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オープニングのタイトル曲、ややダーティー・サウスを意識したような曲調に掴みどころのないインディ・シンガーとの印象しか残らないかもしれないが、アルバム全体を聴いていくとおぼろげながらこのシンガーの存在感たるものが見えてくる。
かなりルーズなリズムのあしらい方、太めだが本格派のシンガーとは一味違う声質、90'sのR&Bを基調としたメロウかつ気だるさを満載した曲調等々。シンプルかつ最小限の音数のトラック・メイキングも相俟って、何度リピート再生しても聴き疲れしない内容。むしろ中毒のように更に聴きたくなってしまう。そんないぶし銀のようなシンガー、MIKE STYLLZ。
幼いころから父親を知らずに育ち、ソーシャル・ワーカーをしていた母親の女手ひとつで育てられたという生い立ちを持つ。その為、幼少期の多くを一人で過ごすことが多かった彼の一番の教師はラジオだったということだ。様々なスタイルの音楽をそこから吸収していたがやはり一番のお気に入りがはソウル、R&Bだったことは言わずもがな。その後学生時代にSCHOOL BOYZなるグループ(これはBOYZ II MENのようなスタイルのグループだったという事)での活動経験もあるという。
今回のアルバムもおそらく予算的にインディの平均的なものに過ぎないことは想像に難しくはないが、その真摯な音楽に向き合う姿勢はこちら側にも充分伝わってくる。歌唱力も決して恵まれているとは言い難いが、まるでマーヴィンの多重録音を多用していた時期のアルバムを思い起こさせてくれるような内容は、まさに聴けば聴くほどのスルメ盤としてお薦めできる内容。派手ではないがしみじみとしたリスニング・タイムにはうってつけの一枚なのであります。
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