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NEO JAPANESE TRIBAL ATTITUDE HEAVY ROCK ! 日本語ヘヴィロック歌舞集!

収録バンド:
・GOOFY STYLE (グーフィースタイル - 東京)/感情, 樹, 青球の細胞
・蓮母 (レンボ - 東京)/慟哭, Sperm, 母光
・六合 (リクゴウ - 京都)/影理路, 霧, 心愛
・ヴァ乳 (ヴァニュウ - 沖縄)/雷, ダーラ, セアカゴケグモ

[TOUR 真神楽2010]
7/4 (日) 沖縄宜野湾HUMAN STAGE
6PM/6'30PM ¥1,000/¥1,500
7/17 (土) 京都MOJO
5PM/5'30PM ¥2,000/¥2,500
7/19 (月) 高円寺MISSION'S
5'30PM/6PM ¥2,000/¥2,300

『真神楽』ーシンカグラ|NEO JAPANESE TRIBAL TTITUDE HEAVY ROCK
近年のロック・シーンにおける潮流の一つに、民族音楽(ethnic music)もしくは民俗音楽(folk music)を採り入れながら、新たなスタイルを確立させる動きがある。その用い方は様々だが、単に独特の意匠を拝借して装飾的に導入するのではなく、ルーツを追い求めた必然的結果として生み出されるものも増えつつある印象だ。これは自らのアイデンティティを追究する作業と言い換えてもいいだろう。 未だアンダーグラウンドなフィールドではあるものの、日本でも特にヘヴィ/オルタナティヴ・ロック勢の中で、そういった取り組みを見せる精鋭が台頭する様相を見せている。その意味から言っても、東京、京都、沖縄の4バンドが参加した今回のコンピレーション盤『真神楽』は、まさに注目に値するアルバムだ。
GOOFY STYLE、六合、ヴァ乳、蓮母。ベーシックとなるロックそのものは欧米発だが、彼らは日本語の特性を意識した個性的な世界観を描く。さらに興味深いのは、民族/民俗的要素の介在のさせ方である。いずれにも共通して見えてくるのが、“和”を含めた東西アジアの各地に脈々と流れる音やリズムを奔放に配置させるアプローチ。極論するなら、その試みは途上にあるものかもしれない。しかし、日本を起点にシルクロードを辿っていく歴史探訪のような旅まで同時に感じられるところに面白さがある。
しかも、日本人はどこから来たのかといった大局的な視点がまず音楽観として表れ、それぞれの歌詞において、人間(自分)とは何かという主題に到達する。もちろん、4バンドの綴る光景を一元化してしまうのは不可能とはいえ、本作に収録された各々の楽曲群には、総合的に抽象できる精神性が備わっているのは確かだろう。これは彼ら自身が作り出す造形物の説得力と同義だと言ってもいい。 本来の芸術までが瞬間的な娯楽として消費されてしまいがちな時代だが、じっくりと対峙することで深みが増してくる音楽の魅力は今も変わらないはずだ。歪であるからこそ表現できる美もある。とはいえ、内面から沸き上がる衝動を闇雲に叩き付けるだけでも完成はしない。『真神楽』はそんなある種の謎解きを思わせる斬新な解釈を聴き手に与える可能性も有している。未曾有の扉を開くのに相応しい、時代を切り取った価値のある作品が登場した。
text by 土屋京輔