新メンバー加入で4人組になったくるりが、ロンドン郊外のスタジオで制作した4thアルバム。アルバム・タイトルの言葉がイメージする雄々しさはどこにもなく、そこにはROCKと優しさと愛が満ち満ちています。キャッチーで耳に残る新生くるり第1弾シングル「WORLD'S END SUPERNOVA」を筆頭に、これぞくるり's ROCK'N ROLLな「GO BACK TO CHINA」、キュートで遊び心溢れるトイ・ミュージックの「水中モーター」etc、岸田氏のソングライティングの才能がいかんなく発揮された素晴らしい全13曲。その中でも特に聴いてもらいたいのが「男の子と女の子」。これはホント、ホントに名曲です。好きという感情の威力や無力さ、いつまでたっても解かり合うのは難しい“男の子”と“女の子”、それでも好きになったり嫌いになったり‥といういかんともしがたい感情を表現した極上のラブ・ソングです。 タイトルは『THE WORLD IS MINE』。そんな無敵さと背中合わせの孤独をも感じさせるジャケット。今回は曲だけでなくそんなジャケット・ワークにも何か意味のあるものを感じます。日本ロックの歴史に残る‥なんて大げさな言葉は使いたくありませんが、少なくとも聴いた人に何かを残してくれる作品だと思います。
