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M.B. エンメ・ビ / SYMPHONY FOR A GENOCIDE
W.M.O/R / SPAIN / CD / AVANT423 / 2008年03月10日 / 2,400円(税込)
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M.B. ことマウリツィオ・ビアンキは、1979年にサッチャー・ペルツ名義で活動を開始、80年にM.B. 名義では初のリリースとなる ‘Cold Tape’、‘Voyeur Tape’ (現在はVODがアーカイヴ) を手始めに大量のコンクレート作品を発表。中でも、同年の作品ながら、後にM.B. の代名詞となるテクノイズ (テクノアポカリプス) の原型を留めた作品として知られる ‘Technology 1&2’ ‘NH-HN’ を発表するなど、1年の間にM.B. を形作る濃密な活動を行っている。
そういった時期を経て発表されたファースト・アルバム “Symphony For A Genocide” (81年) が、この度、めでたくリイシューされた。EEs'T Records盤の入手が難しくなって久しいが、アメリカのHospital ProductionsとスペインのW.M.O./rから共同リリースという形で、リマスタリングを施し何度目かの復活を果たした。オリジナルは、ノクターナル・エミッションズが主宰したSterile Recordsからリリースされており、クレジットにはN.E. を始めディー・フォームなどの名が記されている。収録の7曲 (3曲のボーナス・トラックを収録) は、すべてがアウシュヴィッツを始めとするナチの強制収容所の名が付けられ、ジャケットにはその収容所で行われた大量虐殺の写真が用いられている。永遠と繰り返される電子音の反復と垂れ流しのノイズ、コラージュ…。今でこそ、インダストリアル/N.W. 期のミニマル・エレクトロニクスの源流としても通じるサウンドとも思えるが、気だるく陰鬱でこの世の果てを思わせる末期の絶望感は、ノイズ以外の何ものでもない終末感が漂っている (*)。まさに皆殺しの交響曲である。
M.B. はこの後、ファイナル・インダストリアルを掲げさらに暴力的なノイズと化した “Das Testament” (83年) を発表するも、リクリエイトと呼ばれる自己浄化作業による内省的なアンビエント志向のサウンドに移行、84年 “Armaghedon” を最後に千年王国への加入を理由に全ての音楽活動を停止するに至った。そのミステリアスな行動から一時は伝説と化したマウリツィオ・ビアンキであるが、2005年頃突然の復活を宣言、さらに80年代初頭に戻ったようなハイ・ペースなリリースでファンを驚かせたのは記憶に新しい。
最初期のカセット音源をアーカイヴ化したVODの “Evidences Vol.1” (5LP+BOX) と合わせ、ノイズ/インダストリアル~N.W. マニアの基本音源である。
(*) メルツバウの秋田昌美氏はM.B. の音楽的思考について 『後にM.B. は自分自身を 「今世紀におけるヴィクティム」 に位置づける発言を行ったが、「はたもの (排除)」 を核とした象徴操作こそ、「ナチ/ユダヤ人」 「工業/自然」 「音楽/ノイズ」 という形でM.B. の音楽思考の中を渦巻く運動法則であった。文字通りM.B. はこの二項の間で引き裂かれており、この宙吊りとなった回転軸が彼の音楽を破壊し、生成し、変質していったといえる。」 (『ノイズ・ウォー』 より) と分析している。
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